本日の会議に付した案件
- 政府参考人の出席要求に関する件
- 国際問題に関する調査
(第四期調査会のODAに関する提言と政府施策の現状について)
■会長(関谷勝嗣君)
ただいまから国際問題に関する調査会を開会いたします。
本調査会の調査テーマについて御報告いたします。
本調査会の調査テーマにつきましては、理事会等で協議いたしました結果、お手元に配付しておりますとおり、三年間を通じた調査テーマは「新しい共存の時代における日本の役割」と決定をいたしました。
また、この調査テーマのもと、具体的調査項目につきましては、イスラム世界と日本の対応、国際経済として、グローバリゼーションと国際経済、東アジア経済の現状と展望及び貧困の削減と世界経済の持続的発展、地球環境問題の現状と日本の取り組み並びにアジア太平洋の安全保障などについて協議を進めていくことといたします。
何とぞ委員各位の御協力をお願い申し上げます。
■会長(関谷勝嗣君)
政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りをいたします。
国際問題に関する調査のため、本日の調査会に外務省総合外交政策局国際社会協力部長高橋恒一君、外務省経済協力局長西田恒夫君、財務省国際局長溝口善兵衛君、文部科学省国際統括官白川哲久君及び経済産業省貿易経済協力局長林洋和君を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
(「異議なし」と呼ぶ者あり)
■会長(関谷勝嗣君)
御異議ないと認め、さよう決定いたします。
■会長(関谷勝嗣君)
国際問題に関する調査を議題といたします。
本日は、過去の調査会の報告のフォローアップとして、第四期調査会のODAに関する提言と政府施策の現状について政府から三十分程度報告を聴取した後、午後四時ごろまでを目途に質疑を行いますので、御協力をお願いいたします。
それでは、まず政府から報告を聴取いたします。
報告は、着席のままで結構でございます。外務省経済協力局長西田恒夫君。
■政府参考人(西田恒夫君)
外務省経済協力局長の西田でございます。座ったままで発言をさせていただきます。
二十一世紀に入りまして、我が国のODAをめぐる情勢は極めて内外ともに大きな変化の中にございます。国内におきましては厳しい経済財政事情の中、ODAにも厳しい目が向けられております。また、内閣としまして聖域なき構造改革のもと、来年度予算におきましてはODA予算一〇%削減の方針が明らかにされております。
このような中で、政府といたしましてはODAの適正かつ効果的、効率的な実施にこれまで以上に努力する必要があると考えております。
また、情報公開の推進を初め、その透明性の向上に努力を払ってまいる考えでございます。
国際社会に目を向けますれば、世界ではグローバル化の急速な進展に伴い世界的規模で進歩と繁栄が見られる一方、多くの途上国におきましてはその恩恵を享受し得ず、さまざまな格差が生じております。加えまして、環境、感染症、紛争等々、地球的な規模の問題が人類全体が取り組むべき喫緊の課題となっております。
特に、今回の米国におきます同時多発テロ事件以降の国際情勢の流れは、テロとの戦い、アフガン難民の問題、アフガン及び周辺国の平和と安定、さらにテロの土壌にもなり得る途上国の貧困問題等に対しまして我が国がどのような役割を果たし得るかという極めて重要な問題を投げかけております。
こうした状況のもとで、ODAを通じた日本の役割に対しましては、途上国を初め国際社会からこれまで以上の高い期待が寄せられております。我が国がこうして国際社会の期待を真剣に受けとめ積極的にこたえていくことは、日本の国際社会からの信頼を培い、日本自身の国益確保につながるものと考えております。
平成十年六月に出されました国際問題調査会の御提言には、ODAのあり方について貴重な御提言が数多く含まれております。
フォローアップ状況につきまして後ほどその詳細、説明をさせていただきますが、政府としましても、御提言をいただいて以降、ODAに関する中期政策の策定等、その提言に沿った形でODA改革を進めてまいっております。さらに、ことし五月には外務大臣の私的懇談会としまして第二次ODA改革懇談会を設置し、今後のODAのあり方について精力的な議論を行っていただいておるところでございます。政府といたしましては、今後ともODA改革に引き続き全力を挙げて努めてまいる所存でございます。
次に、御提言をいただきました各項目につきまして、その詳細を御報告させていただきたいと考えております。
政府としましては、先ほども申し上げましたが、この提言をいただきODA中期政策や国別援助計画を策定したほか、国民参加型の援助を推進するなど、ODAに対する国民の理解と支持を得ながら、効果的、効率的にODAを実施するための改革に積極的に取り組んでまいりました。
