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1999年9月議会一般質問(初質問)での論点、主張
- 行政の仕事の一部の民間委託や、外郭団体の仕事の見直し、PFIなどにより民間の活力をもっと行政の仕事に導入して行政の効率化を図り、生産性やサービスの向上を実現すべきである。これは一方で、景気対策にもつながる。
- 豊富な経験を持つ元気な高齢者に対する施策を一層充実させ、社会のためにもっと活躍の場を。
- 若者の定着を図るために、県内大学を魅力的にし、産官学の連携によって新規事業、ベンチャー企業の育成を促し、新しい魅力ある雇用の場の創出が必要。
- 高齢者から若者、子供まで、全世代が生き生きと交流できる歩いて暮らせる街作り事業に積極的に取り組むべきである。
野上浩太郎
先般の4月の県議選におきまして、富山市より初当選をさせていただきました野上浩太郎でございます。まずもちまして、多くの方々の力強い御支援により、こうして県政の場に参画させていただきましたことに厚くお礼を申し上げますとともに、本議会において初質問の機会を与えていただきました諸先輩議員の皆様方に、心から感謝を申し上げたいと思います。深い感謝の中で、今、初登壇をさせていただきまして、大きな感激とそして大きな緊張感、そしてまた責任の重大さを感じておるところでございます。
21世紀を直前に控えた現在、政治に無関心ないわゆる無党派層という人々の存在がいわれまして、その結果、各種選挙の投票率も低下をしてきております。私は選挙期間、そして4月以降のこの数カ月間を通じまして、県民の皆様とじかに接し、その中で実感をいたしましたことは、この政治や行政に対します漠然とした不信感が、将来に対する不安感につながっているということであります。このような状況の中で今求められている政治というのは、一言であらわせば、希望の持てる、そしてわかりやすい、そういう政治ではないでしょうか。つまり、この混迷の時代の中で、将来に対し確固たるビジョンを示し、それを明確に説明し、実行に移すという基本的なことが、改めて強力に求められているのだと思います。
まさに、21世紀に向けまして価値観は大きく変わり、新しい時代を迎えようとしておりますが、さらなる富山県の発展に向け全力を尽くしていく決意でありますので、今後とも、皆様方の御指導、御鞭撻のほど、よろしくお願い申し上げます。
それでは、大きく分けまして4点につきまして、私なりの提案も含め、質問に入らせていただきます。
行政改革について
まず第1番目は、行政改革についてであります。
先般、県の行政改革の取り組みについての県民向けのパンフレットが発行されましたが、まずは、知事をはじめ県の行政改革の取り組みについて高く評価をしたいと思います。しかしながら、県の財政状況は依然として厳しく、また地方分権時代は間近に迫っております。財政の健全化のため、また新しい時代に対応できる県庁となるため、さらなる改革に積極的に、果敢に取り組んでいくべきであります。
そして、その中で私がとりわけ注目したいのは、民間企業の活力の導入と活用ということであります。私も昨年まで民間企業に勤務しておりましたが、その厳しい競争原理の荒波の中には、やはり行政には存在し得ないノウハウと知恵が存在し、それを活用可能な分野で導入していくということは、自治体の効率化とスリム化、そして県民へのサービスの向上に直結すると思うのであります。
そのような中で、国会において7月下旬に、いわゆるPFI推進法が成立しました。PFIは1992年、イギリスが導入し、確立した政策手法でありまして、民間の資本とノウハウを用いて、従来は自治体が担ってきた公共事業を民間が実施するという新機軸の構想といえます。
このPFI法案は、当初案に盛り込まれていました国や地方自治体による債務保証や出資などの規定が審議の過程で削除をされまして、その一方で、事業が破綻したときの措置を協定の上で明確にする規定などが追加されました。つまり、細かい契約によって事業の運営を全面的に民間に任せることを原則としておりまして、当初は、現在問題になっている例も多い第三セクター方式と同じではないかとの懸念が強かったわけでありますが、このことからも両者は異質の概念を持つものであるといえ、活用の方法によっては、PFIは21世紀に向けた魅力的な社会資本整備における政策手法であると思いますが、知事にその御所見をお伺いいたします。
また、この手法は、現在既に日本各地で事業化が計画されております。例えば、東京都金町浄水場の自家発電施設は、PFI推進法の成立を待たずに民間事業者の公開募集と提案書の受け付けを実施し、既に事業予定者を決めておりますし、神奈川県の新衛生研究所や広島港の輸入関連施設整備などのほか、JR東海のリニア新幹線や中部国際新空港などのビッグプロジェクトでも続々と導入が検討をされております。
PFI導入によりその効果が期待される事業分野としましては、廃棄物の処理施設、リサイクル施設から病院や有料道路までさまざまな分野がありますが、いずれにいたしましても、これには息の長い取り組みが必要であります。そのために、全国各自治体においては次々と庁内に横断的な検討組織を設置しており、北陸においても既に福井県で設置をされ、積極的な検討が進められております。
