
議事録第156国会 参議院 国土交通委員会 第23号 平成15年7月3日(木曜日)本日の会議に付した案件
○委員長(藤井俊男君) 成田国際空港株式会社法案及び航空法の一部を改正する法律案の両案を一括して議題といたします。 ■野上浩太郎どうもおはようございます。自由民主党の野上浩太郎でございます。 今日は、成田国際空港株式会社法案と航空法の一部を改正する法律案、この二法案の一括審議でございますが、冒頭、ちょっとお許しをいただきまして、私の地元の富山県の富山湾沖に先週まで停泊をしておりました北朝鮮貨物船のスーヤンサン号のことについて若干お聞きをさせていただきたいと思います。 このスーヤンサン号につきましては、先週の木曜日まで十六日間にわたって停泊をしておりました。当初、国からの大変迅速な情報伝達もございまして、地元にとっては、この十六日間、大変緊迫をした十六日間でございましたが、県におきましては、ポートステートコントロール、こういうことの原則にのっとった対応をいたしまして、また県の条例などを適用などもいたしましてこの対応を貫いたということでございまして、私自身はこの対応を高く評価をしたいというふうに思っておりますが、扇国土交通大臣、この一連の対応についての御所見をお聞かせ願いたいと思います。 ○国務大臣(扇千景君) おはようございます。 スーヤンサン号のみならず、これだけの海運王国でございますから、あらゆる港に入ってまいります。外国船を入れている港だけでも百数十港ございます。そして、現在も、これは国籍がばらばらではございますけれども、日本の周りに今十隻、座礁したりあるいは老朽化で放置した外国船籍がございます。そういう意味で、大変、地方の港湾では、夏を迎えまして、利用する、近海の、港の近くの海水浴場等々のお客様も考慮して、今、日本近海で放置されております十隻、一隻はこの間処理いたしましたね。けれども、その一隻処理するだけでも二億から三億という、物によっては大変な金額が地方自治体の負担になります。半分は国費でと言っておりますけれども、船によっては荷物が満載されておりまして、いわゆる放置自転車等々が満載されていて、まずそれを撤去するだけでも費用が掛かるということで、ポートステートコントロールを、これは国際的に認知されたものですから、検査を受けて、改善命令出したにもかかわらず、それを処置しない船は日本には入港拒否をしようということで、私は、富山が決断なすったことは、今後のこういうポートステートコントロールを掛けられるという分かっている船に対しては大変な抑止力になると、そう思っておりますので、そういう意味では、今回の富山県の取られた処置、それに関して私は、今でも十隻、日本海に、日本じゅうの港でそうしたのも抱えているわけですから、そういう意味では大変な御決断であったと思いますし、これから日本に目指して、経済的にも、入港してこようという船は少なくとも保険に入っていく、ない船もたくさんございますけれども、まず国際的に認められたポートステートコントロールを遵守した船が入ってくるのは当然なことでございます。 また、我々は入った船に対してはポートステートコントロールを掛ける、海上保安庁はきちんと対処するということで百三名の検査員が頑張っておりますので、そういう意味では富山県の今回取られたスーヤンサン号に対する処置があらゆる面で抑止力を働き、外国にも、入ってくる船の認識というものを、断固としてポートステートコントロールにかなう船でないと入ってこないということへのいい先鞭を着けていただいたと思って、日本としても、国としても感謝しています。 ■野上浩太郎ありがとうございました。 今お話ございましたとおり、無保険船の話ですとかSOLAS条約への対応に向けての法整備などの機運も今盛り上がってきておりますので、そういう法整備に向けても積極的に対応していかなければならないというふうに思っております。 それでは、法案の方に入らせていただきたいと思いますが、この成田の民営化の議論が進んでおります中で、イラクの問題ですとかあるいはSARSの問題について、航空業界や空港、本当に甚大な被害を受けたわけでございます。 SARSの問題については、この二日にもトロントがこの感染地域から除外をされましたし、五日にも、あと残るは台湾だけでございますので、この台湾が除外をされますと、いよいよSARS、WHOで終息宣言がなされるということでございますので、ここで一度、このイラクあるいはSARSの被害につきまして総括をさせていただきたいと思いますし、さらには、この被害についてどういう対応をしていくのか、この点をお聞きをしたいというふうに思います。 ○政府参考人(洞駿君) お答え申し上げます。 