国会発言録

HOME > 国会発言録

議事録

▲国会発言録トップページへ



本日の会議に付した案件

  • 財政及び金融等に関する調査
    (財政政策等の基本施策に関する件)
    (金融行政に関する件)
  • 平成十六年度における財政運営のための公債の発行の特例等に関する法律案(内閣提出、衆議院送付)
  • 所得税法等の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)

○委員長(藤井俊男君)

  財政及び金融等に関する調査を議題とし、財政政策等の基本施策に関する件及び金融行政に関する件について質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。

■野上浩太郎

今日は両大臣の所信に対する質疑ということでございますが、現在、参議院におきましても、連日、十六年度予算の成立に向けまして議論が闘わされておるところでございます。日本経済全体としてはようやく明るい兆しも見えてきたということでございまして、一日も早くこの十六年度予算成立をさせましてこの足取りをしっかりとしたものにしていくということは、本当に我々政治家に課せられた大きな責務の一つだろうというふうに思います。今日は、そういう思いの中で質疑をさせていただきたいというふうに思いますので、よろしくお願いをいたします。

 まず、谷垣大臣にお伺いをさせていただきたいというふうに思いますけれども、現在、我が国のこの財政状況、大変厳しいということはもうこれは周知のとおりでございます。このままの状況で推移をいたしますと、本当に将来世代にやっぱり大きな借金を残す、修復し難い禍根を残すということは、これは明白なわけでございまして、こうならないためにも、今、「改革と展望」ですとか、あるいは我が党の公約におきましても、この二〇一〇年代の初頭にプライマリーバランスを黒字化をしていく、こういう目標を立てているわけでございます。

 しかし同時に、現下のデフレをしっかりと克服をして自律的な経済成長を促す、こういう経済システムも作っていかなければならないわけでございます。これを両方同時に実現をしていかなければならないと。大変厳しい状況であるというふうに思いますが、しかしこれこそが改革であるというふうに思います。

 こういう状況の中で、これらの実現に向けまして、来年度予算はどのような視点に重点を置いて編成をされたのか、また、この両立に向けましてどのような道筋といいますか、プロセスを描いておられますのか、大局的な観点からまずお伺いをさせていただきたいというふうに思います。

○国務大臣(谷垣禎一君)

 今、野上委員がおっしゃいましたように、一つは、持続可能な民間主導の経済、デフレを克服しながらそういうものを活性化させていかなきゃならないというのが一つの大きな目標でございますし、もう一つは、危機的な財政状況、御指摘のとおりでございますので、これが持続可能な安心な財政に持っていく、これがもう一つの、時によりますと相反する目標でございますけれども、この二つをやらなきゃいけない、こういうことだろうと思います。

 そこで、民間需要主導の持続的な経済成長につなげていくために各種の構造改革に取り組んでいる。それから、中長期的な財政運営に当たっては、委員が先ほど御指摘いただきましたように、この二〇一〇年代初頭にプライマリーバランスを回復して持続可能な財政構造にしていこう、こういう大きな枠組み、整理するとそういうことになると思うんです。

 こういう中で、平成十六年度予算においては、一般会計歳出それから一般歳出、これを実質的に前年度以下に抑え込んでいく、抑制する。けれども、それだけではなかなかうまくいきませんので、予算内容にめり張りを付けて、必要なところにはやはりお金が回っていくようにする、こういう方針で予算を作ったわけでございます。財政規律を維持しながら民間需要を引き出していこうというねらいで予算が作ってあるわけでございます。

 こういうことで、こういう努力をしまして、国、地方の基礎的財政収支は改善が見込まれているのではないかと考えておりまして、二〇一〇年代初頭のいわゆるプライマリーバランス回復に向けて今年度予算は一つの手掛かりを得ることができたのではないかと考えておりますけれども、今後とも手綱を緩めてはいけないんではないかと考えております。

 そして、規制、金融、税制の各分野にわたる構造改革も併せて進めていかなければならないわけですが、デフレの克服については、特に政府の努力と同時に日銀との、言うなれば車の両輪として平仄を合わせていくことが大事だと考えておりまして、もちろん個々の金融政策の決定に当たっては日銀は独立性を持って判断をしていただくわけでありますけれども、いろんな形を通じて大きな方向を合わせながらやっていかなければならない、こういう、こんなふうなことを考えております。

