国会発言録

HOME > 国会発言録

議事録

▲国会発言録トップページへ



本日の会議に付した案件

  • 平成十六年度一般会計補正予算(第1号)(内閣提出、衆議院送付)
  • 平成十六年度特別会計補正予算(特第1号)(内閣提出、衆議院送付)
  • 平成十六年度政府関係機関補正予算(機第1号)(内閣提出、衆議院送付)

○委員長(中曽根弘文君)

 ただいまから予算委員会を開会いたします。
 平成十六年度一般会計補正予算(第1号)、平成十六年度特別会計補正予算(特第1号)、平成十六年度政府関係機関補正予算(機第1号)、以上三案を一括して議題とし、昨日に引き続き、質疑を行います。市川一朗君。

○市川一朗君

 今日は災害対策についてお尋ねしたいと思います。


 谷垣財務大臣にお尋ねしますが、今回の補正予算、予算書で見ますと災害対策費が、一般会計に計上されている一兆三千六百十八億円、これはすぐ分かるわけですが、特別会計を入れるとどうなるのか、あるいは全体で事業費としてはどうなるのかというのがちょっと分からないんですね。その点、御説明いただきたいと思います。

○国務大臣(谷垣禎一君)

 昨年の大型台風や新潟県中越地震の財政面での対応ですが、今、補正と事業費全体ではどうなるのかとかの御質問でございますが、その前に、十一月末に三百三十四億円の予備費使用を決定いたしまして、応急仮設住宅の設置であるとかそういった緊急に必要な経費を措置いたしました。


 そこに、その後、今度の平成十六年度補正予算で災害対策費として必要な経費を計上して被災地における復旧等に万全を期しているわけですが、具体的に申しますと、災害救助法に基づいて府県が支弁した応急仮設住宅の設置等に要する費用の一部負担、これ二百二十一億。それから、災害廃棄物処理事業、これは地方公共団体が施行するものの一部補助ですが、二百四十一億。それから、災害復旧事業費や災害の防止のため緊急に対応すべき事業を推進するための公共事業関係、これが一兆二千三百八十五億。それから、被災中小企業者の経営安定等の融資等の必要な経費として四百九十四億。それから、消防・警察活動等々二百七十七億ということで、先ほどおっしゃった一兆三千六百十八億になっているわけですが、更に特会を含めまして災害対策費の総額、補正予算における総額は一兆四千百七十七億円、純計でそうなります。それに加えまして、事業費ベースでいきますと総額が二兆四百九十七億円ということになっております。

○市川一朗君

 どうもありがとうございました。
 私から見てもこれはかなり大きな費用になっているなというふうに思うんですが、大筋は今のことで分かりましたけれども、さて、これだけの予算を積んで、今回の災害は大変なわけですね。台風だけでも十個来ているわけですから、もうあちこち、全国もう本当に被害地だらけでございますのでこの場でそれをつまびらかにすることはちょっと時間的にも無理がありますけれども、それにしても、ちょっとこの補正予算で災害復旧、どんな感じになるのかなというのをもう少し分かるようにしたいと思うんですね。私自身ももう少し理解したいと。


 で、財務大臣のお立場ではこれぐらいが限度なんですかね。そうしますと、やっぱりまず代表的に北側国土交通大臣、もう少し分かりやすく、こういうのはこうなるんだよということを御説明いただきたいと思いますが。

○国務大臣(北側一雄君)

 具体例を幾つか申し上げたいと思いますが、例えば昨年の中越地震によりまして、河道閉塞と言いまして、信濃川水系の芋川が、河道が閉塞をいたしました。御承知のように大きな池のようなものが三つできてしまったと、そのことは皆さんもよく御承知のことと思います。(発言する者あり)芋川に土砂が堆積をいたしまして川が流れなくなってしまう、これが河道閉塞というふうに言うわけでございます。


 これについて直轄で事業をやろうということにしておりまして、砂防事業をこの補正予算で是非させていただきたいと考えております。排水作業を行うとともに、砂防堰堤や遊砂地、遊砂地というのは土砂が落ちてきても被害が生じないようにするわけでございますが、そういうものを設置するとか、そうした事業によって二次災害が起こらないようにしようというような事業も今回の補正予算で是非させていただきたいと思っております。


 そのほかにも、河川等の公共土木施設の復旧、公営住宅の再建、さらには、河川の緊急点検結果を踏まえた堤防の質的強化、緊急輸送道路における橋梁の耐震補強等々、災害復旧、また災害予防にこの補正予算、是非使わせていただきたいというふうに考えているところでございます。

○市川一朗君

 この補正予算通りましたら、早速、個別のいわゆる箇所付けというんですか、それが発表されるでしょう。ですから、大臣の立場で今細かく話をするといえば、今ぐらいが限度だとは思いますが、まあ余り聞いていてもそれほどぴんとはこないんですね、やっぱり。これは予算の宿命かもしれませんが。


 村田大臣ですね、村田防災担当大臣、かなり現地にしょっちゅう行かれますね。それで、私の手元で、例えば内閣府の出している資料の中に、平成十六年十二月で、「新潟県中越地震に係る財政上の支援について」ということで、激甚災害の指定、早期指定、それから新潟県要望への対応、こういろいろありまして、「その結果、要望項目の大半について実現することとなった。」、そして、新潟県中越地震に対するものは、この補正予算では約三千億円が盛り込まれていると、こういうのは分かりやすいんですよね。


 それから、昨日の村上大臣のあの特区の説明、ちょっと長かったんですけれども、しかし、やっぱり分かりやすいですよ。いや、あれは非常に分かりやすいですよ。ちょっとその辺をヒントに、村田大臣も、今後のこともありますので、ひとつ是非発言してみてください。

○国務大臣(村田吉隆君)

 新潟県中越地震でございますけれども、今委員が御指摘なされましたように、今回の補正予算に三千億円の予算が盛り込まれているわけでございますが、その中越地震に関して我々が取った措置というのは数々あるわけでございますが。


