
議事録第154国会 参議院 国土交通委員会 第5号 平成14年3月28日(木曜日)国会議事録より、野上浩太郎の質問に関する事項を抜粋しました。議事録全文は国会会議録検索システムからご覧いただけます。 本日の会議に付した案件
■委員長(北澤俊美君)ありがとうございました。以上で参考人からの意見の聴取は終わりました。 これより参考人に対する質疑に入ります。質疑のある方は順次御発言を願います。 ■野上浩太郎自由民主党の野上でございます。 参考人の皆様方におかれましては、大変お忙しい中御出席を賜りまして、大変御高説を賜りましてありがとうございます。限られた時間でございますので、早速、以下数点について質問に入らせていただきたいと思います。 まず、伊藤参考人にお伺いをいたしたいと思います。 伊藤参考人のお話、私、大変感銘を持って、共感を持って聞かせていただきましたが、その中の一つに草の根まちづくり運動というお話がございました。長期に及ぶ都市再生とは、広く全国的に地方に徐々に広がっていくべきものであると。私も同感でございますが、大都市圏におけるまちづくりといわゆるその地方に広がっていくまちづくりというのは若干質的に違いがあるのではないかなという気がいたしておりまして、例えば人的な要素も含めて、ノウハウの要素も含めて違いがあるのではないかなと思うんですが、この草の根まちづくり運動というものがスムーズに広がっていくためにはどういうような仕組みといいますか、仕掛けが必要なのかなと、その辺をちょっとお聞かせ願いたいと思います。 ○参考人(伊藤滋君)発言させていただきます。 これは、これから新しい試みをいろんな角度から展開していかなければいけないと思っております。率直なところ、まちづくりだから土木屋さんと建築屋さんと造園屋さんの専門家が来ればいいかというと、そういうことは全くあり得ない。むしろ弁護士さんと公認会計士さんと不動産鑑定士さんの方が向いているというまちづくりもございます。 問題は、今の御質問のように、まちづくりをしようとするときに、やはり大都会とか県庁所在地にはそれなりのいろんな意味での専門家がいます。お役人もおりますし、学校の先生もおりますし、ある程度事務所を持って仕事をしている。ところが、地方へ参りますと、私、稚内、石垣に行ったことございませんが、それほどの、それぐらいの都市ですと、市民が議論をしたときに、それをまとめていくという人がいないです、なかなか。学校の先生、私、ここ三人、学校の教師なんですが、学校の教師も、言うことは言うんですが、実践が余りないものですから、済みません、時々空回りしちゃう。 ですから、これを、私は新しくやっぱり草の根まちづくりの教育を一杯いろんなところで展開したらいいと思うんです。九州は九州なりの勉強会をやるとか、北海道は北海道なりの勉強会をやる。こういうところに私は国費をどんと入れていただきたいと思う。教育こそ、いろいろの議論を収束させる専門家を育て、それからNPOを育て、住民運動にあるルールというものも必要だということが分かってくるわけですから。 ですから、草の根まちづくりで一番必要なのは、まず教育、研修をやるということ。それから、草の根まちづくりで次に必要なことは、コンクリートと鉄塔、鉄で大きい建物を造るよりも、リサイクルが利く木造と鉄骨と、場合によってはコンクリートでもリサイクルの利く薄い板ありますね、そういうもので二階建てか三階建ての建物を造って、そこに先ほど私申し上げたような施設が入っていると。そういうちっちゃいまちづくりの方が非常に実感があるんですね。そういうふうにまちづくりを全国にもう無限に展開しませんと、皆さんの貯金は出てこないんです、貯金は。 ですから、それを同時並行的に私は、大きい仕事とそれから今の草の根と同時並行的に進めていくというのがこれからの都市再生の動きになるかと思っております。 ■野上浩太郎正にその教育といいますか、研修というものをしっかりと展開をしていく、大変重要な視点だと思っておりますが、伊藤参考人、済みません、もう一点お聞かせ願いたいんですが、いわゆる次世代に引き渡せる優れた都市空間を作り上げるということでございまして、今まで都市というのは、いわゆる戦後五十年掛けてきた、これを五十年掛けて作り直していかなければならないという話でございまして、特に戦後五十年というのは、人口的にも増加をしてきているし経済的にも右上がりだという中で、どんどんいわゆる都市が膨脹するといいますか、そういう中で都市づくりというものは行われてきたと思うんですが、今後は当然人口は減少していきますし高齢化をしていきますし、情報化ですとか環境についての問題も出てきますので、そういう中で、優れた都市空間ということでございますと、具体的に、具体的にといいますか、都市像というものはどういうことをお考えかなということをちょっと御説明願いたいと思います。 ○参考人(伊藤滋君)日本の都市の特徴は、これも大変面白い、いろんなまちづくりが共存しております。学校の教師は、これはアメリカ型とか日本の伝統型とかイギリス型とか。ですから、そういう点では、私は一つ救いは、日本の都市はヨーロッパや、場合によってはアジアのほかの都市より多元的な要素が入っていますから、ですからあることを、欠陥があるといえばそれで致命的にその都市が駄目になるということがなくて、それなりの復元力を持っていると思っておりますが、しかし、そうだからといってどんな町が、作りでもいいというわけではございませんで、基本的に私は土地は空いてくると思います、土地は。ですから、その空いてくる土地を使って、例えば率直に言うと、中心市街地の中に森があってもいいわけです、森があっても。その土地については固定資産税は免除するとか、何らかの税制的な、あるいは相続税をゼロにするとか。