国会発言録minutes
野上浩太郎オフィシャルサイト

第177国会 参議院 財政金融委員会 8号

2011年4月21日(木)

野上浩太郎君

 自由民主党の野上浩太郎でございます。
 法案の審議に入る前に、少し震災関係について若干お聞きをさせていただきたいと思います。
 私、先週、宮城県の名取市、岩沼市、亘理町、山元町周辺に行ってまいりました。いろいろな声を聞いてまいりましたが、やはり、金融面の話では当座のお金がやっぱり足りないという声が非常に多かったというふうに思っております。
 今現在、金融機関では十万円までは本人が確認できれば柔軟に払い出すと、対応するということをやっておられるんですが、いろんな声の中で、やはり親が亡くなられたり行方不明になったときに、子供さんだけになっているということがあると。そういうときに、子供たちにそういう預金をしっかり払い出してやってほしいという話ですとか、あるいは本人以外の親族への預金の払出しということも配慮してほしいとか、こういう声が非常に多かったというふうに思います。
 もちろん相続等の関係もあるんですが、今全銀協の方からも要請ということで文書が出されているようなんですが、現地ではやっぱりそういう対応が全く進んでいないところが非常に多いんですね。ですから、まずそこの取組を一層徹底していくということが大事だと思うんですが、どうでしょうか。

〔委員長退席、理事大久保勉君着席〕

大臣政務官(和田隆志君)

 野上委員に御指摘いただきましたように、被災後いろいろな困難な状況をお聞きいたしております。
 累次、金融庁としても各金融機関の方に要請を発しておりますが、今おっしゃったように、全銀協の方がそういった趣旨を踏まえていただきまして、今例示されました親族等、亡くなられた本人は預金口座を持っていて、その親族が金融機関に行っていただいたときに引き出せるということを柔軟に取り扱われたいということを全銀協としても要請を発出しまして、実際にはもう既にそういったことに対応をかなりの金融機関に取っていただいているようでございます。例えば、お子さんがお父さん、お母さんが亡くなられた後、お父さんの預金口座についてお父さんの氏名、生年月日等をしっかりお話ししていただければ、そこの部分の引き出しも対応していただいているということのようでございます。
 今御指摘のように、そうしたことがあることは知っていただきつつも、まだまだ徹底されていないじゃないのということで御指摘いただいておりますので、金融庁としましても、ホームページに掲載するだけでもなく、被災地においてポスターにおいてそうした内容を周知徹底に努めるような掲示を張り出すといったことにも取り組んでまいります。

野上浩太郎君

 是非その周知徹底をお願いしたいと思いますし、恐らく今後どこにあるのかも分からないというような状況も出てくるかと思いますので、そういうことも引き続き検討を続けていってもらいたいと思います。
 もう一つは、被災地の話の中で、今の当座のお金の話とともに、もう一つは、やっぱり今後の展望がなかなか描けないという話の中でいわゆる二重ローンの話がございました。いわゆる過去の借金があると、それから、これから被災した家屋を建て直したり工場を建設をしていったりということになると、二重ローン、三重ローン、四重ローンと、こういう多重債務の形になってくるわけであります。
 例えば、阪神大震災のときなんかは、利子の補給、一定の利子の補給がありましたり、あるいは今回も住宅金融支援機構で返済を五年間猶予というような対応も始まっておりますが、やはり民間金融機関も含めて、この被災者の二重ローンということに対する対応というものも必要になってくるかと思いますが、いかがでしょうか。

国務大臣(自見庄三郎君)

 野上議員からの御質問でございますが、私も先週の金曜日と土曜日、仙台と石巻でございますが行かせていただきまして、向こうの金融関係、地方銀行、信金、信組、いろいろ会わせていただきましたが、やはりこの二重ローンの問題が大変大きな問題として指摘をされまして、今先生が言われましたように、これは中小企業金融円滑化法案、これは、例えば、今住宅ローンの話を先生されましたけれども、これは積極的にこの趣旨を踏まえて対応するようにということも言っておりますし、今当面、先生御存じのように、ほとんどの金融機関は住宅ローンの場合、返済を一旦停止いたしておりますので、そういった意味で具体的な変更の条件を取るように言っておりますし、また二重ローンの問題につきましては、今先生もございました住宅金融支援機構、昔でいう住宅金融公庫でございますけれども、これが阪神・淡路のときは三年から五年に猶予期間を延ばしたということもございますので、やはり民間の金融機関だけでは限界があるところがございますから、公的金融機関と、それから企業の場合は特に信用保証制度が大事ですから、私は前回も非常時には非常時の対処の仕方があるというふうに申しましたので、またいろいろな御意見を聞かせていただきながら、しっかり、被災者が実質的な負担を軽減されるといった対応の検討をしっかり金融機関と一緒になって、また指導監督する責任もあるわけでございますから、金融庁といたしましても被災者に対して円滑な金融仲介機能を発揮するように指導してまいりたいというふうに思っております。