お手元に、政府施策の現状につきまして事前に資料を提出させていただいておりますが、以下、各項目ごとに従いまして概要を御説明いたしたいと思います。
提言の十一、「ODA大綱原則の運用の透明性の向上」。ODA大綱の運用の透明性をさらに向上すべしとの御提言でございます。
政府といたしましては、これまで毎年我が国の政府開発援助の実施状況、いわゆる年次報告でございますが、そこにおきまして政府開発援助大綱の運用状況に関する項目を設け、具体例を掲載してきております。本件につきましては、今後ともさらなる情報公開に努めてまいる所存でございます。
提言の十二、「ODA大綱の見直し」。地球規模問題、地雷除去対策、新開発戦略の策定等の新たな動きに対応するため、ODA大綱の見直しに着手すべしとの御提言でございます。
ODA大綱は、御案内のとおり、我が国の援助の実績、経験、教訓を踏まえまして我が国援助方針を集大成し、援助の基本理念、原則等を明確にしたODAの最重要の基本文書でございます。平成十一年八月には、五年程度を念頭に置きまして我が国ODAの基本的な考え方、重点課題、地域別援助のあり方等を明らかにするため、政府開発援助に関する中期政策を策定いたしました。中期政策には、指摘されております地球規模問題、地雷除去対策、新開発戦略等への対応についても明記をさせていただいております。
提言の十三、「援助基準の多様化」。援助対象国・地域の認定等に当たりまして、経済的な指標のみならず地域間格差あるいは人間開発指数等にも配意し、援助基準の多様化に努めるべしとの御提言でございます。
ODAの対象国・地域の認定に当たりましては、一人当たりGNPなどの経済的指標は一応の指針となるものと考えられ、国際社会においても広く用いられてきているところでございます。
他方、具体的なODAの供与に際しましては、調査団の派遣あるいは政策協議等を通じまして、相手国の経済社会開発状況、地域間の格差あるいは特殊事情等を十分把握の上、またニーズを十分に踏まえ、効果的な援助の実施に努めてきております。
提言の十四、「ODAの量の確保への配意」。適正規模のODA予算が継続して確保されるよう検討すべしとの御提言でございます。
ODAは、軍事的な手段を有しない我が国にとりまして最も重要な外交手段でございます。我が国外交を効果的かつ円滑に実施していく上で、ODAの果たす役割は極めて重要であります。
政府としましては、厳しい経済財政状況のもと、ODAの効果的、効率的実施に努めてきておりますが、ますます多様化、複雑化してまいります開発途上国の課題に適切に対応するためには、適正規模のODA予算を確保していく必要があると考えております。この点につきましては、引き続き皆様の御理解と御協力のほどをよろしくお願い申し上げたいと思います。
提言の十五、「ODAの質の向上、人材育成・知的支援の推進と関連体制の整備」。まず、途上国の人材育成、知的支援を推進すべしとの御提言でございます。
途上国の人材育成や知的支援は、政府開発援助に関する中期政策におきましても重要課題の一つとしております。
具体的な取り組みとしては、専門家の派遣、研修員の受け入れ等、さまざまな技術協力の形態を組み合わせた重要中枢政策支援という枠組みのもとで、相手国との緊密な対話を通じ、例えばカンボジアへの法整備支援、ジョルダンへの産業政策支援等を行ってきております。また、ベトナムでは、対ベトナム総合政策支援の名のもとに、日本、ベトナム双方で合意されたテーマにつきまして、日本の学者とベトナムの政策当局者が共同で研究を行い、政策提言を行いました。また、現在、ミャンマーにつきましても同様の取り組みを行っておるところでございます。
次に、専門家の登録制度や公募制度の本格的導入により、広範な対象の中から適切な人材の確保を早急に進めるべしとの御提言でございます。
従来より専門家の登録制度、公募制度を実施し、幅広い層から質の高い専門家の確保に努めてまいりましたが、本年度からは、従来の制度では人材の確保が困難なニーズに対応するため、民間企業との委託契約による専門家派遣制度も導入しております。
提言の十六、「有償・無償資金協力・技術協力の連携の強化、多国間援助と二国間援助とのバランスへの配意」。まず、有償・無償資金協力・技術協力の連携をより一層強化し、適正かつ効果的なODAの実施に努めるべしとの御提言でございます。
先般の行政改革に伴いまして、平成十三年一月から外務省が有償資金協力の調整官庁となり、有償資金協力、無償資金協力及び技術協力の連携を保ちつつODAを実施する体制が整備されました。
また、平成十三年度におきましては、セクタープログラム開発調査を導入いたしました。この制度のもとでは、特定分野を対象とした総合的な開発政策を策定した上で、その分野に対する技術協力あるいは資金協力の連携のとれた実施を図ることを目指すものでございます。