 一つは、激甚災害の指定と。これも分かりにくいんですが、復旧・復興事業をやっていく中で、地元の公共団体がやっていくわけですけれども、その復旧・復興をやっていく中で、我々としてはその通常の補助金に対して、そういう事業に対して補助金の補助率の積み上げをするわけでありまして、したがいまして、激甚災害に指定してもらうかどうかによりまして、地元の災害を受けた公共団体としては復旧事業について早急にできるかどうか見通しが立てやすくなるということで、我々としてはできるだけ早いうちに激甚災害の指定をやりたいということでありまして、通常は大体二か月掛かるんでございますが、これを一か月で指定に運んだと、こういうことが一点挙げられると思います。


 それから二番目に、県からの御要望で、阪神・淡路大震災並みの措置をしてくれと、こういう話がありました。で、要望項目ですね、いろいろ県の方から上げていただきましたけれども、その中で、例えば水道施設については通常の補助率が三分の二でございますが、これを十分の八、これは阪神・淡路並みでございます。それから、公立病院については補助率二分の一を三分の二にすると。これも阪神・淡路並みということであります。


 それからもう一つは、中山間地域の特性があるんだと、こういうことでございました。神戸のときにはなかったわけでございますが、これは農業集落排水というのがこの中越地方にはございまして、これも補助率を二分の一から十分の八に上げた。それから、がけ崩れ等が多発いたしましたんで、これは神戸の場合には五戸以上でないと拾わなかったわけですけれども、これを二戸以上にさせてもらったと。それから地場産業、特にニシキゴイの産地でございまして、あのプールのところといいますかね、養殖施設が壊れたということで大変地元の皆さん方は苦しんでいるわけでございますが、これを十分の九、九割も補助すると、それで立ち直ってほしいという、そういうことをいたしたわけであります。


 そのほかに、三宅島、今日、帰島、離島指示が解除されますけれども、まだまだ有毒ガスが出ている状況だもんですから、各家庭が脱硫装置を家庭に付けるという場合にも補助金を二分の一差し上げる等々、そうした復旧に対して、あるいは三宅島では生活の安全対策として、そういういろんな支援策が今回の補正予算に盛られていると、こういうことで御理解をいただきたいと思います。

○市川一朗君

 どうもありがとうございました。
 いろいろ御答弁いただいたわけでございますが、一日も早く、今日成立ということになるだろうと思いますけれども、成立させて実行に移していただきたいと思うわけでございます。


 日本列島、もう本当に、正に災害弱者と言われるような国でございますので、例えば地すべり地帯、私の知っているところですと、いわゆる土砂災害危険箇所というのは全国至る所ありまして、大体整備率は二〇%ぐらいだと思うんですよね。ですから、もう非常に遅れているわけであります。したがって、もちろん災害復旧は大事ですけれども、災害が起きたときに被害を最小限度にとどめるための防災対策というのを日本の場合はもっとしっかりやっていかなきゃいけないんじゃないかなと思うんです。


 今日は全部取り上げるわけにいきませんので、これからちょっと心配な部分も含めて代表的な例を一つ二つ挙げてちょっと関係大臣の意見も聞いてみたいと思うんですが。


 まず一つは、いわゆる中小河川ですね。都道府県や市町村が管理している中小河川の改修は本当に遅れています。全然進んでいないです、しかもですね。それで、災害が来るとそこを中心的に被害を受ける。さっき河道というお話がありましたが、そういうのもみんなそういう河川の話なんですね。ところが、これを進めるとなるとなかなか大変だと思うんですが、まず北側大臣、その中小河川の改修率、分かりますか、数字で、できれば。

○国務大臣(北側一雄君)

 今、都道府県管理の河川が例えばどの程度あるかと申し上げますと、一級河川の中で都道府県管理の区間が、これは延長で七万七千キロございます。さらに二級河川、これは都道府県管理でございます、これが三万六千キロございまして、合計十一万三千キロが都道府県管理の河川となります。しかしながら、この河川改修に必要な区間、それが約七万キロあるわけでございますが、そのうち河川の改修が完了している区間の割合というのは、各都道府県の報告ではおおむね三分の一程度にとどまっているというのが今の現状でございます。

○市川一朗君

 それに市町村が管理する中小河川が加わるわけですから、なかなか大変なんですが、例の三位一体の議論の際にこの辺が大問題になったわけなんですけれども、あの議論から経由しますと、これから遅れている中小河川の治水対策、どうやって進めるのかなというのが私は大変心配だと思うんです。


 第一義的には、国土交通省、交通大臣の所管になりますが、知事や市町村長さんに言わせますと、まあ地方分権の時代だからそれは任してくれと、ちゃんとやりますよということなんですが、しかし、これからもいろんな知事さんや市長さん、市町村長さん出てきますからね、どうなんだかなと心配なんですよ。


 しかし、今までの行政は補助金を配る行政ですから、どっちかというと上がってくる受け身の行政やってきたと思うんですね、国はですね。それを地方分権の中で余り干渉と言われないような形で、しかし国土保全という形でこれを進めるという、そういう今までと違った行政体系、アプローチをしないと、全然ここで議論しても何の意味もないということになってくると思うんですが、北側大臣、大変知恵者として何かアイデアございますか。

○国務大臣(北側一雄君)

 まず一つは、先ほど申し上げたように、河川整備といってもまだ都道府県管理では三分の一程度にとどまっておるということでございます。ですから、優先順位をやはり明確にしていくということが大事だ。全国規模で見ておりますのはやはり国でございますので、国が全体を見て、優先順位の高いところ、例えば堤防がそもそもないだとか、それから幅や高さが不足していて、これは早急に堤防の拡幅やかさ上げが必要だとか、そういう優先順位を明確にすることが一つ大事。これは国の役割だと思っております。


 その上で、河川の問題は、これなかなか難しいのは、河川というのは、例えば上流と下流とでは県が違う、市町村が違う、対岸で市町村が異なる、県が違う、こういうのが河川でございます。河川整備というのは、これは整合的にやっていかないと効果は出ません。単にむやみにやればいいというものじゃございません。


