
議事録第154国会 参議院 国際問題に関する調査会 第6号 平成14年4月8日(月曜日)国会議事録より、野上浩太郎の質問に関する事項を抜粋しました。議事録全文は国会会議録検索システムからご覧いただけます。 本日の会議に付した案件
■野上浩太郎自民党の野上でございます。 今までの御質問とちょっと若干重なるところもあるかと思いますが、経済産業省の方に一点、また外務省の方に一点、お伺いをしたいと思います。 まず、経済産業省の方にお伺いしたいんですが、いわゆる昨今、エネルギー市場の規制緩和ですとか自由化という流れが進んでおりまして、時代の一つの潮流ではないかと思いますが、その反面、いわゆるエネルギー安全保障的な考え方というものも、このテロ以降一つの重要なファクターではないかなという気がいたしております。 例えば、総合資源エネルギー調査会等々で、エネルギーセキュリティワーキンググループでしたか、いろいろな議論もされておったところだと思いますが、その辺りの基本的な方針といいますか認識と、あと、やはり中国の存在というのは非常に大きな位置付けになってくると思うんですね。大体、第一次石油ショック辺りのときはアジアの依存度というのは一五%ぐらいだったものが、西暦二〇二〇年ぐらいにはその倍以上になると、あるいはもっと数十年たつと世界の石油の大半が中国に集中するのではないかというような話もありますが、その中国の位置付けというものをどういうふうに考えているかをお聞きしたいと思います。 外務省の方でございますが、御説明の中でユーラシア外交というお話が出てまいりまして、非常に重要な視点だと思っておりますが、このユーラシア外交を進めていく中で、いろんな一つの国に対する支援というもの、いわゆる二国間支援、二国間外交というものは非常に進んでおるような感じもするんですが、やはりこのユーラシア外交の最終的な目標といいますか本旨というのは、地域的にどのような外交を進めていくかと、複眼的にどういうふうにとらえていくかということであると思いますので、その基本的な方針と、併せて、このユーラシア外交の中で私は、やはり中央アジアといいますか、カスピ海沿岸の国に対するプレゼンスが、今、日本の貿易の状況を見ましてもプレゼンスが非常に低いという状況もありますので、いわゆる石油ですとか天然ガスの可能性から見ても、このカスピ海沿岸あるいは中央アジア等々に対するプレゼンスを高めていくということは重要だと思いますが、その辺の認識をお聞きしたいと思います。 ○政府参考人(松永和夫君)御指摘のとおり、エネルギー政策は各国とも規制緩和、自由化の方向で進んでおりますが、我が国のエネルギー政策を考えた場合、やはり安定供給、セキュリティーの確保というのが大事なもう一つの柱、ベースであるというふうに考えております。そうした観点で、今御指摘ございましたように、昨年、総合資源エネルギー調査会の中にセキュリティワーキンググループを設けまして、一昨年来議論いたしまして、昨年の夏にレポートをまとめたところでございます。 そこでいろいろな観点からセキュリティーを向上させるための施策が提言されているわけでございますが、その一つの柱はやはり備蓄でございます。 先ほども中東依存度の問題について御指摘をいただいたわけでございますけれども、自主開発を進めると同時に、いざというときに備蓄を確保している、その備蓄を基にIEAをベースに相互融通のスキームで対応するというのが世界的な考え方でございまして、我が国の場合、国家備蓄、民間備蓄合わせまして約百六十日分の備蓄を確保しております。これを、いざというときにいかに速やかに備蓄を取り崩して対応するかということが非常に大事なポイントでございます。 もう一つは、やはり自主開発の促進ということでございます。 もちろん、その国際マーケットを通じて原油、天然ガス等は調達ができるわけでございますけれども、石油危機のときの経験に即しましても自主開発原油というものの言わば有効性というものが証明をされておりますので、現在、四百三十万BDのうち六十五万BD、これが自主開発原油でございますけれども、このウエートを増やす、あるいは石油依存度の低減を図るためにも天然ガスの開発を進めると、こうしたことで世界的な原油、天然ガスの供給能力の向上に消費国の一員として協力をしていくということが大事なことではないかというふうに考えております。 三点目は、やはりこうした産油国、中東諸国、中東あるいは中央アジア諸国を中心とする産油国との相互依存関係の強化ということで、貿易投資の促進と同時にいろんな形での対話を強化していくということでございます。 そうした意味で、今年の九月に日本が主催をいたしまして第八回目のいわゆる産消対話を大阪で開きます。世界の主要な産油国、消費国が五十か国以上集まるわけでございますけれども、そうした会議を通じてパイプを強化していくということが大事ではないかと思います。 さらに、中国について御指摘ございました。中国は産油国でございまして、引き続き石油の生産は行われておりますけれども、一昨年来原油の輸入を非常に大幅に増やしております。今、百二十万BDを超えるような水準まで増やしております。経済発展あるいはモータリゼーションの進行に伴いまして中国の石油輸入が増えると思います。