森があって、木造二階建てのしっかりした、百年たってもずっと通用するような木造の二階建ての住宅があって、その木造は火事にも強いというのがあってもいいわけですね。 しかし、片っ方である程度、県庁所在都市とか人口五十万ぐらいの都市になりますと、これは中心市街地に高層のワンルーム、広い意味の、スチューディオタイプ、イギリスで、そういうアパート供給がある方が、独り者の、いろんなお年寄りにも若者にも向いているという場合がございますね。 ですから、概念として申し上げますと、地方都市では土地が空いてきますから、中心市街地を中心商店街というふうに復元するということではなくて、中心市街地であるから、むしろ都市に森がある、林がある、そこに割合、専門店と住宅が共存していく比較的低層の住宅がある。しかし、都市が大きくなってきますと、中心市街地というのはもっとほかの要素が入りますから、超高層の、独身の皆様方に、まあ超高層じゃなくて高層の、独身の皆様方に向いているような集合住宅があってもいいとか、そういうふうになります。 共通している基盤は文化だと思います、文化。文化のにおいが感じ取れる、そして美しい、そういう町だと思います。日本ぐらい広告がひどいところはございません。 以上です。 ■野上浩太郎ありがとうございました。 では次に、小泉参考人にお伺いをしたいと思いますが、小泉参考人の中心的な主張で、いわゆる住民参加、市民参加、これが大変重要だと、また情報公開の中でモニタリングを行っていくと。大変重要な視点だと思います。 一方で、ちょっとこのレジュメにある中で、時間の関係でちょっと言及もされなかった部分なんですが、例えばPFIですとか不動産証券化ですとか、そういう新しい事業を推進するためのスキームというものが今議論をされております。それはプロジェクトファイナンスもそうなんですけれども、そういう新しい仕組みについて小泉参考人としてどういう評価をされているか。住民参加との関係でも結構ですが、お聞かせ願えればと思います。 ○参考人(小泉秀樹君)例えば、PFIにしても不動産の証券化にしても、私は仕組みとしてはあっていいものだというふうに考えていて、一概には否定していないわけです。ただ、私の主張は、そういう非常に、何といいますか、市場をうまく活用した都市再生というか、都市づくりの仕組みが非常に急速に充実する一方で、どちらかというと、今、伊藤先生の方がおっしゃっていたような、もうちょっと地べたに張り付いたような地域発意の環境改善を行うような活動に対する支援施策とか、それをサポートするような専門的なサポートとか、そういう側面は非常に弱いんじゃないかというふうに考えていて、これはバランスの問題だというふうに私は考えているわけです。両方がうまくバランスしていればそれほどおかしなことにはならないというふうに考えていて、片方に偏ってしまうことによって非常にゆがみが出るんじゃないかということを危惧しているわけです。 ■野上浩太郎正にそのバランスの取り方、これも重要だと思います。 それで、あと一点なんですが、今回の都市再生特措法の中で、都市計画の提案権を民間に与える、これは大きな変化でございますが、これをいわゆる住民ですとかそういうNPO団体ですとか、そういうふうなものにも与えていけばいいじゃないかと、これは私もそうだと思っているんですが、都市計画を発議して発意するまでと、それをいわゆる事業として推進していくまでの間にはちょっと性格の違うものがあると思うんですが、発意をしてからすぐその事業化に移るといいますか、推進していくための仕組みとして何かお考えがあればお聞かせ願えればと思うんですが。 ○参考人(小泉秀樹君)先ほど石田先生の方からもお話があったんですが、まず発議するということをもう少し、何というんですかね、緩く考えられないか。地権者の三分の二の合意を前提とするということは、ほぼそれで決まりだという話になってしまうわけですよね。例えば、三分の一の人が発議を、違う案を発議をして、結果として二つの案を並べてみると、いいところを取り合うと更にいい案になる可能性もあるわけですよね。要は、案をうまく調整をして、異なる案を調整して優れた案にしていくということが非常に私は重要じゃないかというふうに考えています。 お答えになっているか分からないんですが。 ■野上浩太郎ありがとうございました。 そうしますと、石田参考人、最後にお聞きをいたしたいと思います。 イギリスの例でドックランドのお話をしていただきまして、この都市再生特別地区ですか、この中の開発だけでは駄目だよと、当然その外に対する影響をしっかりと考えていかなければならないんだよというお話でございまして、もっともだと思うんですが、この地区を設定して、その外の影響に対してしっかりとある意味働き掛けをしていくための、何か具体的な仕組みというのは何かお考えがありますか。今お話の中でちょっと、時間を掛けて住民参加の中でというお話がございましたけれども。 ○参考人(石田頼房君)結局一番肝心なことは、その開発をされる地区だけではなくてもう少し広いエリアを、だれが地域の整備、計画、それを責任を持っているかということなんですね。 それは結局、その地域にある地方自治体が責任を持ってやらなきゃいけない、そうであれば、特別の地区についての計画が民間のイニシアチブで提案されるにしても、その周りの部分を含めて考えている、地方自治体がそれに対するきちっとしたチェックができる、全体的な立場でチェックができる、そのことを保障しておかなきゃいけないんだというふうに思います。 ■野上浩太郎 以上です。
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