 やはり整合的にやっていく必要があるわけでございまして、そういう意味で、今回御提案をさしていただいておりますのは、国及び地方公共団体によって、流域単位、流域というのがございます。その川の流域単位で事業の進め方を調整する協議会を新たに設置をさしていただきまして、そしてその協議会で水害対策、土砂災害対策、さらには、そうしたハードだけではなくて、ハザードマップ等のソフト対策などの治水対策を流域単位で一体的、包括的にやっていく、それを国として補助をしていくと、そういう制度をこのたび創設をさしていただきまして、是非効果的な、また整合的な、そしてまた地元の市町村、都道府県の意思というものを尊重したやり方で河川整備を進めさしていただきたいと思っております。

○市川一朗君

 国土交通省、ブロックで整備局を持っていますから、あれ、直轄部隊だけじゃなくて、そういう点検とアドバイス役として大いに活用する必要があるんじゃないかなというふうに思います。


 それからもう一点は、住宅の問題なんですけれども、やっぱり私の地元でも、もうおととしになりますが、震度六の地震が三回来た地域があるんです。三陸地方です。大体公共施設等は復旧が進んでおりますが、住宅問題は深刻でありまして、建て替えたり改修した人でもローンで今大変だと。やっぱり住宅は被害が生じないようにするということが一番だと思います。


 総理、昨年暮れの党税調で耐震改修について減税措置講じたらどうだと大議論したんですが、検討課題になりました。まあ恐らく事務当局のペーパーですと慎重な答弁になっていると思いますが、自助努力、これを助長するのにはやっぱり投資を進めるというのがいいんじゃないかなと私は思っているんですが、何か感想ございませんでしょうか。

○内閣総理大臣(小泉純一郎君)

 感想と言われてもね。
 環境対策を進めるという点についてはいろいろな促進策が講じられていますね。具体的に言えば、生ごみなんかを出さないで、最近は生ごみがなくなっちゃうようなそういう新しい家庭用の処理機ができましたね。そういうことに対しては自治体なんかである程度負担するという促進策が出ている。あるいは環境に優しい住宅を建設する際にも促進策出ていると。何でも優遇措置されるとどうなっちゃうんだろうという点もありますので、その点はよく各方面の意見を聞いて検討する必要があると思うんであります。

○市川一朗君

 今日はこの程度にとどめたいと思います。

○委員長(中曽根弘文君)

 関連質疑を許します。野上浩太郎君。

■野上浩太郎

 自由民主党の野上浩太郎でございます。予算委員会初登板でございますので、どうぞよろしくお願いをいたします。


 また、今日はテレビ入りでございます。やはり国民の皆さんに分かりやすい、こういう議論をしていきたいというふうに思いますし、やはり、こういう機会を通して国会が真摯にこの国の課題について議論をしておると、こういうことを感じていただくことがこの政治の信頼回復につながっていくというふうに思います。


 また、あわせて、やはりこの議論を伝える側のマスコミですね、このマスコミもやはり国民の信頼をしっかりとかち得ていかなくてはなりません。しかしながら、今現在、NHKですとか朝日新聞、これをめぐる一連の問題が発生をしております。


 まず、冒頭ではございますが、中川大臣に、この朝日新聞による一連の報道で中川大臣がこのNHKの番組改変において圧力を掛けたんじゃないかというようなことを言われておるわけでございますが、その事実関係についてお伺いをしたいというふうに思います。

○国務大臣(中川昭一君)

 今の野上委員の御指摘でございますが、あらゆるところで私は申し上げているつもりでありますが、なかなか朝日新聞の方がきちっとした報道を、その以降も報道をしてくれないというじくじたるものがあるわけでございますが、簡単に事実関係を申し上げさせていただきます。


 一月の十日に出張中の長崎に朝日新聞の社会部の本田さんという記者さんから電話がありまして、二〇〇一年の一月三十日に放送された件について取材をしたいということでございました。


 今考えますと、例えて言えば、四年前の例えば巨人・阪神の試合を、何対何でどっちが勝って、ピッチャーがだれでバッターがだれかというようなことをいきなり質問されても、どっちが勝ったかはひょっとしたら覚えているかもしれませんけれども、いつ、ピッチャーがだれでホームランをだれが打ったかというようなことは、突然聞かれてもなかなか、私は記憶力がないものですから。


 覚えている部分はございました。そういう報道がなされること、どういう内容のものであるかということは間接的に聞いておりました。ただ、それがいつであって、だれと会って、そして呼び付けたかどうかについては、呼び付けてはいない、政治的圧力も掛けていない、この後者の二点についてははっきり申し上げたところでありますが、いつ会ったか、そしてだれと会ったかについては、その時点ではあいまいであるということを何回も申し上げたわけでありますけれども、本田記者は、いや証拠があります、証人がいます、告発されている中の一件でございますということで、決め付けたような報道ぶりでございました。


 その後、調べた結果、議員会館の面会票、これは議員会館にお願いをして、本人だけがお願いをすることによって調べていただけるわけでありますけれども、二月二日以前にはお会いをしておりません。会った方の中に松尾さんという方はいらっしゃらないということもはっきりいたしました。


 それから、呼び付けたわけではないということは先ほど申し上げたとおりでございまして、政治的圧力も含めまして、この四点について明らかに事実と違う報道がされたということでありますから、きちっとした報道機関である以上は、まず事実としてもう、これはもう数字、物理的な問題として間違っているわけでありますから、きちっと訂正をしていただきたいということを何回も申し上げておりますが、取材に、きちっとした取材であるとか報道は間違っていないという抽象論だけで、先週の金曜日も回答が参りましたけれども、何ら具体的な根拠もなく、そしてまた、私それから、私と直接関係ありませんけれども、安倍さんあるいはまた松尾さん等がおっしゃっていることに対しても、私に対しても、何ら具体的な事実関係の証明がないまま今日まで来ているということは、私は一国会議員として、また国会の権威としてきちっと対応していただきたいということを、この場をおかりして改めて朝日新聞に私は申し上げたいというふうに思っております。