野上浩太郎君

 是非、この問題については、今お話があった、多分金融円滑化法の範囲だけではなかなかもう済まないというふうに思うんですね。これから多分社会問題化してくる問題だというふうに思いますので、公的部門の範囲も含めてしっかりと検討してもらいたいと思っています。
 今、自見大臣も被災地の方に今週末行ってこられたということでありますが、やはり地方金融機関の、これは信金、信組も含めて、被害というのは本当に甚大でありました。今、金融庁として被災地の金融機関の被害状況をどういうふうに把握しておられるか、ちょっとお聞かせください。

大臣政務官(和田隆志君)

 今委員御指摘の部分というのは、金融機関の被災状況ということでお聞きいただいたものと承知いたしてお答えしますが、実際に東北六県及び茨城県の中に本店のあります金融機関、七十二ほどございます。その中の営業店約二千七百ほどございましたが、三月十四日時点ではその約一〇%に相当する二百八十の営業店が閉鎖でございました。
   〔理事大久保勉君退席、委員長着席〕
 この一か月間、鋭意店舗を開けるよう努力していただいた結果、現時点、四月二十日時点でございますが、その店の数、百二十まで減少いたしておるということでございます。その結果、今現在では九六%の営業店が今までと同様、営業を行っております。
 その他、実際に被災された方々の便宜のために鋭意努力していただいておりまして、現在、被災の結果、閉鎖したままになっている店舗におきましても、隣接店舗等、他の店舗において対応できるように態勢を取っております。
 また、被災者の方々が避難されておられる場所で臨時窓口を設置いたし、かつ申し上げれば、他の金融機関のネットワークも通じまして、先ほどちょっとお話の中に出ておりましたけれども、どこに行ったらいいか分からないという方々の分も含めて対応を取っていただくよう努力をしていただいているところでございます。

野上浩太郎君

 本当に、臨時の窓口をつくったり、大変な努力をして今やっておられると思います。まさに、こういう地方金融機関をしっかりと万全な支援をしていくということがやっぱりこれは地域復興につながっていくというふうに思います。
 そういう中で、先般、仙台銀行に続きまして、東北最大の地銀である七十七銀行も公的資金の活用ということを表明をされました。恐らくこれを機にほかの金融機関も同様な動きというものを出していくんだろうというふうに思いますが、やっぱりこの被災地の金融機関が公的資金を求めやすい状況をどういうふうにしてつくっていくかということで、大臣もいろんな記者会見等々でいわゆる金融機能強化法の改正について言及をされています。
 やっぱりポイントは、その経営陣の責任をどうするのかと。あるいは、経営強化計画の期間を、今三年ですが、それを延長していくのかどうか。あるいは、長期にわたる復興資金なんで、返済期限を十五年以内ということから、これを延ばしていくのかどうか。いろいろあると思うんですが、改正の内容によっては今の復興に向けての動きということにブレーキを掛けかねないというふうに思うんですけれども、是非早く、今言ったようなポイントも含めながら、しっかりとした動きを出してもらいたいと思うんですが、大臣、いかがでしょうか。

国務大臣(自見庄三郎君)

 野上先生が言いましたように、もう今は本当に被災に遭った人の立場、被災に遭った特に中小企業の立場に立って政治が考えていくことが大事だと、こう思っておりまして、これ麻生内閣のときに作られた法律で、リーマン・ショックのときに作られた金融機能強化法というのがございまして、これ御存じのように、十二兆円自己資本を増強することができるわけでございますが、今、三千七、八百億使っておりますけれども、まだ十一兆以上自己資金があるわけでございます。
 これは、先生が言われましたように、この法律は、今は経営者の責任を問うというふうな項目がございますが、今回の場合はこれは天然災害でございますから全く経営者の責任はございませんし、そういった意味で、私は経営者の責任を求めない、法律を変えたいと、こういうことを申し上げたわけでございますが。今鋭意、非常に使い勝手がいいような法律、金融機能強化法の特に特例ですね、この東北六県と茨城県、今度被災された地域を特例にして、非常に、できるだけ、民間金融機関ですから基本的に人からお預かりしたお金をお貸しをするということでございますから、当然一定の金融規律、限度はございますけれども、さっき先生も言われましたように、公的金融と、また企業の場合、特に信用保証制度が大事でございますから、そういったことと絡めてしっかり金融機能、そして今次の東日本大震災という未曽有の震災が金融にいろいろ機能を今後も与える必要もあることが考えられるわけでございますから、そんなこともしっかり注視しながら、まさにこの地域における金融機能強化をやっていきたいというふうに思っております。