このような全国的な潮流の中で、本県といたしましても、まずは、PFI導入に向け、その是非を検討するうえにおいても庁内に検討組織を設置することが必要であると思いますがどうか、あわせて知事にお伺いをいたします。
次に、業務や施設の民間委託、いわゆるアウトソーシングについてお伺いをいたします。
本県においては、空港管理業務や道路除雪業務などで既に民間委託が進められておるわけでありますが、現在、ほかにどのような分野でどの程度民間委託が進んでいるのか。また、あわせて、その民間委託を含めた事務事業見直しに伴う人員の減はどの程度なのか、総務部長にお伺いをしたいと思います。
そして今後は、民間委託の効果を論じるときの観点としましては、民間に委託することに伴う予算から人員が減ることに伴う人件費を差し引くことによって予算はどの程度減るのかなどといった、数量的効果を押さえることが大変重要なことであると考えております。
また今後、老人ホームなどの施設の管理運営業務や施設や学校の給食業務の委託など、新たな分野へどのように取り組んでいくのか、あわせてお伺いをいたします。
次に、外郭団体の業務見直しについてお伺いをいたします。
外郭団体の業務において、事業環境の変化に伴い民間との競合が生じていたり、また既にその役割を終えたと考えられる業務の見直しを行うことは、行政の事業効率化、そしてスリム化を図るとともに、民間の活力を生かす方向であると考えます。その中で、近年に大きく事業環境が変化をしました住宅業界に関連し、富山県住宅供給公社の事業に焦点を当てたいと思います。
県内における1998年の新規住宅着工の実績は、2年前の96年と比較しますと約65%という落ち込みを見せる一方で、公社においても多数の売れ残りの物件を保有しております。このような環境の中においては、公社は一般の宅地・住宅分譲事業から縮小・撤退をして、その分野では民間企業を活用し、公社は、例えば高齢者向け優良賃貸住宅供給促進事業など、時代のニーズに合わせた先導的な事業に取り組むなど新たな事業展開が迫られていると思いますが、今後の富山県住宅供給公社の事業展開方針について、土木部長にお伺いをいたします。
若者・青年対策
第2番目は、若者・青年対策であります。
本県においては、県内の大学が若者を収容することができる力をあらわすいわゆる大学収容力指数は、平成10年度では全国で40位と低く、また県内大学入学者に占める本県出身者の割合も32.4%と全国で26位であり、全国平均に比べ低くなっております。また、県内の高等学校等を卒業し、全国の大学・短大などに進学した若者のうち、Uターンをして県内に就職した若者は約50%となっております。実は私も昨年、希望に燃えてUターンをしてきた者の一人でありまして、この50%の中に入っているわけであります。
今後の少子・高齢化社会を支えていく若者、青年の定着を図り、またUターンを促し、その力を社会に反映させていくことは、活力ある富山県づくりにとっては必要不可欠なことであります。そしてそのためには、魅力ある高等教育機関、大学があるということ、そして活力ある雇用の場があるということが大変重要でありまして、産学官一体となった対応が迫られております。特に、大学と民間企業のオープンなネットワークを中心としまして活発な活動が行われなければなりません。まさにアメリカのシリコンバレーのように、スタンフォード大学を中心に産学官が連携した活発な活動が求められているものと考えます。
本県においては、工業技術センターを中心にしまして、民間企業と大学との共同研究が推進されておりますが、まずはその実績をお伺いしたいと思います。またあわせて、その研究が新たな製品や産業をつくり出すことへつながった実績はあるのか、商工労働部長にお伺いをいたします。
また、先ごろ、政府におきましても、次世代産業の育成に向けたミレニアム・プロジェクト、いわゆる千年紀事業の推進には、大学の研究技術を産業界が活用しやすくする仕組みを整備し、産学官の協力体制を強化する必要があるとの判断から、産業技術力強化法案が秋の臨時国会に提出をされ、来春の施行を目指しております。この内容はベンチャーの起業を支援する画期的な内容でありますが、本県においても重要課題であります産学官の協力連携体制の強化策はどうか、あわせてお伺いをいたします。
一方で、現在、大学側の体制はどうでありましょうか。富山大学には民間企業と共同研究を行う場であります地域共同センターが設置をされております。県立大学においても工業技術センターや富山技術開発財団などとさらに積極的に提携をし、民間企業との共同研究を進めるべきであります。しかしながら、工業技術センターと民間企業との共同研究が平成10年度実績で約20件であったのに対しまして、県立大学と民間がかかわる共同研究は約3件と、大変少なくなっております。これにはさまざまな理由が考えられますが、やはり民間や行政の人間が大学側の教授にアプローチする手段が一本化されていないことが、その一因であると考えられます。個々の対応によっていたり既存の部署にその役割を持たせるという対応では、推進は期待されるものではありません。