■野上浩太郎

 ありがとうございます。
 正に報道の自由と政治の関係というものは本当に重要な問題であるというふうに思っております。


 小泉総理、今、中川大臣から一連のお話があったわけでございますけれども、この一連の問題についてどのような御所見をお持ちか、お聞かせをいただきたいと思います。

○内閣総理大臣(小泉純一郎君)

 私も新聞の報道ではよくうそをつかれるんですよ。私が全く言ってないことをあたかも言ったとか、虚偽で報道されたり。それで、まあこれは新聞だけじゃありません。人が、私とある人と会ったと。で、その人が小泉はこう言ったと。全然言ってないことを言われるんですよ。本当、全然証拠も裏も取らないで、本当に小泉さんはそんなことを言ったのかという確認もしないで、あたかも私がこう言ったという断定的で言われて、迷惑を受けるところは、ことはたくさんあるんです。しかし、一々抗議してももうし切れないから、もうあきらめているんです。もう、うそ、報道、仕方ないなと。もっとマスコミは正確に報道してもらいたいですね。

■野上浩太郎

 正に今、公正な報道とは何かということが問われているんだというふうに思います。
 それでは次の質問に移りたいというふうに思いますが、少子化問題についてであります。
 まずはこのグラフを見ていただきたいというふうに思います。(資料提示)


 少子化問題、これはもうだれしもが大変重要な課題だということは、これは共通認識であるというふうに思いますが、このグラフを見ていただきましたらもうビジュアルで更にその危機感が分かるんではないかなというふうに思います。


 これ、奈良時代、平安時代、ずっとこう人口がこのような状況にあるわけでございますけれども、江戸時代から若干こう人口が増えてくる。そして、この一九〇〇年から人口が急激に増加をしてまいります。そして、正に今ここの頂上ですね、ここが二〇〇六年であるというふうに言われておりまして、この二〇〇六年が正にこの人口の転換期であるというふうに言われております。今から四十五年後の二〇五〇年には大体三分の一減りまして九千万人になってしまうと。そして、このままの状況が続きますと、今年おぎゃあと生まれた赤ちゃんが八十歳になるころにはこれ五千九百人。ですから、半分以下になってしまうと。そして、それがそのまま続くと二五〇〇年には十三万人になってしまうというような統計もあるわけでございます。


 また、こういう数字だけではございませんで、本当に今、地元を回っておりましても、一般の方々のこの少子化に対する危機感というものは本当に高まってきているなという感じがいたします。


 実は、おとといですね、日曜日でございますが、地元で国政報告を開きまして、この少子化問題を取り上げさせていただきました。本当に関心が高かったわけでございますけれども、最後にある女性の方が質問に立たれまして、少子化問題、大変重要な問題であると、是非野上先生には自ら率先して頑張ってもらいたいというようなことを言われまして、思わず、はい、分かりました、頑張りますと言ってしまったんですけれどもですね。やはり共通な少子化に対する危機感というものは、今そういう認識になってきているんではないかなというふうに思います。


 そういう認識の下で質問に入ってまいりたいというふうに思いますが、政府が少子化問題、これを意識し始めたのは、恐らくこの一九九〇年の一・五七ショック、あの合計特殊出生率が一・五七になったというころからだというふうに思います。その後、本当にもういろんな法律、施策、展開をしておられますが、まずその推移とそれぞれの意義についてお聞きをしたいと思います。

○国務大臣(尾辻秀久君)

 確かに私たちは一・五七ショックということを言いました。これは、一九六六年でございますが、ひのえうまの年でありまして、この年、出生率はうんと落ち込んでおりました。ただ、その数字が一・五八でありまして、その一・五八すらも割ったということで一・五七ショックと言ったわけでございます。そして、お話しのように、このころから少子化に対する危機感が強まりました。そのときにどう言ったかというと、子供を産み育てやすい環境作りを進めると、こうは言ったんです。ただ、今にして反省するんですが、そう言いながら具体策として何をしたかというと、保育の充実、これに大変力を入れてきました。


 振り返れということですから振り返ってみますと、まず平成六年にエンゼルプランを策定しました。これが五年の計画でしたから、次の平成十一年にまた新エンゼルプランを作った。その後、平成十二年と十六年の二度にわたっては児童手当の拡充もいたしましたし、このところは、総理の言っておられる待機児童ゼロ作戦を、平成十四年度からですが、進めてきたわけでございます。


 したがいまして、反省として申し上げましたけれども、これらが保育の充実ということに大変力を入れた。したがいまして、保育所の数だとか保育の充実も、多様な保育サービスだとか、これは数値目標も挙げてやってきた、その数値目標をほとんど達成しておりますし、随分充実したんですが、肝心の少子化に歯止めが掛かったかというと、これはもう掛かってない。大変深刻な状況を更に生んでおる、こういうことでございます。


 そこで、もう一段の対策として、平成十五年に少子化社会対策基本法及び次世代育成支援対策推進法が成立をされましたので、国、地方公共団体、企業等が一体となって様々な取組を進めることとして、そして昨年の六月には少子化社会対策大綱を閣議決定をいたしまして、その具体的な実施計画となる子ども・子育て応援プランを策定したところであります。
 まず推移を述べろということでございましたので、以上申し上げます。

■野上浩太郎

 ありがとうございます。
 ですから、今は新エンゼルプランからこの子ども・子育て応援プラン、いわゆる新新エンゼルプラン、これに計画が移っていったということだろうというふうに思います。


 尾辻大臣、この新新エンゼルプラン、これを実施していくと本当にこの少子化に歯止めが掛かるのか、率直な尾辻大臣に本当のところをお聞きをしたいというふうに思います。

○国務大臣(尾辻秀久君)

 申し上げましたように、過去の少子化対策がどうしても保育に偏ったと、保育だけでやろうとしたという反省をいたしております。


 そこで、振り返ってみますと、まず長時間労働の風潮が根強いことなどありまして、働き方の見直しに関する取組が進んでいない、こういう反省もあります。あるいは、多数の待機児童や家庭内で孤立して育児をしている母親の存在など、子育て支援サービスがどこでも十分に行き渡っている状況にはなっていない、こういう反省もございます。さらに、このところ言われております特に若者の失業者の増大などありまして、若者が自立して家庭を築くことが難しい状況になっておる。こういうふうにいろんな反省点が出てきました。


