
議事録第156国会 参議院 国土交通委員会 第11号 平成15年5月8日(木曜日)本日の会議に付した案件
○委員長(藤井俊男君)ただいまから国土交通委員会を開会いたします。 港湾法等の一部を改正する法律案及び空港整備法の一部を改正する法律案の両案を一括して議題といたします。 両案の趣旨説明は既に聴取いたしておりますので、これより質疑に入ります。 ■野上浩太郎おはようございます。自由民主党の野上でございます。よろしくお願いいたします。 今日は港湾法等の一部を改正する法律案並びに空港整備法の一部を改正する法律案ということでございますが、まず法案の質疑に入る前に、現在東アジアを中心に深刻な被害が拡大をしております新型肺炎、いわゆるSARSについてお聞きをしたいと思います。 WHOによります最新の発表によりますと、各国における現在の累積の発症者数、これは六千七百二十七名になっていると、死者も四百七十八名に達しております。これはまだまだ氷山の一角ではないかという見方もあるわけでございますし、ゴールデンウイークを挟みまして、国内での感染被害の拡大ということも懸念をされているわけでございます。 国交省としても、国際空港ですとか国際港湾等、感染経路でのいわゆる水際対策ですとか、あるいは航空会社、旅行会社等への対応、こういうものをやはり関連省庁と連携をしまして厳密な対策が求められるところであろうと思います。そういう中で、先般、関係閣僚会議というものも開催をされたところであると伺っておりますが、まず国交省といたしましてどのような対応をされるのか、扇国土交通大臣にお聞きをさせていただきたいと思います。 ○国務大臣(扇千景君)おはようございます。今、野上議員からお話ございましたように、突然降ってわいたという感がなきにしもあらずで、まさかと思っていたことで、私も、SARSという言葉も本当に今当たり前に語られるような言葉になってしまったこと自体が大変なことだと認識しております。 それで、国土交通省関係では、空港あるいは港湾、観光、あらゆる面でSARSと関係のある地域と密接なつながりがあるということは御存じのとおりでございます。今、野上議員がおっしゃいましたように、総理が出張中でございましたけれども、福田官房長官が臨時代理として五月一日にSARSに関する関係大臣会議を開かれまして、私どももそれまでに対応しているものを、どの程度対応しているのかというのを、それぞれ厚労省それから外務省、文科省等々、関係閣僚が集まりました。 まず、今お話にございましたように、国土交通省としてはどういうことをしているのかということで、この会議でも私も報告いたしましたけれども、一つには、対象の地域と行き来をするその人物に対して十分な情報を提供する。行きたいという人もあれば帰ってくる人もありますので、それぞれの情報の提供を第一にするということ。それから二つ目には、感染者が発生した場合に旅客に対しても十分な対応を取り得るかどうか、そのことも検討をいたしました。そして、もしも感染者が出た場合に二次感染がしないようにいかなる対策を取るかということが大事なことでございます。 それから、SARSの拡大ということを考えますと、少なくとも私どもは、今後取り得るものとして、まず飛行機の中でそれらしき人が出たという場合は、まずスチュワーデスから機長に報告をして、そして機内に医者がいるかどうかを聞いて、でき得ればその感染者らしいという人を一番後部の座席に移動さそうと。それから、その人の使うトイレも専門的にその人だけにして周りが使わないようにしよう。そして、本当にSARSの感染者であると分かったときには、機長がなるべく早い、どこの地点に降ろせばこの患者を隔離できるかというのを機長が地上と連絡をして、それを取ろうというようなことを今の五月一日の関係閣僚会議でも申し上げましたし、今大きな話を、善後策、対処、含めて検討をし、またそのマニュアルを徹底しようということにいたしました。 それからもう一つは、このSARSによるあらゆる面での減益、ゴールデンウイークがゴールデンウイークじゃなくて、正に込まないゴールデンウイーク、一番暇なゴールデンウイークになってしまった航空会社等々、少なくとも香港便が七四%の減便でございます。中国便が五五%の減便でございます。旅行業は、北京、広東、香港へのツアーは全部取りやめております。