このような状況を受けまして、各航空会社では、それぞれ従来からの人件費の削減であるとか、機材の小型化とか統一化とか、整備の外注化等の費用削減に加えまして、減便とかあるいは一時休職などの実施などの費用削減策を実施しているところでございます。また、新東京国際空港公団についても、建設工事の抑制であるとか施設維持等のコストの抑制、管理コストの節減等によって、全力を挙げて支出削減策に取り組んでいると聞いているところでございます。 私ども国土交通省といたしましても、イラク戦争勃発直後に航空機へのテロ等によって第三者に損害が発生した場合の政府措置を延長いたしましたほか、国際線の発着ルールの適用を一時停止して弾力的に減増便が行えるように措置したところでございます。また、この五月の二十一日には航空会社に対して日本政策投資銀行の緊急融資制度を適用することとしまして、航空会社の資金調達についてセーフティーネットを用意したところでございます。 今後とも、こういう航空産業が我が国の経済活動、そして国民生活に果たしている役割の重要性にかんがみまして、今後の旅客の需要の動向とか航空会社の経営状況等を十分注視して、そういう状況を踏まえながら、今後とも必要に応じて、更に必要な措置が必要かどうかということについても適切に対処してまいりたいと考えております。 ■野上浩太郎四割から五割の減ということで、本当に甚大な被害でございまして、民営化の道筋にも大きな影響を与えかねない被害でございますので、しっかりとした対応をお願いしたいというふうに思います。 引き続きまして次の質問でございますが、このたびの民営化の議論は、当初はその形態は上物と下物を分離をするという上下分離論ということで進んでおりましたが、最終的には上と下を一体化をして民営化をすると、そういう単独論に移行されたわけでございますが、その移行された経緯ですとかメリット、デメリットを含めて、いわゆる今回の上下一体論の民営化によって目指す新しい空港像ですとか、整備の方向性をまずお伺いいたしたいと思いますし、またあわせて、結果的には民営化によって例えば着陸料が下がっただとか集客量が増えただとか、そういう具体的な成果が出ないとこれは意味がないわけでございますので、そういう目指す具体的な成果等々も併せてお伺いをさせていただければと思います。扇大臣にお願いいたしたいと思います。 ○国務大臣(扇千景君)今、お話出ましたように、本来、国際空港という名の付くものは私は基本的には国が国際拠点空港として責任を持つべきである、でなければ外国のお客様に安心して乗り入れてもらえないという、私は基本的には国が全責任を持って空港管理をするというのが理想だと思っております。 けれども、残念ながら、国がそのようにしておりましても、成田、新東京国際空港は一九七八年に開港し、二十六年たって、昨年二十五年目でしたけれども、やっと二本目の滑走路が、二十五年間造れなかった。一本の滑走路で私は国際という看板は、それは世間に通用しない、国際的には。どんな発展途上国行っても国際空港と名の付くところには複数の滑走路があります。 ところが、こうして新たに民営化するということになりましたけれども、私は総裁の就任のときに総裁に申し上げました。現段階では暫定の滑走路、二千百八十では私は国際という名にふさわしくない。ですから、これが二千五百、少なくとも達成できるまでは完全民営化というのはおこがましいですよと総裁に申し上げました。総裁いらっしゃいますからよくお分かりでございます。 けれども、私は、創意工夫をして、それぞれの空港はそれぞれの空港の立地条件、あるいは上を民営化して、私はもっと、飛行機に乗る人だけじゃなくて、飛行機に乗らない人もあの空港に行って子供にも飛行機の発着を見せたり、あるいは夜はまあ時間になればデートスポットになると。それこそアクアラインの海ほたるのように土日はデートスポットで満員だというようなことに、私は空港の上物は民間の活力で利用すべきであると、そう思っております。 けれども、その空港の立地条件によってビューがいいとか、いろいろ条件がありますので、成田は成田で上下分離の方がきちんとやりやすいと、こうおっしゃるものですから、本来は私はもっと民間のいい知恵をと思いましたけれども、きっと今度成田空港はいい知恵を、民間以上の知恵を出して楽しい空港を作ってくださるものだと、そう信じておりまして、私は、今後は利用者のサービス、それから、空港が幾ら良くなっても今のように外国のお客様がCIQを通るのに一時間も掛かる、これでは空港が死んでしまいますので、空港の整備のみならず、我々は政府として、各省庁連携して外国人の入国検査がスムーズにいくように、それは国としては、やっぱり国と地方、民間が相まって協力して初めて国際空港の地位というものが受け入れられるんだろうと思いますので、今後民営化に向けての成田の、どのような楽しい空港になるか、私も楽しみにしながら、あえてこの法案を出させていただいて、二十一世紀の新しい成田空港の出発を見守っていきたいと思っています。 ■野上浩太郎 ありがとうございます。 例えば心の民営化の必要性というものも強く説いていらっしゃいまして、これも大事な視点であろうと思いますが、まず、その民営化に向けて公団での現状どういう取組をされておられるのか、また黒野総裁自身どういうビジョンをお持ちであるのか、そういうメッセージを承りたいというふうに思います。 ○参考人(黒野匡彦君)一口で申し上げますと、今、大臣のお言葉ありましたように、楽しく、かつみんなに愛される空港を目指したいと思っております。 今具体的にどんな準備しているかということでございますが、大きく二つに分けて御説明をさせていただきたいと思います。 一つはシステム、システムの変更ということでございまして、これは膨大な作業がございます。 幾つか御紹介いたしますと、まず会計制度、これは完全に企業会計に変えなければいけないということで具体的にどうするかということをやっております。行政効果を見るために私どもは前から公的な会計制度と並行して民間企業での決算書を作っておりますから、大まかには大体もうできておりますけれども、更にそれをブレークダウンすることをやっております。 さらに、人事制度、これは人事の評価の問題もありますけれども、これを変えなければいけないと。それから、組織を営業という観点を入れた組織に変えなければいけないということで、この組織の変更。それから、監査制度、これも一般の民間企業に負けないようなしっかりした監査制度を入れなければいけないと思っております。 また、さらには、今回のこの法律通していただきますと、経営の自由度が大幅に高まります。したがいまして、将来の経営ということを考えますと、空港を場といたしましたニュービジネス、これにどう展開するかということが必要になります。さらに、ダブりますが、いわゆるコンプライアンスをどう確保するか、さらにはコーポレーションガバナンスをどう維持するかと、そういうような幾つかの問題がございまして、これは制度面として今一生懸命詰めているというところでございます。 二つ目は、いわゆる精神、心の問題でございまして、今、先生が御指摘のとおり、私ども、心の民営化と、こういう標語を挙げまして、全社員が民間人になり切ってお客様本位の空港にしなければいけないということで、なるべく多くの社員にディスカッションの場に入ってもらって、あるいはグループディスカッション等を通じまして社員全員に心の方を変えようという運動を並行してやっている、そんな状況でございます。 ■野上浩太郎今お話ございましたとおり、楽しくかつ愛される空港というものを目指すということでございますが、そういう中で大事な一つは、やはり非航空系収入の増収に向けた取組であろうというふうに思います。 今、世界の民営化された空港を見ますと、ロンドンのヒースロー空港なんか本当に巨大なショッピングモールに生まれ変わっておりますし、シンガポールのチャンギ空港は、これはまだ民営化されておりませんが、民営化に向けた検討をされておるこのチャンギ空港は、例えばプールがあったり映画館があったり、例えば空港の中で買い物したときに市内の価格よりも高いものがあればその差額を二倍返金しますよと、どこかの電器屋さんみたいな対応も、取組もしておる。いろんな取組をしておるわけでございます。 この非航空系収入を増やすには、やはりこういういろんな取組を組み合わせていかなければならないわけでございまして、小売部門ですとかレストラン等のそういう商業施設を充実展開するということがまず求められると思います。 そして、この事業展開には本当に専門的かつ高度なこれはノウハウが必要なわけでございまして、これを本当に成功に導くためには、例えば民間人を経営陣に登用するとかコンサル契約を結ぶとかPFIを導入するとか、こういう民間の活力を導入しなければこれはなかなか成功は難しいのではないかというふうに思いますが、その辺りの取組についてお聞きをしたいというふうに思います。 ○参考人(黒野匡彦君)正に先生御指摘のとおりでございまして、私どもの年間の収入を大きく分けますと、今は航空系収入が七割、非航空系収入が三割という数字になっております。ロンドンにありますヒースロー空港の場合にはちょうどこれと逆の数字になっているというふうに聞いております。 