 そこで、今度のプランは、一言で言いますと、もう社会全体で、社会全体で取り組もう、いろんなことをやってみようということで考えておるわけでございます。そこで、今度のもうプランは本当に実効あるものにしたいと思いますから、一体社会全体でどうやって取り組めばいいのか、ありとあらゆる知恵を絞って取り組んでいきたい、今その決意でございます。

■野上浩太郎

 ありがとうございます。
 是非この新新エンゼルプランですね、効果があるようにしたいものだと思いますし、今おっしゃられましたように、本当にこの社会全体で子供を育てていく、この認識が大事なんだろうというふうに思います。


 そして今、尾辻大臣のお話の中にもありましたが、若者の今状況、雇用状況も含めて本当に厳しい状況にあります。御案内のとおり、フリーターですとかニートですとか、これが本当に増加をしてきております。フリーターは今大体二百十七万人ぐらいいるんじゃないかというふうに言われておりまして、これは十五歳から三十五歳の中で大体十人に一人ぐらいになるんではないかと。あるいはニート、学校も行っていない、働いてもいない、求職活動もしていない、職業訓練もしていないと、こういう層も五十万人から百万人いるんではないかと言われております。その結果、大体今全体の失業率四・六%ぐらいというふうに言われておりますけれども、この若年の失業率はその倍以上、大体一〇%前後ということになっているわけでございます。


 やはりこの若者世代が元気を出していかなければならない、こういう状況にありますから、将来になかなか希望が持てない、希望が持てないから、やはり子供を出産をしたり結婚に踏み出せない、だから社会に活力がなくなっていく、だからこの将来に希望が持てないと。


 正にこれはもう悪循環でございまして、少子化スパイラルというようなものに落ち込んでいるような感じがいたしますけれども、やはりこの若者世代に対してどのような対策を打っていくのか。もうこれは本当に大事な話だと思いますが、尾辻大臣にお聞きをしたいと思います。

○国務大臣(尾辻秀久君)

 お話しのとおりでありまして、このフリーターだとかニートだとかと呼ばれる若者が増加をしておりますし、このことは本人たちにとっても決していいことではない。将来の職業的な自立が困難になるなど困ったことが起こるに違いないと思いますし、また、我が国の経済社会、社会全体に与える影響も重大なものがございます。したがって、早急に対策を講じなきゃならない、このことは私どもも強く認識をいたしておるところであります。


 そこで、何をやっているかということでございますが、まず申し上げますと、平成十五年六月に策定した若者自立・挑戦プランを推進してきたところでございますが、さらに、十七年度、来年度におきましては、若者の働く意欲や能力を高める総合的な対策として、若者人間力強化プロジェクトを推進することといたしております。


 さらに、具体的にどんなことをやっているんだということを申し上げますと、例えばヤングジョブスポットとか、これ若者のたまり場みたいなものだと思っていただけばいいんですが、そういうものを作って若者に来てもらって就職の話を中心にするんですが、いろんなことを話をしよう。


 あるいは、先日、ヤングハローワークにも行ってみました。私もこの問題大変だと思いますから、機会あるごとにそういう場所に出掛けて若い人たちと話をしているんですが、一言で言うと、非常にやっぱり深刻に私たちはこの問題とらえなきゃいけないなと思っております。


 なぜ私が深刻かといいますと、例えばヤングハローワークでいろんな相談事業をしているんです。じゃ、どの相談事業が一番多いんですかと聞いたら、心理カウンセリングなんですね。心理カウンセリングのところはもうずっと先まで予約があって、もうさばくのに大変だと、こんなことを言っています。


 極めて深刻な事態だと私は認識しておりますので、自立が図れる、こうした自立が、若者たちが自立が図れる社会の実現に努めてまいらなきゃならない、こう考えております。

■野上浩太郎

 いや、本当に深刻な事態だなというふうに感じます。
 今、個々のいろんな議論を進めさせていただきましていろんなお話を伺っておりますと、やはりこの一つ一つの方向性は恐らく正しいんだろうというふうに思っております。しかし、やはりこの一・二九と、この出生率の一・二九という結果がすべてを表しているんではないかなというふうに感じます。子育て世代の本当に意識を変えるということは、これは並大抵のことではないというふうに思います。


 今、社会給付費全体の中で高齢者関係費、これはやはり七〇%あります。それに対しまして、子供・家族関係費は四%であります。もちろん、この年金、医療、介護、これをしっかりやっていくことは、これは大切なことでありますけれども、やはりこの子供のところに対して思い切って力点を置いた、そういう政策を展開をしていかなければならないというふうに思います。


 今の生きている世代が、それは飲まず食わずでは困りますけれども、やっぱり少し我慢をしてでも未来の子供に対して投資をしていくということ、今こそこの少子化対策というものを、本当に国家的な危機ととらえて、この思い切った未来志向の少子化対策を今こそやっていくべきだというふうに思いますが、小泉総理のこの御所見をお聞かせいただきたいというふうに思います。

○内閣総理大臣(小泉純一郎君)

 少子化の問題は、これをいかに食い止めるか、大事な問題だと思っています。野上さんも若いんで頑張ってくれと言われていますけれども、幾ら男が頑張っても、女性がその気になってもらわないと難しい問題で、そのためにはやっぱり女性が子を産み育ててもちゃんと仕事が継続できるというような、そういう環境も作っていかなきゃならないと思うんです。


 今のフリーターの問題、どんどん増えているという問題も、言わば豊かさの中での一つの大きな問題だと思うんです。世界を見ても、むしろ豊かでない発展途上国の方が子供が多いですね。豊かになれば、もっと子供を産み育てるような環境が良ければ子供は多く持つことができるんじゃないかということが言われましたけれども、現実には豊かな社会ほど子供が少ないと。フリーターとか何かでも、むしろ貧しい発展途上国などでは子供のうちから働かせられちゃうと。


