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議事録

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本日の会議に付した案件

  • 油濁損害賠償保障法の一部を改正する法律案(内閣提出)
  • 海上衝突予防法の一部を改正する法律案(内閣提出)

○委員長(藤井俊男君)

 油濁損害賠償保障法の一部を改正する法律案及び海上衝突予防法の一部を改正する法律案の両案を一括して議題といたします。

 両案の趣旨説明は既に聴取いたしておりますので、これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。

■野上浩太郎

 おはようございます。自由民主党の野上でございます。
 今日は、油濁と海上衝突予防法、この二法でございます。

 まず、油濁でございますが、油濁といいますと、国民の多くの皆さんがイメージをされますのは、湾岸戦争のときに原油にまみれたウミウの姿であろうと思いますし、国内的には、ナホトカ号のときに本当にひしゃくとバケツを持って、あるいはマスクを付けて油の防除作業に当たられた地元住民あるいはボランティアの皆さんの姿であろうと思います。

 油濁事故を思いますときに、環境ですとか生態系に与える影響の深刻さですとか、あるいは漁業、観光に与える被害の甚大さ、大変深刻なものがある。私の地元も富山県でございますので、ナホトカ号のときは正にその渦中にあったわけでございますが、その重大さを思いながら質問に入らせていただきたいと思いますが。

 まずは、今改正が行われました背景についても関連をいたしますが、今改正、平成六年の改正に引き続きましての限度額の引上げなわけでございますけれども、前回の引上げに対応できないほど最近の事故というものは大型化をしているのか。もしそうであれば、最近の事故の特徴を踏まえながら、その理由をお伺いをしたいと思いますし、また併せまして、まず何よりも大事なのは、油濁の補償も大切でございますが、それが起こらないように、どのように安全防止策を施していくかということであろうと思いますが、昨年のプレスティージ号の事故をきっかけとしまして、フランスですとかスペインでは老朽タンカーの航行規制などにも踏み切っておりますし、各国で安全強化策に対する機運が大変醸成されつつあるということでございまして、その動きといいますか、実情と、また我が国の周辺においても老朽タンカーというものは運航していると思いますが、どの程度運航しているのか、また我が国の安全防止策等々についてもお伺いをしたいと思います。

○政府参考人(徳留健二君)

 最近の事故の大型化あるいは欧州での規制強化、そして我が国の安全に対する取組等についてお尋ねがございましたので、お答え申し上げたいと思います。

 御指摘のとおり、平成六年に油濁損害賠償保障法は改正されておりますが、その改正後におきましても、我が国で発生いたしましたナホトカ号事故、これは一九九七年一月でございます。それから、フランス沖で発生いたしましたエリカ号事故、これは一九九九年十二月でございますが、そういった大規模な事故が発生をしておりまして、多額の被害を生じさせておるというところでございます。ナホトカ号事故につきましては、補償総額二百六十一億円、エリカ号事故につきましては、まだ補償額は決着しておりませんが、二百四十億円程度ではないかというふうに予想されているところでございます。

 これらの事故は、その後の調査によりますれば、いずれも荒天下におきまして老朽タンカーの強度の不足による船舶の折損が原因ではないかというふうに言われております。ナホトカ号、エリカ号、いずれも船齢が二十六歳とか二十五歳と非常に古い船でございました。

 そして、先ほどもお話ございましたが、昨年十一月にはプレスティージ号事故が起こりました。これに対応しまして、ヨーロッパにおきましてはいわゆるシングルハルタンカーによる重油等の輸送を禁止するとか、あるいはシングルハルタンカーをダブルハルタンカーに改造するといいますか、シングルハルタンカーの運航をできなくなる、そういう年限が今決められておりますが、それをもっと前倒しにすると。フェーズアウトと言っておりますが、そういったことを前倒しするといったような、そういう規制強化策を検討しているところでございます。EUにおきましては、このような規制強化策を国際条約の改正提案といたしまして、国際海事機関、IMOと言っておりますが、IMOに提出をしたところでございまして、今後、これらの対策につきましてIMOにおいて検討がされていくということとなっております。

 次に、我が国周辺におきます船齢の高いタンカーの運航状況に関する問い合わせでございますが、世界のタンカーの平均船齢というのは約十五歳でございますが、我が国に入港したタンカー、これを私ども、ポートステートコントロールということで外国船の監督を行っておりますが、その際の調査によりますと、平均年齢は約十歳ということで、我が国に入ってくる船は比較的新しい船といいますか、若い船舶が入港しておるということでございます。

 いずれにしましても、老朽タンカーによる海洋汚染ということを防止することが非常に重要でございまして、我が国におきましては、以下申し上げますような対策を国際的に、各国と協力しながら実施をしているところでございます。