そこで、県立大学と民間企業との共同研究の推進策としまして、県立大学に学外との連携を推進する独自のセクションを設置することを検討してはどうでしょうか。このセクションは、企業に対しての相談窓口となるとともに、企業側のニーズを調査して学内の連携をコーディネートし、対外活動を効果的に展開するためのセクションでありまして、民間とのオープンなネットワークをつくり出すためのものであります。この試みは、既に高知県の県立大学であります高知工科大学でも取り組まれておりまして、多くの成果を上げております。総務部長にその御所見を伺うものであります。
また、県立大学の活発化を促すためには、インターンシップ制を導入することや、大学院においてベンチャー起業家コースを設置したり、また民間経営者などの外部講師を招いた講座ですとか講演を実施して外部との生の交流を推進するなど、さまざまな方策が考えられますが、県立大学のさらなる魅力アップ策についてお伺いをいたします。
元気な高齢者に対する施策について
第3番目は、元気な高齢者に対する施策についてであります。
現在、県内の65歳以上の高齢者は約22万人ですが、このうち要介護認定の対象予定者は約2万6,000人となることが先ごろ明らかにされました。そして、いよいよ10月より要介護認定が始まるわけでありまして、これまでの県の御尽力に深く敬意を表しますとともに、今後とも介護保険制度の円滑な運営に期待をするものであります。
さて一方で、介護保険制度においては、要介護認定において「自立」と認定され、介護サービスの対象とならない高齢者が約88%見込まれます。これからは、こうした高齢者に対して、日常の動作訓練といった介護予防のためのサービスや、また家事の援助といった生活援助のためのサービスを提供することなどにより、高齢者の自立生活の継続を可能とすることが重要であると考えております。
来年度は、介護保険導入や、またポスト新ゴールドプランのスタートによる老人福祉行政の再編成を迎えるときでありますし、また、先ごろ厚生省は全国会議を開催し、介護予防、生活支援策を打ち出しております。県としても、このような新しい介護予防、生活支援事業への積極的な取り組みが必要と考えますが、知事の御所見をお伺いいたします。
加えて、元気な高齢者は豊富な経験を持つ貴重な人材であり、社会において活躍していただけることは大変重要なことであります。元気な高齢者の能力の積極的な活用策をあわせて知事にお伺いしたいと存じます。
また、今後、新規事業を促進する分野としてシルバービジネスが期待されておりますが、その中で、元気な高齢者に関連するイベントがビジネスチャンスをつくり出し、そして地域振興に大きく寄与することに注目したいと思います。
国際高齢者年に当たることし、高齢者を対象としたさまざまなイベントが各地で展開をされておりますが、その効果としては、長寿社会の意識啓発や高齢者の社会参加、そして世代と地域を超えた交流の推進などが考えられます。ことしは福井県でねんりんピックが開催されますが、ねんりんピックの経済波及効果としては、愛知・名古屋大会における来場者アンケートからの推計では約119億円という試算もあります。また、近年国体が開催された県における開催が多く、施設の有効利用ともなり得ますし、全国規模での地域アピールにもなります。
この種のイベントで重要なことは、主に高齢者を対象とした内容展開としながらも、すべての世代が楽しめるようなものであることであり、本県においてもそのような趣旨のイベントを積極的に開催してはどうかと思うのであります。その御所見を厚生部長にお伺いをいたします。
歩いて暮らせる街づくり」事業の取り組みについて
そして、最後の4番目の質問は、先般の小渕総理来県の折に提案がありました、小渕総理直轄事業として検討されている「歩いて暮らせる街づくり」事業の取り組みについてであります。
この事業趣旨は、建築家の安藤忠雄氏が中心となって提唱されている構想であり、全国に数カ所のモデル地域が指定される見通しであります。その構想は、高齢者が歩いて往復できる約1.5キロから2キロ程度のエリアに、住宅や商店街から学校、そして公共サービス機関まで、通常の生活者がすべての用を足せる施設が配置されるまちをつくるというものであります。具体的には都市の中心商店街の改造などを想定しておりますが、これを富山市において適用ができないかとも考えるわけであります。
また、この構想に加え重要なことは、高齢者に対する施設のみならず、保育所や託児所なども整備し、子供から高齢者まで全世代が生き生きと交流し、そしてふれあえるまちにするという視点であります。そしてその適用に当たっては、まちづくり協議会などの住民参加型のシステムをつくり、住民の視点というものを積極的に取り入れていくべきであります。
いずれにいたしましても、まさに未来に向けた、少子・高齢化社会対応型のまちづくりのモデルケースとなり得る当事業への取り組み方針について、当局の御所見をお伺いいたします。
以上、大きく4点につきましての私の質問を終了させていただきます。よろしく御答弁のほどお願い申し上げます。
どうもありがとうございました。
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