今回の法案によりまして、先ほどお話し申し上げましたけれども、経営の自由度が高まりまして、私どものやってもいい範囲というのが格段に広がります。これを有効に使うことによりまして収益を上げる、その収益を利用者の皆様あるいはテナントの皆様に還元するということを考えておりまして、その利用者の皆様への還元の最大のものはやはり着陸料の引下げだというふうに考えております。 では、具体的にどうしているかということでございますが、余りにも性急に事業を展開し過ぎますと結果として失敗ということもあるものですから、ここは一歩一歩積み上げていくという考えを持っておりまして、当面は空港内の売店、特に免税売店、ここに力を入れようと思っております。そのために職員を既に関係のところに研修に出しておりますし、また、私どもが直接やるか、あるいは委託に出すか、あるいは、今、先生御指摘のとおり、民間から人をお招きするか、これは各事業の実態に合わせてそこは弾力的にやってまいりたいと思っておりまして、公団職員だけでやるんだという、そういうかたくなな態度は我々全く取るつもりはございません。 要は、成田空港全体で収益を上げ、それを利用者の皆様方にどう還元するか、そこが最大のポイントだと思っております。 ■野上浩太郎今、弾力的に前向きに対応していくという御答弁をいただきました。正にその方向でお願いをいたしたいと思います。 こういう商業施設の事業展開というのは本当に高度で専門的なノウハウが必要なわけでございまして、今、職員の方を免税店に出向させておられるということで、これはこれで一つの良い取組だとは思いますが、規模も大きくなっていきますとやはりそういう質では対応し切れない部分が出てくるというふうに思いますので、どうか今おっしゃられた御答弁のような方向性で対応をお願いをしたいというふうに思います。 今の御答弁の、ちょっとダブるところもあるかもしれませんが、今、まずは免税売店について充実をしていきたいというお話でございましたが、非航空系収入を増やすために、新規事業範囲の拡大に向けて例えばホテルの経営ですとか、いろんな具体的な新しい事業というものも可能なわけでございます。お話ございましたとおり、ロンドンのヒースロー空港、この割合が三対七から五対五に上がって、これを原資として着陸料を下げることができたということもございました。こういうことも含めて、そういう新しい、具体的な新規事業についてどういうふうにお考えか。あるいは、今、三対七から五対五に変わったということでございますが、こういう具体的な数値目標はお持ちかどうか。あわせて、着陸料の引下げについて御見解をお聞かせ願いたいというふうに思います。 ○参考人(黒野匡彦君)今、私どもの年間の売上げが千六百億でございます。したがいまして、例えば非航空系収入を一割上げるということは百六十億の売上げが要ると、こういうことでございまして、この数字自体、なかなか厳しい数字であると私どもは思っております。 勢いに任せてやるという手もあるかと思いますけれども、今御指摘のホテル等も含めて、投下した資本が確実に回収できるかどうか、さらにそれがお客様の皆さんに還元されるものであるかどうかということを慎重に考えながら、一歩一歩やっていきたいと思っているところであります。 その先には何があるかといいますと、正に国際的にも大変御批判をいただいております空港使用料、これを世界の水準にぴたり付けるというのは、これはなかなか難しいと思いますが、幾らかでも下げることによって、世界に対して、我々も世界の航空網の一員として合理化努力をしていますよという、そういうメッセージを送ることにしたいと、こういうことを我々考えているところでございます。 ■野上浩太郎そうですね。勢いに任せるということはやはりまずいわけでございますので、厳密なマーケット調査をして、徹底的な議論をして、しかし、民営化をするわけですから、やはり新しい分野でも事業展開していただきたいというふうに思っております。 それでは、次の質問に移らさせていただきたいと思いますが、こういう民営化の議論が進められております中で、先般、財務省による予算執行調査というものがございました。空港ビル事業などの、空港土地・建物等の貸付事業について幾つかの問題点が指摘をされたところでございますが、国交省の見解をお聞きをしたいというふうに思います。 ○政府参考人(洞駿君) お答え申し上げます。 調査結果におきましては、空港内事業の公共性といいますか、それからビル事業者が独自にいろいろ収益事業等で、そういう収益事業を行って利益を得ているわけでございますけれども、そういう収益性の両面、両方をかんがみますと、利益の一部というのはやはり利用者にも還元すべきでありまして、また土地使用料もそういった点を両面を考えながら適正な水準となるよう算定方式についても検討すべきではないかという指摘がなされているところでございます。 