 三つほどございますが、まず第一点目は、国際基準を強化していく、全体として国際基準を強化していくということでございまして、船の構造基準とかあるいは船の検査の基準を厳しくして、そういう強度等が足りなくなるというようなことのないように、まず制度的に対応するということでございます。

 それから二番目は、先ほども申し上げましたが、シングルハルタンカーのフェーズアウトを促進すると。要はダブルハルタンカーへの切替えをできるだけ早くするように促進をすると、こういうのが第二点目でございます。

 それから第三点目は、アジア太平洋地域におきまして、ポートステートコントロールという制度がございまして、域内の韓国、中国あるいは東南アジアの諸国等と協力しながら、入港してくる船、外国の船が基準に合致しているかどうかということをきちっと検査をすると、こういう制度がございまして、こういう制度を活用しまして、今後は、特にアジア地域に入ってくる船につきましては船齢が十五年を超えるようなタンカーについて重点的にそういうチェックをしていくということを決定しておりまして、今実施中でございます。

 こういった措置によりまして、我が国に入港する船舶はもちろんでございますが、沿岸を航行する船舶につきましても質の悪い船というものが徐々に排除されていくというふうに考えておるところでございまして、老朽タンカー事故の防止に役立つと思っておるところでございます。

 以上でございます。

■野上浩太郎

 是非、その制度の厳格な適用というものをしっかりとお願いを申し上げたいと思います。

 エリカ号とナホトカ号の具体的な事故についての言及がございましたので、ちょっと次の質問に移らさせていただきたいと思いますが、エリカ、ナホトカ号の事故においても議論となっておるんですが、その限度額を超えた場合の話とも関連をするんですが、九九年のエリカ号の事故に続いて、昨年のプレスティージ号の事故というものは欧州に大変な衝撃を与えました。そして、その対応としまして、現在の国際油濁基金の限度額を超える部分を追加的にカバーする欧州独自の基金を設立するための対応がフランスを中心にEUで進んでおります。このように欧州独自の基金が設立されるという地域的な、地域に限定的な措置が進みますと、これは国際的な油濁補償制度ですとか条約体制を大きく損なう可能性がございますし、あるいはその負担に耐え切れない国がその基金を脱退をしてしまうと。そうした場合、その負担のしわ寄せというものは最大の拠出国であります日本に波及をしてまいります。

 一方、これに対しまして国際油濁基金は、国際的な制度を守るために任意の追加基金の設立案というものを検討しておりまして、この五月にも採択がされるのではないかということもお聞きをしておりますが、問題は、その補償限度額を十億ユーロ、約千二百億円ですか、と主張しておると。これはもう最大限の、現実的な最大限の額の四億ユーロというものから懸け離れたものでありまして、これも大きな懸念事項となっております。

 このような動きに対する今後の見通しと、この最大の拠出国であります日本はやはり国益を踏まえた対応をしていかなければならないわけでありますが、我が国に対する影響あるいはその対応等々、どのようにお考えであるか、扇大臣にお聞きをさせていただきたいと思います。

○国務大臣(扇千景君)

 本当に、今お話が出ましたように、過去の事例を見ましても、ナホトカ号、エリカ号等々、いったん油タンカーが事故を起こしますと、船の事故そのもの自体はさることながら、沿岸の漁民、漁港、そして陸等々に甚大な被害を及ぼすということは過去の例をもってしてももう明白でございます。

 また、今、野上委員がおっしゃいましたように、かつての、思い出しても、ナホトカ号のときに、あらゆる油の駆除方法というものがまだ日本では足りませんで、それによって油濁の汚染を排除する船を新しく造ろうとまで日本はしたわけでございますけれども、現実的にこのナホトカ号の事故等々、今おっしゃいましたように、周辺の地域に甚大な被害を及ぼすので、お互いに、一九七九年に国際油濁補償基金、これが創設されまして、油濁の損害を補償する制度が、これによって国際油濁補償基金には世界七十四か国、これが加盟しております。我が国は最大のこの拠出国でございまして、全体の二〇%を我が国がここの基金に拠出をしております。

 そういう意味で、御存じのとおりの今お話ししましたようなナホトカ号の事故、エリカ号の事故等々といった大規模な事故に関しましては、二〇〇〇年の十月、この基金によりまして補償の限度額、これは二百十六億円から三百二十五億円という、倍増、五〇%引き上げたわけでございます。

 けれども、この条約によって我々は改正が採択されて、今回の法律改正にまで、私たちはこの条約改正を国内法にしようということで決意したわけでございまして、海洋王国と言われて日本じゅう船が行き来している我が国にとっては、この補償の確立と基金の確立と、これを国内で改正するということは、私は今後の安全、安心のためにも大きな私は改正であろうと思っておりますし、また被害者への補償というものも今後事故があったときに充実する、そして一部の国から補償限度額の更なる上乗せについてもあるいは提案されておりますけれども、追加される補償額と、そのための負担の在り方については我が国としても今後議論を尽くしてまいりたいと考えておりますので、今回の改正は大変多くの将来に対しても意義のあることだと存じております。