そのために大きな影響が出ておりますので、このようなものに対する経済対策をどうするかということで、これは四月の十七日から中小旅行業者の資金繰りの対策といたしまして、これは信用保証協会による保証料を倍額にするということを決めておりますので、まずそれも対処しようということをしておりますので、私たちも、万全という言葉は使えませんけれども、もしものときにはでき得る限りの対処をしようというふうに行っております。 ■野上浩太郎是非、引き続き厳密な対応をお願いをいたしたいと思います。今、併せまして関連業界あるいは航空会社等への対応についてもお話をいただきましたので、質問を次に移らせていただきたいと思いますが、今回の法案は地方空港ということが一つ大きなテーマになっていると思います。実は私も先般、統一地方選のさなか、富山空港に何回も何回も往復をいたしました。その中で、やはり霧の影響等々で上空にずっと何時間も待機をしましたり、富山空港から小松空港に進路変更をしたりということもございました。冬になりますと雪で羽田に引き返すということも、この冬、気象条件が悪くて何回かあったわけでございますが、今後の空港政策においては、地方空港についてはやはり就航率の向上をする、あるいはその定時性を確保するということも含めて、やはり広範な範囲で地方空港の質的な向上を図っていくということが基本の一つだろうと思いますし、地方にとりましては地方空港の活性化というものは観光政策や産業振興にも直結をする大変重要な課題でございます。 今回の改正は、一つには照明施設等を基本的な施設として位置付け、その整備を推進をするということと、もう一つは地方自治体の自主的な取組によってILSの高カテゴリー化を進めるということを目的としておりますが、まずはその着実な実施を期待するものでございますが、一方で地理的条件等々によりましてこれらの整備が困難な空港というものもあるわけでございます。 そういうこれらの施策を行うことが困難な空港があるということも含めまして、やはり航空管制官の配備等も含めまして、今後地方空港全体の効率化を図っていくということが大変重要な課題であろうかと思いますが、このことについて引き続き扇大臣に、局長ですか、じゃ、洞局長さんにお願いしたいと思います。 ○政府参考人(洞駿君)非常に細部にわたりますものですから、私の方から。おっしゃいますとおり、今後、地方空港につきましては、量的な拡大ということよりも、今後質的な充実を図っていくという面から、ハード面あるいはソフト面の施策と組み合わせて質的な充実に重点を移していくという方針で国土交通省としては臨んでいるところでございます。 そういうことで、今回、具体的にILSの高カテゴリー化による就航率改善でありますとか定時性確保というようなものが主要な施策の一つではございますけれども、こういったものが困難な空港でございましても、空港アクセスの利便の向上であるとか運航頻度の増加等によります利便性の向上、あるいは積雪寒冷地等におきますILS等の高カテゴリー化以外の手法といたしまして、そういう雪国等におきましては就航率を改善するための例えば滑走路を延長するであるとか、そういう施策、またバリアフリー化、ターミナル諸施設の適正な容量の確保等々、あるいは情報化推進等々によります快適性の向上など、地方空港の高質化のための措置を講じていきたいと考えております。 また、先生今御指摘がございました地方の空港の管制官を配置していくということにつきまして、また地方の利便性を高めるための例えば運用時間を延長するでありますとか、そういったソフト面についても今後重点的に取り組んでいきたいと考えております。 ■野上浩太郎是非、今後、そういう方向の中で、例えば観光ですとか産業振興ですとか、そういう観点も含めたそういうお取組を是非お願いを申し上げたいと思います。引き続きまして、CIQ体制の拡充について少しお聞きをしたいと思いますが、これは地方空港の活性化や、この後ちょっと議論となります港湾政策等についても関連をするわけでございますが、やはりこのCIQ関連の要員の増員も含めまして、利用者ニーズに十分対応できるようなそういうCIQの体制を拡充をしていくということは、これは要望も大変高いわけでございますし、重要な課題だと思っております。 