現行の使用料は、先ほど申しましたとおり、財務省の通達によって他の行政財産と全く同様の基準で一律に定められているものでございますから、この見直しに当たっては財務省との協力、協議というのをいただく必要がありますけれども、私ども国土交通省といたしましても本件に対しまして適切に対応していきたいと考えておりまして、私どもは私どもとして考え方をどういうふうに整理していったらいいかということについてただいま勉強しているところでございます。 ■野上浩太郎こういう民営化の議論が進んでいる中での話でございますので、是非今の御答弁のように適切に建設的に対応していただきたいというふうに思っております。 それで、次の質問に移りますが、この民営化後の税制ですとか融資措置などに対する支援措置についての質問でありますが、例えば民営化をしましたJR各社におきましても、例えば政府補助ですとか政府金融、各種税制等の支援措置が講じられておりましたが、民営後もその必要に応じて引き続き多くの支援措置が存続をしております。成田空港においても、これは同様の観点から、固定資産税の軽減の継続ですとか、あるいは滑走路の延長を始めとする全施設に対する税制あるいは財政上の支援というものも検討すべきではないかと思いますが、検討をお聞かせ願いたいと思いますし、併せて、これは世界的にほとんど例を見ない航空機燃料税というものがございますので、これについての軽減等についての見解などもお聞かせを願いたいというふうに思います。 ○政府参考人(洞駿君)成田空港は我が国を代表する国際拠点空港でございまして、その整備につきましては最終的には国が責任を負うという形になっているわけでございます。そういうことで、特殊会社された後におきましても、二千五百メーター滑走路などの空港施設の整備が着実に行われるよう、本法案においては国が空港会社に対して必要に応じて無利子貸付け等の所要の財政支援が行われるようにするなどの措置を講じているところでございます。 また、税制に関しましては、現在の空港公団では、例えば滑走路等の基本施設等について固定資産税を二分の一に軽減しているほか、防音工事を受ける住民が受ける補助金をその所得に算入しないこととする等の特別措置が講じられているところでございますけれども、空港会社につきましても、このような同様の特別措置を継続適用することの要否につきまして、先生今御指摘のJRの事例等々も十分参考にしながら政府内において現在検討しているところでございます。 それから、御指摘の航空機燃料税についても見直し等の検討をすべきじゃないかということでございますが、航空機燃料税の課税対象は、先生御承知のとおり、国内路線のみでございまして、国際路線には課税されておりません。したがいまして、成田空港に発着する航空機には課税されておりません。 それで、航空機燃料税収入の十三分の十一に相当する額は一般会計を通じていわゆる空港整備特別会計に繰り入れられておりまして、これが、いわゆる国際競争力を維持強化する、あるいは観光立国を目指す観点からの大都市圏拠点空港の整備等の財源として重要な地位を占めているところでございまして、空港整備特別会計の歳入の中の約二割近くを占めているわけでございます。また、この燃料税収入の十三分の二に相当する額は譲与税として空港関係の自治体に交付されておりまして、騒音対策を始めとします空港の周辺対策に充てられているところであります。 ということで、燃料税収入は空港の整備あるいは自治体の騒音対策等の事業を実施する上で重要な財源になっているということは厳然たる事実でございますので、その軽減につきましては慎重に対処すべきであろうと考えております。 なお、離島とか沖縄路線につきましては航空機燃料税の軽減措置を行っておりまして、平成十五年度におきましては総額で七十二億円の軽減が見込まれているところでございます。 ■野上浩太郎これは国際競争力に資するためにも必要な措置だと思いますし、前向きな検討をお願いをしたいと思いますが、現在、羽田空港の国際化の話もございますし、あるいは成田と羽田の機能分担等々、様々な議論があるわけでございますが、羽田を含めて地方空港についても一点お聞きをさせていただきたいというふうに思いますが、言うまでもなく、地方空港は国内の航空輸送ネットワーク形成になくてはならないものでございます。地方空港について、国内の航空ネットワークの充実という観点ですとか、あるいは地方の国際交流の活性化のために要望の高い国際航空路線の拡充等による地方空港の国際化ですとか、あるいはチャーター便の規制緩和等への対応も含めて、今後の地方航空行政の在り方について扇大臣にお聞きをさせていただきたいというふうに思います。 ○国務大臣(扇千景君)今、野上委員おっしゃいましたように、日本の空港が今現在第一種からその他まで含めて九十四ございます。その中で、国際線の離発着を認めているのが、これが二十三ございます。そういう意味では、地方空港もますます、今おっしゃったチャーター便等々、全国で二十三か所の地方空港も含めて国際の離発着しておりますので、大変私はうれしい悲鳴といいますか、いろんな国からも私のところへいらしています。 それから、今の成田の話が出ましたけれども、成田も今、三十四か国成田に乗り入れたいというふうに申入れが、ウエーティングが、待ってくださっています。こんなうれしい話はないんで、それを受け入れる体制ができていないというのが私は国策としていかがなものかと。 先ほども局長言いましたように、私たちは小泉内閣で、二〇一〇年、観光客倍増という、五百万人を一千万人お客様呼び込もうと言っているときに、成田は、今度は御希望ですから、今までは新東京国際空港と言ったんですけれども、成田という名前を入れたいという地元の皆さん方の強い要望で、今度は成田国際空港に、成田という字が入るわけですから、そういう意味でも、今まで成田に御協力いただいた周辺の皆さん方の御要望を入れて成田国際空港という成田という名前を入れた以上は、地元の皆さんにも是非御協力いただき、御理解もいただいて、そして地元の皆さんと成田国際空港が両々相まって発展していくということでなければ、私は成田の発展は望めない、今のように成田に行きたい、行きたいという国が今後なくなっちゃいます。 そういう意味では、本来は成田から今おっしゃった地方空港に国際線と国内線の乗換えが成田でできるのが一番いいんです。でなければ、今外国のいろんな例をおっしゃいましたけれども、外国が免税店でも繁栄するのは、国際線と国内線に乗り換えるときの時間待ちに売店が売れるんです。私も、名前は言いませんけれども、あの空港に行ってあの買物がしたいというぐらい楽しいもの一杯あるんです。 けれども、残念ながら日本の航空行政、反省もこれは含めてですけれども、成田で国際線で降りて国内線の羽田に行くのに、少なくとも、タクシーで行っても一時間三十分。料金は二万以上。そして、なおかつ高速料が二千三百五十円。これでは国際線も生かされない、国内線も生かされないという、これは私は政策的には、国会議員も含めて、私は日本の航空行政のグランドデザインがなかったということを反省しておりますけれども、今おっしゃったように、成田もそうですけれども、羽田もそうです。もっと羽田と乗り入れたいという地方からの申入れが殺到していますけれども、これもさばけない。 そういう意味で、皆さん方に私は是非、国土交通省としては、今回は、大体、地方の空港、昔は一県一空港なんということを言った政治家もいましたけれども、今これで大体地方には行き渡っております。量的には私は今で大体できていますと思いますから、新規は離島以外は造らないということで、今まである空港のストックをなるべく充実さそうと、質の向上ということで今やっておりますし、また、御存じのとおり、少なくとも、私たちは地方空港の、平成十三年ですけれども、国土交通省の公共事業改革への取組ということで明らかにいたしまして、あるものを充実さそうということになっていますので、是非この地方空港と国際線の乗り入れと乗り継ぎ、連係、そういうものが私はより地方の発展に期すると思いますので、成田も含めて地方空港との連係、連結も政治課題として私たちは今後努力していって、チャーター便のみならず定期便が行くというような地方空港の私は充実も図っていかなければならない。それが日本の経済的なあるいは環境的な、第三次産業の大きな要素の観光の倍増ということも我々は図るためには、まず玄関口を、足下を固めていきたいと思っています。 ■野上浩太郎ありがとうございました。時間の関係上、ちょっと次の質問、申し訳ないんですが省略させていただきたいと思います。 また、このほかにも有事ですとか災害の対応あるいは滑走路の二千五百メーター化ですとか騒音対策、地域との共生、地元との関係、あるいは空整特会の在り方等々、重要な問題あるわけでございますが、今日は地元の椎名議員もいらっしゃっておりますので、私は次の法案に移らさせていただきたいというふうに思いますが、航空法の一部を改正する法律案について、これは航空機の安全に重大な影響を与えるものでございまして、これは近年大変急増しておるわけでございます。