■野上浩太郎

 是非その方向で御検討を続けていただきたいと思うんですが。

 ちょっと時間がございませんので、次の質問、ちょっと御要望にとどめさせていただきたいと思うんですが、日本の国益を踏まえた対応というときに、日本はダブルハルタンカーを就航させましたり多額の資金を充てて大変安全航行に努力を傾注しておるわけでございますので、事故率も大変低いわけであります。ですから、拠出金の算定等々において事故を起こさないようなインセンティブが働くように優良業者とそれ以外の業者を区別をする、そういう制度設計をしましたり、あるいは税制上の優遇措置を考えたり、こういう対応も必要ではないかと思いますので、これは御検討をお願いをしたいと思います。

 次の質問に移りたいと思いますが、こういう油濁問題につきまして、やはり行き着くところは、いかに海洋の環境を守っていくかというところに行き着くわけでございます。四方を海に囲まれる日本にとって、その対応というものは本当に生命線であろうと思いますが、まずはこれについてどのような取組をしているのか、そしてまたあわせて、特に閉鎖性の高い国際海域の環境保全のために、いわゆるUNEP、国連環境計画によって地域海行動計画が提唱されておりまして、我が国におきましては、日本海を守るために、日本、韓国、中国、ロシアの四か国でいわゆるNOWPAPが九四年に採択をされました。

 実は、このNOWPAPの事務局、日本側の事務局が私の地元の富山県に設置をされることとなりましたけれども、このNOWPAPの担う役割につきまして、その期待あるいはその役割に対する思い等々につきまして扇大臣にお伺いをしたいと思いますし、またあわせて、これは三沢局長になるのかもしれませんが、NOWPAPの富山オフィスの設置について今UNEPと我が国の間で合意文書の協議が続けられているということでございますが、今後のその見通しと、それともう一つは、国土交通省所管で日本海難防止協会富山連絡事務所というものが設置をされますけれども、国交省とNOWPAPとの連携あるいは支援策等々についてお聞きをしたいと思います。

○国務大臣(扇千景君)

 今お話にありましたように、我が日本海というものは、豊富な漁業の資源を始め、あらゆる、レクリエーションでありますとか観光、すべて日本の資源の財産でございます。

 そういう意味では、我々は、今おっしゃったようなこの資源というものの環境保全というものがいかに今後大事になってくるかというお話が今ございましたけれども、少なくとも今おっしゃいましたように、この日本海、黄海を取り巻く日本と韓国、そしてロシア、中国によります海洋環境の保全のために国際的な協力の枠組みとして、今、北太平洋、北西太平洋という意味での地域海行動計画、これが今おっしゃったNOWPAPでございますけれども、具体的には海洋の環境のモニタリング、これが第一の大きな役割でございます。

 二つ目には、油流出の緊急時の対応マニュアルの策定というのが大きな役割でございまして、このNOWPAPの実行と、そしてこの具体策の連絡あるいは緊密な関係国との連携というもの、そして日本海の海洋環境の保全というものにこのNOWPAPが果たす役割というのは大きいと思いますので、この内容と国土交通省の関係は三沢さんから聞いていただきたいと思います。

○政府参考人(三沢真君)

 NOWPAPの本部事務局である富山オフィスにつきましては、NOWPAPがUNEPの地域海行動計画の一環として設けられているということから、その設置に当たりまして、UNEP、国連環境計画と我が国との間でホスト国協定を締結する必要がございます。現在、このため、国連環境計画と外務省の間で富山オフィスの設置に関して協定書の協議を進めているところでございます。私ども国土交通省としても、できるだけ早く、早期に開設できるように尽力してまいりたいというふうに考えております。

 それから、富山オフィスへの支援、連携につきましては、海洋汚染防止に関しまして実績と深い見識を有する社団法人の日本海難防止協会がNOWPAP富山オフィスの業務を支援するということにしておりまして、新たにこの協会の富山連絡事務所というものを設けたところでございます。この富山連絡事務所におきまして、NOWPAPオフィスの日常的な業務運営の支援を行うとともに、海洋汚染防止に関する専門的、技術的な助言あるいは情報提供を行うなど、密接な連携を取っていくということにしているところでございます。

■野上浩太郎

 是非早期の対応をお願いをしたいと思います。

 ちょっと質問を残しましたが、時間でございますので、この質問はちょっと次の機会に譲らさせていただきたいと思います。

 どうもありがとうございました。

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