 豊かな時代になってくると働かなくても食っていけるというので、今、この実際ニートとか言われるような、ノット・エデュケーション・エンプロイメント・アンド・トレーニングですか、教育も受けていない、訓練も受けていない、そして雇用にならないという、そういういわゆるニートというふうな言葉が出てきたと。これについても、本来は仕事をしたいんだけれども、自分の希望する職がないという点もあると思うんであります。しかしながら実際は、自分の能力が生かせる、自分に合った職業があれば就きたいという人が多いと私は思っているんです。


 先日も、ある東京の会社が、東京のビルの地下で農業をしたいと。ちょっと想像できないでしょう。ビルの地下で、太陽も当たらないのに、土もないのに何で農業できるんだと。ここで農業の訓練をして、そして本当の、実際農地で農業をしてもらうんだという、そういう会社が出てきた。それで、十人ぐらい雇いたいと言ったら、何と応募が千件超えたと、その応募に。やってきて採用したのは、今まで一度も職業就いたことない人だと。その二十代、三十代の人を雇って今農業の訓練をビルの地下でやっているというんですから、こういう我々ちょっと想像できないような時代になってきたなと。


 こういうことを考えますと、やっぱり学校の時代から、我々の学生時代は親の職業とか大人の職業、仕事というのはどういうものかということを余り体験も経験も教えてもらわなかったと。ですから、これは単に産んでくれということだけじゃなくて、子供の時代から職業、仕事というのはどういうものかと、自分の適性というのはどういうものかということを、高校、大学を出てからというんじゃなくて、そういう学生時代から仕事の面白さとか重要さとか、そういう点も分かってもらうような努力が必要じゃないかと。


 単に厚生労働省だけの問題じゃない。全体の、国を挙げて、子供を育てる楽しさ、子供を持つ楽しさ、そういう面もやっぱり親御さんが分かってもらうような、子供を持ってみたいなというそういう気持ちにさせるような全体の対策が必要だと思って、今各省連携を取ってこの少子化対策に真剣に取り組んでいこうということをやっているわけでありますので、どうかいろんな知恵を出していただいて、何よりも子供は社会の宝、国の宝であると。親御さんも子供を大事にしようと、子育てに女性だけでなくて男も参加しようという、そういう全体の意識改革というものも大事じゃないかと思っております。

■野上浩太郎

 本当にこの社会全体で、また厚生労働省だけではなくて各省横断的に、本当にすべての皆さんでこの少子化対策に取り組んでいくということが今求められているというふうに思います。


 この少子化対策につきましては、昨年、自民党におきましても少子化対策調査会というもので一つの提言をいたしました。実は、自民党の若手議員が集まりまして少子化ビジョン研究会というものを作りまして、こういうような提言もしておるところでございます。こういう中でもいろんな議論、今細かい議論は申しませんけれども、いろんな提言がございましたので、これは是非参考にしていただきたいというふうに思いますし、あるいはこの少子化考えますとき、私、二つの側面があるというふうに思っておりまして、一つは、今議論してきましたように、少子化自体を食い止めるということであります。そしてもう一つは、この出生率自体は、とはいいましても、二・〇八ですか、人口が減らない二・〇八まで回復するということはなかなか難しい部分もあるんではないか。徐々に人口が減少していく少子社会にしっかり対応したシステムを作っていかなければならないではないかということを感じております。


 そして、その中でやはり大事なのは、人材の質を高めていく、人の質を高めていくということが大変重要なことだろうというふうに思っております。今、ゆとり教育等々もいろんな議論になっているところでありますし、OECDで報告が出されまして、この日本の学力低下ということも進んでおります。


 やはり何よりもこの基礎学力というものはすべての教育のこれは根本だろうというふうに思っております。この基礎学力が低下をしてきているということは本当に憂慮する事態でございまして、これに対して何とか対策を立てていかなくてはなりません。よくその国の将来はその国の子供の目を見れば分かるというようなことが言われるわけでございますけれども、正に今この教育問題について根本的な対策が求められるというふうに思いますけれども、文部科学大臣の御所見をお伺いしたいと思います。

○国務大臣(中山成彬君)

 少子化、もう大問題でございます。その中で、これから生きていく日本の子供たちのことも考えなきゃいかぬわけでございますが、資源の乏しい日本、これ人材こそが資源であるということはもう昔から言われたことでございますし、また小泉総理も、新しい時代の国づくりの基盤は人であると、こういうことを再三強調されているわけでございます。


 そういう意味で、これからの日本が引き続き国際協力を、競争力を維持して活力ある国家として発展していくためにはこの人材ということが何よりも必要であろうと、こう思うわけでございまして、しっかりとした学力を持った、知力、体力に優れ、かつ品格、教養ある人材を輩出していくと。そういう意味で、少子化の中で、少ない子供たちですけれども、正に一騎当千といいますかね、一騎当千の子供たち、若者をこれ育成していくというのはとても大事なことだろうと、こう考えております。


 しかしながら、御指摘ありましたように、去年の暮れに公表されました国際的な学力調査の結果によりますと、日本の子供たちの学力が低下してきていると、これはもう認めざるを得ないと、こう考えておりまして、例えば数学的な応用力、これは前回トップでございましたけれども今回六位とか、あるいは読解力、これは前回六位でしたけれども今回は十四位ということで、もうOECDの中ぐらいまで落ちてきているということでございまして、一体これどういう、どうしてこうなったかということも考えるわけですけれども、それ以前に、とにかく日本の子供たち、勉強しなくなったと、あるいはもうテレビとかビデオ見る時間は世界で一番だと。そういうことの中で、子供たちは勉強しない、あるいは勉強しながら、どうして勉強しなけりゃいかぬのかが分かっていない。要するに動機付けが弱いとか、そういうことがありまして、学ぶ意欲といいますかね、あるいは学習習慣が付いていないということの方がむしろ問題ではないかと、このように思うわけでございます。


 今御指摘ありましたゆとり教育というのも、元々は基礎的な知識をしっかり付けて、それを基にして自ら考え判断し行動する、そういう意味で人間力といいますか、たくましい力を持った子供たちを育てようということだったんですけれども、どうもこの本来の目的に外れているんではないかということを私たちはしっかり認識しなきゃいけないと。