そういう中で、関連省庁で連絡調整会議が実施されるということで、されているということでございまして、国交省のリーダーシップを持った取組をお願いをしたいと思います。そして、そのことについて、その内容ですとか展望等々につきましてお聞きをしたいと思うんですが、衆議院の委員会では金澤港湾局長が御答弁されていたということでございますので、もう一方の御当事者であります洞航空局長にお聞きをしたいと思います。 ○政府参考人(洞駿君)今、地方空港のいわゆる国際化といいますか、定期便の就航あるいはチャーター便の就航というものが非常に増えているわけでございまして、全国で約二十三空港に定期便というものが就航しております。こういった定期便が運航されるためには、各地におきますCIQ体制の整備が不可欠でございますけれども、これにつきましては、従前は航空会社や地方公共団体がそれぞれのCIQ官署と個別に調整を行っていたということもございまして、必ずしも全体が整合性を取れて順調に、円滑に進んでいたということに関しては、いろいろ問題なかったということは言えないと思います。こういうことから、国土交通省といたしまして、平成十三年度から国際航空需要とか空港整備の見通しあるいは航空交渉の動向につきまして、CIQの関係省庁に、官庁に積極的に情報提供をいたしまして、これを体制強化で役立てていただくと。要は、CIQ体制を整えるためには要員の確保というものが必要でございます。あるいは、チャーター便をするに際しても、一定の基地から出張で来てもらうとか、そういう準備をしなきゃいけません。そういうことのための必要な情報等を関係省庁に私どもの方から提供する。また、個別事案につきましても、実務的な調整を行うということのためにCIQの連絡調整会議というのを定期的に開催してございます。 このような取組を通じまして、また先生方の御指導もいただきながら、CIQ体制の強化がだんだん実現してきているというものは事実だと思います。今後ともこういう体制の強化等、地方空港の円滑な国際化について関係御方面の御理解を得ながら、国土交通省として最大限努力してまいりたいと考えております。 ■野上浩太郎是非、強化方の方をお願いを申し上げたいと思います。次に、港湾法の方に移らせていただきたいと思いますが、まず、今回、シングルウインドー化するに当たりまして、いろんな港湾手続を同様の定義のものは同じ項目にまとめるという作業をされましたことについては評価をしたいと思いますが、しかし一方で、所管官庁ごとに縦割りで決められております輸出入ですとか貿易ですとか港湾関連の手続というものは、いわゆる諸外国と比べまして大幅に煩雑になっております。これは、国際的に見て合理的な水準に達するために、その手続自体が要るかどうかということを見直していくという観点の取組が必要であると思いますし、それに関連して、FAL条約という条約、国際条約があるわけでございます。これは日本はまだ批准をしていないわけでございますが、このFAL条約の様式に合わせて簡素化をするなど、そういう条約に関する見解についてもお聞きをしたいと思います。 あわせて、ちょっと時間がございませんので、併せて次の質問もお聞かせさせていただきたいと思いますが、今回の情報システムについては、こういう手続についてはいわゆる省庁ごとに個別の情報システムが構築をされておったわけでございます。日本のIT化が遅れているという大きな理由の一つには、やはり縦割り行政の中から脱し切れないということと、真の意味で利用者の利便性に立ったそういう改革がなされていないということが、これは日本のIT化全体に言えることでございますが、大きな要因となっておるわけでございますが、是非その縦割り行政の弊害が出ないようなグランドデザインを設計をして、それに合わせて例えばシステムを統合するとか、そういう対応をすることも重要ではないかと思いますが、そういう情報システムの関連についても併せてお聞きをしたいと思います。 ○政府参考人(金澤寛君)お答えを申し上げます。港湾諸手続のワンストップサービス化につきましては、財務省、それに国土交通省、内閣官房、内閣府、外務省、法務省、農林水産省、厚生労働省、経済産業省、合わせまして九つの府省で、関連府省で平成十三年九月に輸出入・港湾手続関連府省連絡会議という会議を設置いたしまして検討を進めてまいりました。 