さらに、平成十年度におきましては、円借事業の実施設計調査部門をJICAのスキームで実施する制度も導入をいたしております。加えまして、平成十年度には資金協力連携専門家制度を導入しまして、我が国の専門家がODA案件の発掘・形成支援、監理・指導等を実施する取り組みを行っております。
次に、多国間援助と二国間援助の適正なバランス確保について検討を深めるべしとの御提言でございます。
二国間援助には、我が国の顔が見える援助を推進しやすいという長所がございます。また、多国間援助には、国際機関の専門知識、世界的ネットワークを活用できるなどの長所がございます。政府としましては、それぞれの長所を踏まえまして、具体的な課題に応じて最も適切な方法を選択すべく努力をしてきておるところでございます。
提言の十七、「環境ODAの重視と人材の確保」。環境ODAの量的な拡充、質的向上に引き続き努めるとともに、環境問題の解決に向けた開発途上国の自発的な取り組みを促すよう努力すべしとの御提言でございます。
我が国の二国間のODAに占めます環境分野の割合は、平成十年度におきまして約二六%でございましたが、その後、平成十一年、平成十二年度におきましては三〇%以上に上っております。
特に、気候変動問題につきましては、平成九年十二月の気候変動枠組条約第三回締約国会議、いわゆるCOP3でございますが、で表明をされました京都イニシアチブに基づき、人づくりへの協力、最優遇条件による円借、我が国の技術・経験の活用の三本柱を着実に実施してきているところでございます。
また、我が国は、地球環境保全を目的とするさまざまな国際的な枠組みの策定にも貢献をしてきておりますほか、国連への拠出等も通じまして途上国における人材育成支援を図ってきておるところでございます。なお、我が国は、あらゆる援助政策協議の場を利用しまして、環境問題に対する開発途上国の自発的な取り組みを働きかけてきております。
次に、企業OB等に対し技術協力参加の機会増大を図るなどして環境分野の人材の確保に努力すべしとの御提言でございます。
環境分野の技術協力におきまして、企業OBなどを活用すべく、環境教育、廃棄物の処理、都市の排水技術などの分野でいわゆるシニア海外ボランティアを派遣してきております。平成十二年度におきましては、環境分野で十五名のシニア海外ボランティアの方に活躍をしていただいております。
提言の十八、「社会開発分野の重視」。社会開発分野を一層重視し、新開発戦略が掲げる諸目標の実現に向けて積極的に取り組むべしとの御提言でございます。
政府は、政府開発援助に関する中期政策におきまして社会開発分野への支援をODAの重点課題と明記し、同分野への支援を積極的に行ってきております。二国間のODAにおきます社会開発分野の比率は、平成十年、約二〇%でございましたが、本年、平成十三年におきましては約二五%となっております。
提言の十九、「国別援助方針の充実による国別援助計画の策定と関連体制の整備」。まず、国別援助計画を策定し、公表すべしとの御提言でございます。
政府は、途上国の政治・経済・社会情勢、開発上の課題等を十分勘案した上で、効果的、効率的なODAを実施するため、国別援助計画を順次策定させていただいております。最近では、中国についての国別援助計画を発表いたしましたが、中国を含め既に十カ国分について策定し、外務省のODAホームページ等に掲載をいたしております。
次に、現地体制の強化を進めるとともに、実施機関においては地域的な対応の充実を図られるよう見直しを進めるべしとの御提言でございます。
国際協力事業団、JICAでは、現在、世界五十六カ所に在外事務所を展開し、各在外事務所において企画調査員等を活用し、現地体制の強化を進めてきております。また、本部におきましても、地域別の対応を強化すべく、四つの地域部を設置しております。
国際協力銀行、JBICでは、現在、世界二十七カ所に海外駐在員事務所を展開しており、各海外駐在員事務所において現地体制の強化を図っております。また、本部では、地域的な対応を強化すべく、やはり四つの地域部を設けております。
提言の二十、「ODA中期政策の策定の検討」。政策の方向性、ODAの質的向上の具体的な方途、重点的な配分地域・分野等を明らかにする中期政策を策定し、必要に応じて見直しを行うことを検討すべしとの御提言でございます。
政府では、先ほども言及いたしましたが、平成十一年八月十日に政府開発援助に関する中期政策を策定し、五年間程度を念頭に置きまして、我が国ODAの基本的な考え方、重要課題について記述するとともに、地域別の援助のあり方、実施・運用上の留意点等を明確化すべく努めてきてまいりました。