 なぜそうなったかということは、これは社会経済的に日本が長らく低迷しておりまして、豊かさの中の低迷といいますか、そういった中で、向上心といいますか、勉強して偉くなるんだとかお金もうけするんだとか、発展途上国はまあ正にそういった感じでもう目の色変えて勉強しているわけですけれども、日本の子供たちはどうもそういった気にならないと。


 先ほど言いましたように、テレビとかいろいろ、勉強よりももっと興味のあるものが一杯あるものですから、あるいは学校での話題ももうむしろそういった、ゆうべ何を見たかとかこういったことを知っているかとか、そっちの方に取られてしまうということでございまして、この子供たちにどうしたらもっと学ぶ意欲を持たせ、勉強させられるようにするかということが一番の課題ではないかと、こう思っておりまして、今、私ども文科省の全員、そのまず現場を見ようと、現場の学校に行きまして子供たちの様子を見たり、あるいは先生方へ保護者からいろんな話を聞いてどこに問題点があるんだと、そういうことを洗いざらいまとめまして、これ正にタブーを設けることなく、学習指導要領の全般的な見直しを含めてもう徹底的にこれやっていこうと、そうでないと少子化と相まって日本の将来は非常に危ういんじゃないかと、そういう危機感を持って、早くしなきゃいけないという、そういうことで今取り組んでいるところでございます。

■野上浩太郎

 是非徹底的に、そしてスピード感を持って取り組んでいただきたいというふうに思います。


 そして、人材という面でいきますと、これは教育という話と、もう一つは企業での人材育成という話もこれは大変重要な話であります。世界競争力年鑑というものがございまして、一九九〇年には、日本人の人材というのは世界で第二位であったというふうに言われておりますけれども、二〇〇二年には四十一位にまで落ち込んできたというような資料もあるわけであります。


 企業において人材育成をどのように取り組んでいくのか、中川大臣にお聞きをしたいと思います。

○国務大臣(中川昭一君)

 正に私の所管の経済活動においても究極の資源は人材であると。昨年、経済産業省として新産業創造戦略というのを出して、内閣としての決定をしていただきましたが、燃料電池とかロボットとか情報家電とか、いろいろありますけれども、要は人材だということであります。


 今、野上議員御指摘のように、やっぱりその人材、少子化問題もそうですけれども、若い人たちがニートみたいにして五十何万人も、仕事に就くでもない、トレーニングするでもないという状態、これはもう国家的な大変な損失でございますので、何としても人材づくりをしていかなければならない。


 その根底には、私は海外出張するたびに折に触れて博物館とか美術館とか伝統の展覧施設を行くんですけれども、どこへ行っても子供たちが一杯います。カンボジア、ベトナム、あるいはまたインド、パキスタン、そしてもちろんルーブル行っても子供たちが一杯います。目を輝かして自分たちの歴史、あるいはまた世界遺産を子供たちが学校単位で行っております。しかも、ルーブルなんか聞きますと、学校の先生はいつ行ってもただだそうであります。つまり、子供たちにいつでも説明できるようにいつ行ってもただで自由に見てくれと、そういうシステムもでき上がっているそうでありまして、日本の場合には残念ながら、私も時々そういうところへ行きますけれども、どっちかというと専門家的な人たちが多くて、小学生、中学生が目を輝かしていろんな人類の財産を、あるいは自分たちの歴史を学ぶという光景がないというのはちょっと残念な気がしてならないわけで、これは中山大臣にもお願いをしているところでございます。


 で、新産業創造戦略の人づくりの一環として人材投資減税というものを今回お認めをいただきまして、企業の職業訓練のために、特に中小企業を重点に配慮いたしまして税額控除を認めていただくという制度をスタートいたしましたので、大いにその六千億円、九〇年前後には投資をしていた人材投資が今や五千億円というふうにもう減っております。これは大変な危機だと私は思っておりますので、それを何としても、人材投資のための投資額を増やしていただけるようにインセンティブとして大いに使っていただきたいというふうに思っております。


 それから、産学官の連携。それから、小学校、中学校の子供たちにものづくり、あるいはまた経済産業省としては、全国の小学校に例えば貿易とはどういうものだというような訓練を、小学校単位で専門家の人たちに全国に散っていただいて勉強するというようなことも含めて、あらゆる努力で小さいころからものづくり、そしてまた経済活動というものにいい意味で頑張っていただきたい。


 そして、その頂点に、今年八月に、総理大臣にお願いをいたしまして、ものづくり大賞というものを、全国各地で例えば埋もれている名人あるいはまた世界最先端の名人を地域ごとに推薦をしていただいて、そして全国でこれを表彰をし、表彰といってもすばらしいものを差し上げるわけではありません。バッジとメダルと総理大臣の賞状であります。そして、総理と懇談をしていただいて更に頑張ってもらう、周りの人たちに一つの目標にしてもらうということで、現役のばりばりの人に総理大臣から更に頑張ってくれというようなものづくり大賞を八月にスタートをさせていきたいと。これも一つの大いに目標としてインセンティブになると思っておりますので、私も全力を挙げてこの問題に取り組んでいきたいと思っております。

■野上浩太郎

 是非、今お話ありましたような観点で強力に進めていただいて、本当に生き生きした目をした子供たちが育つように、また人材育成についてお願いをしたいというふうに思います。


 今ほど来、この少子化につきまして議論を進めてまいりましたけれども、私はやはりその少子化ですとか、あるいはフリーター、ニート、あるいは学級崩壊ですとか学力低下の問題、さらには少年犯罪が増加をしていくという問題、こういう問題はやはり一本の糸でつながっているなというふうに感じております。やはりその根底には、今まで経済優先ですとか個人優先という風潮の中でこの日本社会は戦後進んでまいりました。そういう中で、地域やあるいは家族、こういうことの力というものがだんだん弱まってきたのではないかなというふうに思います。そして、やはり将来になかなか希望が持てなくなってきてしまった、こういうことも進んできているんではないかというふうに思います。