野上浩太郎君

 是非、もうスピードが大事なんで、早くやってください。
 それでは、法案の方に入っていきたいんですが、今議論のあった公認会計士制度の見直しということであります。これについては、同僚の古川先生、西田先生の話を通じて、もう本当に白旗が上がったというような状況だと思うんですが、確認の意味も込めて質問をさせていただきたいと思うんですが。
 そもそも、平成十八年に新試験制度に移行をしたということなんですね。これから五年しかまだたっていないわけなんですね。こういう短期間にやっぱり国家試験制度をころころ変えるということについて、これは先ほどお話のあった受験生の方もそうなんですが、社会的にも、国民の信頼という意味でも、これは大きな影響があるんだというふうに思うんですが、そこの部分をどういうふうに考えておられたのか、お聞かせください。

大臣政務官(和田隆志君)

 今御指摘のように、五年ほどの経過期間ということでございますが、私どもとしましては、公認会計士制度に関する懇談会というのを設けて、そこに十回に及ぶ議論を積み重ねてきているという状況でございます。その中で、いろいろな経済界等の様々な関係者から御意見をいただいている中でこういった新たな会計の専門家資格を設けることが適当という結論をいただいたものですから、そういったところを踏まえて考えた改正案でございまして、そうした意味におきまして、御指摘ではございますが、国家資格への信頼を大きく揺るがせるというところまでは考えておらないところでございます。

野上浩太郎君

 もう本当に、さっきからのいろんな議論、答弁を聞いていても、本当にもうはっきりしないんですね。自見大臣、もう一回、今回この財務会計士の制度をつくったということのポイントを、ポイントで結構ですから、簡単にお聞かせをいただきたいと思うんですが。

国務大臣(自見庄三郎君)

 会計の能力を上げろということは、基本的に経済がグローバル化した中で世界の共通の私は大きな方向だと思っております。
 そういった中で、今いろいろなお叱りはいただきましたが、やはり、企業活動が高度化する、あるいは国際化する、あるいは複雑化する中で企業の会計実務について更なる充実が必要だということは、これは万人大体認めていただけるところだと、こう思いますが。
 そういった中で、今大臣政務官も言われましたように、まさに金融庁が中心となりまして、どういうふうなやり方で今からの企業会計をやっていくかということで、公認会計士、税理士、経済界、これは経団連でございますけれども、あるいは教育界等々の有識者をメンバーとして懇談会を十回ほどいろいろ開いて意見を聞いていただいて、この事務方には大変御努力いただきました。
 事務方が、こういった企業会計士というのはやはり必要であるということでございましたが、今さっき申しましたように、経済界が是非やってくれというような要望も強かったというふうに私は聞いておりますけれども、リーマン・ショック以来不景気になりまして、実は、雇用できなくなったといったら悪いんですけれども、おる人だってリストラしようかということになりましたので、そこで大変大きな率直に言えば経済環境の変化があったというふうに思っておりますが、そういったことで法律を出させていただきましたが。
 いずれ、国権の最高機関は国会でございます、唯一の立法機関でございますから、いろんな御批判、御判断があると思いますけれども、それは当然でございますけれども甘んじて受けさせていただくし、その責任は、私何度も言いました、これは私が国務大臣としてこの法律を内閣法として出させていただいたわけでございますから、責任はしっかり私一人にあるというふうに思っております。

野上浩太郎君

 まあ責任の所在の話をしているつもりはないんですが。
 今、いわゆる経済界から非常に要望が大きかったと聞いていたという話もあったんですが、それでは、企業がいわゆる財務会計士を活用する見通しとか調査とか検証とか、そういうことをやられたんでしょうか。

政府参考人(森本学君)

 今回御提案させていただきました企業財務会計士の創設の検討の過程におきまして、先生御質問の、企業がそうした資格を有する者を活用する見通し調査につきましては、まず、一昨年四月以降、運用面の取組ということで公認会計士の方の活動領域の拡大という取組を行いまして、これは金融庁や経団連、公認会計士協会が言わば公認会計士の方の民間企業への就職促進の活動を行ったわけでございますが、そうした運用面の取組だけでは必ずしも十分ではないということで、制度面の対応が必要であるということが課題になりまして、それを受けた形で、一昨年の十二月以降いわゆる懇談会で検討を行ってまいりました。懇談会では、先ほども御紹介いたしましたが、経団連のアンケート調査、また試験合格者の再度の意識調査等もいたしまして、そうした点を踏まえて検討をしてきたものでございます。

野上浩太郎君

 そうすると、そのアンケート調査の中では何社ぐらいがこれは必要だという話をしているんですか。

政府参考人(森本学君)