■野上浩太郎

 谷垣大臣の力強い決意と受け取らせていただきましたので、是非その方向で頑張っていただきたいと思いますが、予算をいわゆる重点化して、効率化していくという面においては、やはり予算のイノベーションといいますか、刷新ということがこれは大変重要であるというふうに思っております。例えば、複数年度にまたがるこういうプロジェクトですとか事業の場合は予算も複数年度化して、いわゆる単年度予算の使い切りの弊害をなくすとか、あるいは今日的な課題は本当にいろんな省庁にまたがる課題が多いわけでございますので、各府省庁に横断的な取組をして、いわゆる縦割り行政の弊害をなくしていく、こういう視点が大変重要であると。いわゆるニュー・パブリック・マネジメントの視点に立った予算の刷新ということが必要であるというふうに思います。

 今年度予算でも、十の政策群ですとか、いろんな取組がされておりまして、大きな第一歩を踏み出しているんではないかなというふうに思いますけれども、来年度予算におきましてどういうような取組をされたのか。そしてさらに、この取組を継続して、更に拡大していかなければならないと思いますが、どのように取組をしていくのか、お伺いさせていただきたいと思います。

○国務大臣(谷垣禎一君)

 今おっしゃいましたように限られた予算でございますから、それをどう効率的に使っていくか、これはもう不断の検討が必要なことはもちろんでございます。大きく考えなければならないのは、限られた予算をどう効率的に、場合によっては柔軟に使うかという要請が一方でありますけれども、他方、国民の血税を使うわけでありますから、あくまできちんと目的、それから使い方は厳正と、こういうようなことでなければいけないと。この二つの要請をどう組み合わせていくかということが重要ではないかと思っております。

 そこで、今委員がお触れいただいた政策群というもの、これは基本方針の二〇〇三で、民間の潜在力を最大限引き出すための制度改革、規制改革等の施策と予算の組合せという手法を重視する、こういう位置付けで、十六年度予算編成でも各府省より提案された十のテーマを取り上げまして、財務省としては規制改革や制度改革の施策と予算措置とを組み合わせているかどうかといった要件に照らして良いものとするように取り組んだところでございます。よく省庁の縦割りで同じ目的を持っていながらいろんなものが並列していたり、必ずしもそれが効果的に組み合っていないじゃないかという御批判がございましたので、一つのテーマごとに担当主計官を置いて、そういう府省横断的な施策が実りあるものにできるように工夫をしたつもりでございます。

 それから、モデル事業につきましては、正に先ほど申しましたようにどうやったら予算を柔軟に使えるかと、毎年毎年単年度主義で国会で御審議をいただくわけですが、一方、物によっては複数年度で弾力的に考えていった方がお金も少なくて済むし、効果も出てくるということがありますから、それで、しかし、それが野方図になってはいかぬということでございますから、プラン・ドゥー・チェック・アクションと、こう難しいことを言っておりますけれども、まず定量的な、こういう国民に対する福祉を、国民に対する利便をこれだけ提供しようという定量的な目標をきちっと立てて、そして事後にその目標達成の状況を厳格に評価する、その上で、目標の効率的な達成のために事業の性格に応じて予算執行を弾力化していく。これはこの年度と次の年度ということもございますし、項と目の間の柔軟性ということもございますけれども、そういう形で十六年度予算では十の事業についてモデル事業として試行的に導入することとしております。

 今後とも、こういう手法の工夫は引き続き努力をしていかなければいけないことと考えております。

■野上浩太郎

 是非、この予算のイノベーション、刷新、大事な課題でございますので、積極的に取り組んでいただきたいというふうに思います。

 次に、三位一体の改革についての質問に移らさせていただきたいと思いますが、言うまでもなく、小泉改革の中でこの三位一体の改革は大きな柱でございまして、国から地方へという、こういう基本的な考えの下に進められなければなりませんし、その先には本当に真の地方分権の展開というものが見えてこなければならないというふうに思っております。

 しかしながら、今、地方の方からは、いわゆる補助金の削減ですとか交付税の縮減によりまして、大変予算編成が厳しかったというような声も聞こえてまいります。例えば、私の地元の富山県でも、一般会計予算、大体五千五百億円ぐらいなんですが、三百五十億円ぐらいの財源不足が生じたと。これは全国では一兆七千億円というふうにも聞いておりますし、市町村も同様の状況でございます。