あるいは、一時のアジア危機を経て、その他のいわゆる新興アジア諸国、ASEANを中心とする国も石油の輸入を増やしておりますが、これらの国は備蓄を韓国を除いて持っておりません。 したがいまして、セキュリティワーキンググループの中でも提言されておりますけれども、日本のセキュリティーを確保するためにも、非常に経済的に密接な関係にある中国を始めとするアジア諸国の備蓄システム、これがうまく構築できるように協力をしていくということが大事ではないかという指摘をいただいております。 中国との間、あるいはタイ等のASEAN諸国の間でいわゆるエネルギー協議の枠組みを持っておりまして、そうした形で各国のエネルギー政策が環境面にも対応してうまい形で進んでいくということで協力するとともに、日本の備蓄システムの構築に際してのいろんな経験をいろんな形で供与をしていくというような形の協力を進めていくということが大事ではないかというふうに考えております。 ○政府参考人(角崎利夫君)まず、ユーラシア外交、いわゆるシルクロード地域外交でございますが、政府といたしましては、シルクロード地域ということでとらえて、ここへの外交の強化ということを図っておりますけれども、実際にその支援等におきましては二国間のベースでやっているというのが今の基本でございます。この地域に地域的な協力機構も少しずつ芽生えてきておりますので、将来的にはそういう地域的な協力機構との関係強化といったことも視野に入ってこようかというふうに思います。 次に、この地域におきまして日本のプレゼンスがまだ低いということでございますが、確かに、貿易、投資等を見ますとまだまだ低い段階にあるということは事実でございます。 この地域におきまして、まず政府のプレゼンスをきちっと整えていく必要があるということで、これまで大使館はウズベキスタンとカザフスタンにしかございませんでしたが、今年一月にタジキスタンに大使館の事務所を開設し、さらに現在、今度御承認いただきました平成十四年度の予算におきましてはキルギスタンに大使館の事務所を開設するということで、徐々にこの地におきます我が方のプレゼンスの拡大ということに努めておるところでございます。 それから、この地域、特にカザフスタン及びトルクメニスタンにおきましては石油、天然ガスが開発されておるわけで、民間もこの国々におきますこういう資源の面では注目をし、開発等にも参加をしておりますので、恐らく今後、こういうところでの日本の民間のプレゼンスもだんだん高まっていくものというふうに考えております。 以上でございます。 ○副大臣(杉浦正健君)私の方から若干補足いたしますと、中央アジア五か国それからコーカサス三か国ひっくるめての地域ですが、将来のポテンシャルとしては、石油、天然ガスの資源、今カスピ海開発をどんどん進めていますが、中央アジアにはもっとあるかもしれないと、こう言われております。 これはパキスタンのさる高官と話していてびっくりしたんですが、中国が、名前はちょっと忘れましたが、港の整備に協力して、港、将来の石油積出し港にするつもりらしいんですが、カラチよりも西の方に何とかいう港の、先を読んで、大掛かりじゃありませんが港の整備を始めている。なぜだと聞いたら、アフガニスタンが安定するということを見越して中央アジアからパイプラインを引く、その港まで、そこから石油を積み出して中国へ運ぶんだという遠大な構想でODAをやっておるわけです。日本がODAを出しているのに中国がODAをというのはいささか引っ掛かりもするんですが、それは、製造のためにやっておる輸入が増えてきましたから、つまり、黒海経由で持ってきますと物すごく距離が掛かるわけですね、それからスエズ運河を通らなきゃいかぬというようなことで、インド洋へ出してそのまま持ってこようということでやっております。 これは有名なことなんですが、カルザイさんというのは、あのアフガンの代表ですが、彼はかつて、メジャーがあそこを、やっぱりアメリカのメジャーの会社が幾つか絡んで調査したんですが、その調査チームにも入っておったことがあると、石油、天然ガス、中央アジアの。それはどういうふうにあってということに非常に詳しいと、だから、そういう意味でも、ヨーロッパ社会がカルザイ氏がいいといった背景の一つにあるんだというような話も、これもパキスタンの人から聞いたことがあるんですけれども。 日本も、アフガンの復興、これはもうテロの根源を除去するために基本的に重要なんですが、中央アジア地域の持っている石油、天然ガスの資源、ほかにも、例えばキルギスタンなんかはもう希少金属の宝庫らしいんですね。それで、道路を整備してカラチまで運べばいいんですから、そういった中央アジアの将来に着目して、今もうここは非常に日本に協力を求めておりますので、いろんな意味でいい関係を築いていくということは非常に大切だというふうに思っております。 さっき藁科先生から御指摘がありましたが、中央アジアについてこそ、正に戦略的な見地からの取組が必要だというふうに思っている一人でございます。
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