 今、小泉改革、強力に進めておりまして、やはりこの小泉改革を進めることによって、しっかりと将来に希望の持てる社会を作っていかなければならないというふうに思います。そして、その中でやはり家族ですとか地域の力をしっかりと見直していくということ、このことは一つの大きなポイントではないかなというふうに思いますが、その辺りにつきまして総理の御所見をお聞きをしたいと思いますし、国民に対してメッセージを送っていただきたいというふうに思います。

○内閣総理大臣(小泉純一郎君)

 地域がいかにその特色を生かしながら発展していくかということについて、都市再生ということでその地域の意欲をどのように吸い上げていくかということで、今、稚内から石垣までという都市再生、地域振興を考えているんです。先ほども村上特区担当の大臣から、昨日も具体的な例を挙げられました。


 ちょっと具体的な例を挙げますと、どぶろく特区なんというのは今まで認められてなかった。農家やりながら民宿を経営していると、酒を造るというのはいけないという、禁止されていたんですね。その規制、どぶろくぐらい農家やっているんだからお客さんに造ってもいいんじゃないかと認めた。どぶろく特区を認めた、その地域はお客さんも随分来るようになったということになっているようであります。


 あるいは、先日、私、北海道の小樽へ行ったんですけれども、あの小樽の昔ながらの倉庫の町を、運河があるんですけれども、川があるんですけれども、この地域に対する観光客、住民の何十倍来ているんですか、観光客。今、日本も今まで一年間で一千六百万人の日本人が外国を旅行していると。ところが、外国人が日本を訪れるのは五百万人ぐらいだということで、これは二〇一〇年には外国人が日本に来るのを一千万人に倍増させようという、そういう目標を立てて努力しているんですが、各地域が眠っている観光資源たくさんあると思うんですね。それ、今発展しているところ、島根は人口減少しているといっていますけれども、ある町ではむしろ増えているところあるわけですね。それは一生懸命役場でも熱心な人がいるわけです、自分たちの町をと。そういう点を、意欲を盛り上げるような支援を地域と連携取って政府がどういう支援ができるか、また地域の意欲を引き立てるかという点を考えて、日本全体が地域の特色を生かして発展できるような対策を今、村上特区担当大臣、地域再生の担当大臣を中心にして連携取りながらやっていきたいと思っております。

■野上浩太郎

 ありがとうございます。
 今本当に地方再生の方に至るまでいろいろ御認識を賜りまして有り難いと思っておりますけれども、こういう地域再生ということと併せて、やはりこの地域の連帯感ですね、この心の部分をしっかりと強めていくということが大事だというふうに思っております。


 今地域再生の話の中で都市再生の話がございました。この都市再生特別措置法というものが施行されまして、確かにこの大都市圏のいろんな都市開発は進んだわけであります。一定の効果はあったというふうに思いますが、やはりこれと地方の都市の再生というものは、これは若干違うんではないかなというふうに思っております。


 実は、私自身、民間におりましたときにディベロッパーにおりまして、この都市再生にかかわっておりました。最後の担当は汐留地区の担当をやっておったんですけれども、この民間の都市再生のノウハウということ、これはやはり本当に深いものがあるというふうに思っております。
 地方の都市をやはり再生していくときに大事なのは、そこの地域におられる方、この方の、やる気のある人をバックアップしていくということ、これはもう大前提でありますけれども、そこにやはりこういう民間のノウハウをしっかりと導入をしていく、これ仕組みとして導入をしていくということをしなければなかなか地方再生は進んでいかないんではないかというふうに思いますけれども、この地方再生におけるこの仕組み作りにつきまして国土交通大臣にお伺いしたいと思います。

○国務大臣(北側一雄君)

 今委員の方から御指摘があったとおりだというふうに思っております。
 全国では各市町村が地域の再生に向けて様々な取組をしております。また一方で、その地域住民の方々が様々な取組もなされている。そこにまたノウハウを持った民間の方々が参加をする、そういうところが今全国であちこち出てきておりまして、そうした民間の取組をしっかりと支援する仕組みというものを作らせていただきたいと思っているところでございます。


 地元と民間との連携による町づくりを一体的に支援するために、平成十七年度ではまち再生総合支援プランというものを作らせていただきまして、法改正も予定をしているところでございますが、少しだけ申し上げますと、今までまちづくり交付金というのがございました。このまちづくり交付金を更に拡充をさせていただきます。さらにまた、民都機構を活用いたしまして民間事業に対して出資をしていく、また税制上の支援措置も設けていくと、こうしたものを予定をしておるところでございます。


 国土交通省といたしまして、市町村、また各その地域の住民の方々の取組、さらには民間、そうしたもののノウハウをしっかり活用するシステムを作らせていただいて地域の再生に取組をさせていただきたいと思っているところでございます。

■野上浩太郎

 是非、その枠組み作り、これは大変重要な仕組みのお話であるというふうに思いますので、強力に進めていただきたいというふうに思います。


 先ほど、総理から観光についても御言及をいただきました。富山県にも、立山連峰ですとか黒部峡谷ですとか、富山湾、蜃気楼ですとか、ほかにもいろいろ五箇山の合掌造りとか、ホタルイカ、マスずし、寒ブリと、いろいろ宣伝をさせていただいたようですけれども、いろんなこの富山の資源というものはあるわけでございます。


 日本にも、富山に限らず日本全体で本当にいろんな資源はあるというふうに思うんですね。美しい日本であります。この資源はある、これをどう生かしていくかということがこれからの日本にとって大変重要な課題であるというふうに思います。


 最後に、この観光の推進、このことについて小泉総理にお聞きをしまして終わりたいと思います。

○内閣総理大臣(小泉純一郎君)

 観光はだれでも好きですし、だれでも喜ぶものであります。是非とも二〇一〇年、この倍増を実現させるように頑張ってまいります。

■野上浩太郎

 終わります。
 ありがとうございました。

○委員長(中曽根弘文君)

 以上で若林正俊君の質疑は終了いたしました。(拍手)

▲上へ戻る