客室乗務員に対するアンケートでも、三人に一人がこういう被害を受けておるわけでございますし、注意をしても、その法律の根拠はどこにあるんだというようなことを言われることが現場では一番つらいというふうに言われております。また、今度は、注意をすると大体二割ぐらいは更にエスカレートして、暴力を振るわれたり威嚇をされたりというふうな結果も出ているそうでございます。 航空機において迷惑行為、本当にその安全性に重大な影響を与えるものでございますし、列車やバスや客船等にあるものが航空機はなかったということで、このたびの法整備は強く望まれているのではないかというふうに思いますが、時間もございませんので、一番と二番、一緒にお聞きをさせていただきたいと思いますが、まず大事なのは、この法改正を受けての安全阻害行為というものを一般の利用客にどういうふうに周知徹底をしていくのか。これは外国人利用客も含めてどういうふうに周知を徹底をしていくのかということが重要だと思いますし、あわせて、この法案というのは日本国籍の飛行機と外国籍の飛行機が、日本の領空内に入った飛行機が対象ということでございますので、これは外国籍の飛行機の場合、要は、飛んでいて日本の空港に入ったら、今領空に入りましたので、これから法改正が適用されますよというような対応をしなければいけない、厳密に言うと。なかなかこれは難しい、対応が難しいんではないかと思いますが、その辺の対応についてお聞きをしたいと思います。 申し訳ありませんが、もう一点でございますが、機内の中で多いのは、トイレの中での喫煙ということでございまして、これが一番多いわけでございますし、一番危険な行為であるわけでございますが、やはりトイレの中で吸っていますので、だれが吸ったかと。何人も入った後にその残骸が見付かっても、だれが吸ったか特定ができないわけでございまして、そういう意味では法的な拘束力も弱まるかもしれませんので、例えばトイレの中に煙感知器みたいなものを付けて、たばこを吸えば外でランプが光るとか、これはもう簡単な設備でございますので、例えばそういうものを指導していくということによってこの法律の効力が高まるというふうに思いますが、この辺、併せて最後お聞きをさせていただきたいというふうに思います。 ○政府参考人(洞駿君) お答えを申し上げます。 具体的には、航空会社のホームページや国土交通省のホームページへの掲載、あるいはチラシを配布する、ポスターの掲示とか機内誌への掲載等を行いますとともにキャンペーンを実施してその周知徹底を図りたいと思っておりますし、これらの取組については、当然のことながら、外国語表記も含めて対応してまいる所存でございます。 また、領空内外で適用の有無が、適用されたりされなかったりという問題があるということでございますけれども、おっしゃるとおり、なかなか行為の場所が領空内に入ったから取り締まるということではなくて、こういう行為は領空外であっても当然のことながら保安要員としての客室乗務員が十分そのところを指導、やるわけでございまして、要はそこでやめていただければいいんですが、それを繰り返し反復しているというのが問題でございまして、領空内に入ってきたかどうかというのは、実際の罰則の適用に当たってはその場所がどこであったかというのは特定することが可能でございますから、そこのところを確認するということは可能ですし、適用について支障が生じるということはないと考えております。 また、トイレ内の喫煙というのは、おっしゃるとおり密室でございますから、なかなか監視するというのは難しい面はございますが、客室乗務員が安全の確保等の観点から乗客の行動を注視しているところでございまして、特にトイレに出入りする乗客に対しては注意をして、注意を、十分に監視の目を行き届かせて、喫煙者の特定に努めていきたいというふうに考えております。 過去のいろんな事例を見ましても、やはり悪質な人は何回も繰り返してトイレの中でいろいろやって、そしてそれが場合によっては警察の御協力をいただいたということにもつながっているのもございますし、やはりそこのところはしっかり注意すれば、なかなか一緒にトイレに入るわけにはいきませんけれども、そこのところを監視することは可能だと思います。 また、煙の検知器の御指摘がございましたけれども、これについてもいろいろ検討してまいりたいと思っておりますが、なかなか高感度の煙探知器を設置するということは、現在の水準では、余り感度を上げると、ほこりなどでも反応して警報が鳴ってしまうというような問題があるとも聞いてございます。そういう点も含めまして、今後いろいろ検討してまいりたいと考えております。 ■野上浩太郎 終わります。
|
Copyright©2007 野上浩太郎事務所 All Rights Reserved.