この会議におきましていわゆるワンストップサービス化に関しましてのいわゆるグランドデザインでございますか、基本的な方針を、まず利用者にとって使いやすいということが一つ、それから運用に当たってコストが低いことというのが二つ目、そして国際標準にも配慮をすること、FAL条約とか、いろいろございますが、それから四点目、手続面で簡素なシステムを構築することという四点を基本方針といたしましてシステム開発を進めてまいりました。 その結果、ワンストップサービス化につきましては、今回御議論いただいております、御審議賜っております港湾EDIシステムが完成いたしまして、それと、税関のSea―NACCSと言っておりますが、通関情報処理システム、それを合わせまして、統合化いたしまして、平成十五年の七月中を目途にワンストップサービス化を実現することとしております。 なお、FAL条約につきましては、その批准に向かって関係府省で鋭意検討を進めております。批准、可及的速やかに批准をしたいと思っております。その批准が達成されました暁にはFAL条約に規定しております様式に統一してまいりたいと、かように思っております。 ■野上浩太郎是非、その簡素化、国際化に向けて取り組んでいただきたいと思いますが、これは本当に抜本的な取組をしないとなかなか追い付かないというところだろうと思いますので、お願いをしたいと思います。最後に、港湾行政全体の話でございますけれども、かつて世界のトップクラスでありました我が国の国際港湾の競争力、これはもう今著しく大きく低下をしていると。やはりこれを追い付くには、これはもう相当な施策を展開をしないと、なかなかこれは追い付くことは難しいのではないかというふうに思います。 今回の改正のワンストップサービス化というものはそれの本当に第一歩であろうと思いますが、更なる国際競争力の向上に向けて国土交通省としてどのようなグランドデザインあるいは具体的な施策を持っておられるか、国土交通大臣にお聞きをしたいと思います。 ○国務大臣(扇千景君)残念ながら、今、野上委員がおっしゃいましたように、かつて海運王国ということで世界に誇っておりました日本の今の現状というものが余りにも国際的な地位をおとしめてしまった、その原因はどこにあるのかと。また、今何をしなければもっと落ちるのではないかという恐怖感もございます。そういう意味では、国土交通省、今回もこうして法案を提出させていただいて、ワンストップサービス化するということによって少なくとも今近隣のアジアの諸国に余りにも陥ってしまった日本の地位というもの。かつて、一九八〇年には神戸が少なくとも世界では四位の港湾の取扱い量を誇っておりました。これが現在では、これ二〇〇二年ですけれども、一位は香港、二位がシンガポール、三位が釜山、四位が高雄、五位が深セン、全部近隣が一位から五位までを占めております。ところが、日本はどれか。一番上が十八位の東京でございます。四位であった神戸は実に二十七位にまで落ちてしまっている。これでは余りにも、国際的にも日本の港湾というものが危機に陥っていると言っても私は過言ではないと思いますし、これは日本の経済上にもあるいは産業上にも、あるいは活力においても日本の地位の信頼という面においても、私はこれを回復しなければいけないということで、今回、今、局長が申しましたように、あらゆる省庁の協力を得てワンストップにしたというのが現実でございます。 そして、なおかつ港湾の諸手続にお金を取っておりました。それはワンストップをするためにシステムを利用してくださいと言って、システムの利用状況では、国土交通省はもちろん最初から無料でございますけれども、財務省は有料で行っていました。また、厚生労働省も無料ですけれども、農林水産省も無料、そういうことで、今まで有料であったところも今回全部これシステム統一で無料ということで皆さんにワンストップサービスができるようになったということも含めて、私は、今回は二十一世紀型に一歩でも近づいて、この法案を通していただいたから一位でも上に上がる、ランクが上がるという元気の出る二十一世紀の港湾というものを取り戻すための一歩であるということを是非御理解いただいて、我々も世界に誇れる日本というものを誇示できるような地位にまで持っていきたいと思っています。 ■野上浩太郎終わります。
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