 これは、平成二十二年二月に経団連で行った調査でございまして、監査ライセンスとは別の会計知識を有するという能力証明が必要かという問いに対しまして、六八%の社が必要だという回答をしております。また、資格制度を能力の認定と監査ライセンスの二段階に分けるということについても、賛同するという意見が六四%という結果でございました。

野上浩太郎君

 試験制度の内容についてはそうなのかもしれないんですが、実際に企業財務会計士というものができた場合に、企業として採用する、しないというような、そういう検証はしたんでしょうか。

政府参考人(森本学君)

 具体的に何名採用するとか、そうした数字は、そうした回答をいただくような調査は行っておりません。
 ただ、こうした資格を設けることが企業の採用にとっても有意義であるといった回答もいただいておりまして、全体としまして試験合格者の企業への就職を促進する効果があると懇談会では考えたところでございます。

野上浩太郎君

 やっぱりそれは全く認識が違うんですよね。そういう資格が有意義かどうかという問いに対しては有意義と答えるでしょうね。しかし、それが企業が採用するかというのは全く別問題なんです。
 自民党でも先般経団連等々経済界の声を聞いたんですが、やっぱり企業が求めている人材のニーズというのは、そういう会計の知識も必要なんですが、総合評価なんですよね。会計の知識とともに、やっぱりビジネスコミュニケーションの高い人材を最終的には必要としているんだということであります。ですから、いわゆる資格があればそれを取るんだということには全くつながらないということで、やっぱりこれは企業ニーズとのミスマッチがあるんだろうというふうに思いますし、また、先ほど西田議員からのお話にもあったとおり、ほとんどの受験者というのは公認会計士を目指しているんですね。ですから、その資格が取れればこれは辞めていくということにもなるんだと思いますし、企業にとっても、これは自前で財務の担当者を育成をしているんだと、国家資格をつくって無理やり受入れを迫られても困るという声もあるんですね。つまり、待機合格者の解決ということにもやっぱりこれは全くつながっていかないというふうに言わざるを得ないというふうに思っています。
 それで、財務会計士の業務というのは、さっきもお話あったとおり監査業務もできないし、税務業務もできないし、何をやる資格なのかよく分からないということもあるんですが、さらには、既存の会計関連資格ですね、日商簿記検定ですとか、あるいは公認会計士と隣接する国家資格ですね、税理士等々、そういうものとの関係というものをどういうふうに考えているのか、ちょっと聞かせてください。

政府参考人(森本学君)

 先生御指摘の民間の能力検定との違いでございますが、公認会計士試験は、監査論、会社法及び金商法、租税法等、様々な試験項目を内容としておる国家資格だということと、この企業財務会計士になるには公認会計士協会に登録をいたしまして、その後、能力の維持等を行うという点で民間の能力検定と異なるということでございます。

野上浩太郎君

 そこの部分もしっかりと慎重な検討がやっぱりなされていないんだと思います。
 これまでの推移から明らかなとおり、やっぱり財務会計士の創設というのは待機合格者への対応にもならないし、企業も必要としていない。また、将来はこれは消滅する可能性が高い制度じゃないかなというふうに思います。需要側も供給側も首をかしげているということなので、ここはやはり見直しをすべきじゃないかということを申し上げたいと思います。
 最後に一点だけ、不動産の流動化、資産流動化スキームに係る弾力化の意義ということについて、法案に入っています。これはしっかり進めるべきだと私は思っているんですが、今震災に直面する中で、民間資金を活用していくということが重要な私は視点だというふうに思っていまして、いわゆる金融と不動産の融合推進をして不動産投資市場を通じた資金循環によって民間資金をしっかり活用していくんだということの意義は大きくなっていると思うんですね。リーマン・ショック以降ここは低迷しているんですが、しっかり活性化をしていくと。
 この法案のTMKの話もそうですし、J―REITですとかGK―TKとか、あるいは不特法の話、PFI法の改正の話、いろいろあると思うんですが、この民間資金をしっかり活用していくための取組について最後に決意をお聞きをして、終わりたいと思います。

国務大臣(自見庄三郎君)

 野上議員はお父さんもよく知っておりますけれども、大手の全国不動産会社に長くおられたということでございまして、今御指摘のように、この資産流動化スキームって大変大事だと思いますので、特にこの規制緩和ですね、そういったことを入れて、特にまた、今先生言いました、今度、東日本の東北地方の地震、津波でございますから、こういったスキームをしっかり活用できるように、適宜適切にこれを、一例言いますと、不動産、J―REITでございますけれども、含め、投資信託、それから投資法人法制については今後見直しの検討を行い、平成二十五年までにきちっと包括的な制度整備を実施するということにいたしておりまして、ひとつこの資産流動スキーム、しっかり使いやすいものにしていかねばならないというふうに思っております。

野上浩太郎君

 終わります。

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