 この改革というのは、当然、いたずらに地方に痛みだけを押し付けるというものであってはならない、これは当然でございますけれども、この地方の現状について、大臣、どのようにおとらえになっておられるのか。また、基幹税の税源移譲ですとか、しっかりと実態把握をしていくということ、このことについてどういうふうに今後改革を進めていくのか、これは十六年度の予算の取組も含めて、お伺いをさせていただきたいと思います。

○国務大臣(谷垣禎一君)

 今、野上委員の御議論にもございましたように、富山県で三百五十億とおっしゃいましたか、それぞれ県の予算規模によっても違いますけれども、かなりの削減と申しますか、スリム化をお願いする形になっているわけでございまして、各都道府県とも大変な御努力をいただいて来年度予算を作っていただいたというふうに感じております。その結果、かなり各都道府県ともスリムな、いろいろな、プライマリーバランスとか財政の赤字の度合いというようなものがかなり改善された、大変な御努力をいただいたというふうに思っているわけでございます。

 それで、確かに自治体によっては非常にやりくりが厳しいというところもあるように私の耳にも入っておりますが、そういった点は、むしろこれは総務大臣に御答弁をいただかなければいけないわけですが、総務省においてもいろいろと工夫をしていただくことになっていると承知をしているところでございます。

 これも、そもそも論を今更申し上げてもなんでございますが、一つは、地方にできることは地方で、そして権限も責任も持ってやっていただくというのがこの三位一体改革の目指す方向でございますけれども、現在の地方交付税の特別会計が五十兆を超す赤字を抱えている、地方全体の債務が二百兆を超えると、こういう状況の下では、併せてスリム化ということを行いませんと、これは国ももちろんそうでございます、国、地方も併せてスリム化を行うということでないとなかなかこの三位一体改革がいかない。こちらの方もやはり大きな目標になっているのではないか、目標であるというふうに私は考えております。

 補助金は今年度は一兆余りやらしていただいたわけでございますけれども、今後三兆円を、四兆円という総理の目標で、一兆円やりましたのであと三兆円をやらしていただかなければならないわけでございますが、それに関しての税源移譲については、これもまたいろんな御意見があることはよく承知しております。

 今年度は、削減された補助金の中でやはり、削減といいますか、スリム化、改革をした補助金の中で、やはり地方に引き続きやっていただく必要のあるものについては財源手当てをきちっとしなければならないということで、所得譲与税による税源移譲、これが四千二百億、それから義務教育費国庫負担金の退職手当等については税源移譲予定の特例交付金というのを作りまして、これが二千三百億程度、それから削減した公共事業関係の補助金に対してまちづくり交付金、千三百億円程度というものを創設いたしましたので、七千九百億程度の財源の手当てをいたしているわけでございます。

 それで、交付税につきましては、今の税源移譲につきましては今年はそういう所得税の中から所得譲与税という形でやらしていただく、あるいは税源移譲予定交付金という形で暫定的な措置を講じておりますけれども、これは補助金改革、これから進めまして、それをにらみながら、平成十八年度までに必ず所得税を中心としてこれを地方住民税に移していくという形で税源移譲をやっていかなければならないと考えておりまして、やはり地方に、自分たちはこういう施策をやっている、だからこういう負担をしてくれと、住民と対話しながらできるような形を持っていくことが必要ではないかなと考えております。

 それから、ちょっと答弁長くなってよろしゅうございますか。

 交付税に関しましては、これは私は、交付税の、それぞれの自治体によって財政力が違いますから、財源調整機能というのはこれはあくまで必要なものでございますけれども、それぞれの財源保障機能というものがございまして、これが場合によるとややルーズに使われたという過去があるわけでございます。そして、先ほど申し上げたような交付税特会も赤字を抱えておりますので、ここは相当なスリム化をお願いしなければならないんだろうというふうに考えておりまして、ここのところもいろいろ地方からはなかなか厳しいというお声が聞こえてくるのは事実でございます。

 ただ、十六年度の地財計画の規模は、対前年度、これは一・八%マイナス、一・五兆円マイナスになっておりますけれども、これは大体、一昨年、昨年と同程度のスリム化をお願いしたという形になっているわけでございまして、今後とも地方とも十分議論をしながら進めていかなければならないと、こういうふうに考えております。

■野上浩太郎 

大変力の入ったしっかりとした御答弁、ありがとうございました。

 金融庁の方に地方の経済についてお伺いさせていただきたいと思っておりましたが、もう時間となりましたので、大変申し訳ございませんが、次の機会にまた譲らさせていただきたいと思います。

 どうもありがとうございました。

▲上へ戻る