提言の二十一、「援助実施体制の見直し、現地機関への権限委譲の促進、援助実施要員の確保」。まず、適正かつ効果的な援助実施体制を構築するため、政策機関、実施機関について一元化の方向で体制の見直しに向け検討に着手すべしとの御提言でございます。
先般の行政改革では、御案内のとおり、中央省庁等改革基本法におきまして、外務省がODAに関する全体的な企画等につきまして政府全体を通じる調整の中核としての機能を担う旨規定をされました。これを受けまして、外務省は、関係省庁との連携強化のため、次のような取り組みを実施してまいりました。
まず、平成十二年より局長レベルの政府開発援助関係省庁連絡協議会を定期的に開催してきております。また、技術協力につきましては、平成九年より技術協力事業関係省庁連絡会議を開催しているほか、平成十三年よりは、評価につきましてもODA関係省庁評価部門連絡会議を開催してきておるところでございます。
次に、現地の機関への権限委譲を一層促進すべしとの御提言でございます。
政府は、経済協力の各分野において権限委譲を実施してきております。技術協力につきましては、外務省から国際協力事業団、JICAに対してこれまでに七十五カ国において事業実施段階の業務の権限委譲を実施してきております。また、有償資金協力につきましては、JBICにおいて駐在員事務所への案件監理の権限委譲を順次進めてきております。
援助実施要員の着実な増員に努めるとともに、相手国の事情に精通した現地専門家の採用を積極的に図るべしとの御提言でございます。
定員削減の流れの中、政府、援助実施機関を含め援助定員は削減されてきております。このような中で、企画調査員、草の根調査員等を活用しまして援助の実施体制の強化に努めてきております。
また、現地の事情に精通した現地のコンサルタント、現地の専門家を積極的に活用しまして、案件の発掘、事前調査、フォローアップ等を行わしめておるところでございます。
提言の二十二、「援助供与国・国際機関の比較優位性を活かした援助システムの構築」。
まず、他の援助国、国際機関と政策協議・協調を緊密に進め、各援助国等の比較優位性を生かした援助システムを樹立するとともに、その際、我が国は主導的な役割を果たすべしとの御提言につきましては、我が国は主要な援助国及び国際機関との間で援助政策協議を積極的に推進しており、このような場を通じまして我が国の考え方を主張し、また国際的な援助システムの構築に主導的な役割を果たすべく努めてきております。
また、現地におきます援助協調の動きが活発化する今日、我が国は現地で開催される政策協議等に積極的に参加し、我が国の比較優位を生かした援助の実施に努めてきているところでございます。
次に、南南協力の推進への支援に十分配意すべしとの御提言でございます。
我が国は、従来より南南協力の意義に着目し、国際会議の場においてその重要性を強調してきております。我が国は、技術協力あるいは国際機関への拠出等を通じまして南南協力を積極的に支援してきており、途上国から高い評価を受けているところでございます。
提言の二十三、「国民参加型援助の推進」。
まず、国民参加型援助の推進を強化すべしとの御提言につきましては、提言二十四の関連で詳細を説明いたしますが、さまざまな支援制度を通じましてNGO活動に対する支援を積極的に進めてまいりました。また、青年海外協力隊あるいはシニア海外ボランティアの派遣事業を拡充し、国内のすぐれた人材を活用した国際協力にも努めているところでございます。
次に、地方自治体が行う開発援助に対する支援。地方自治体との連携を強化し、そのノウハウを積極的に活用すべしとの御提言につきましては、JICAは、地方自治体による国際協力事業を側面支援すべく、平成十三年度におきまして二十六の地方自治体に対し国際協力推進員を配置してきております。また、JICAは、地方自治体を受け入れ機関として技術研修員を受け入れるほか、地方自治体職員を専門家としても派遣いたしております。
さらに政府は、地方自治体が開発途上国に対して行っております草の根レベルのプロジェクトに対して財政的支援を行ってきているところでございます。
提言の二十四、「NGOとの連携の強化」。NGOとの連携を強化すべしとの御提言でございます。
政府は、NGOに対する支援、NGOとの連携を強化してきております。例えば、NGOの活動を支援するための予算を拡充してまいりました。草の根無償資金協力予算につきましては、平成十年度五十七億円、平成十三年度には百億円に倍増しております。
また、NGO、経済界及び政府が連携協力して、より効率的かつ迅速な緊急人道支援を行うための体制としましてジャパン・プラットフォームが平成十二年八月に発足いたしました。政府は、これに対する支援として五億八千万円を拠出しております。ジャパン・プラットフォームは、インドの地震災害、また最近ではアフガニスタン難民支援で支援活動を実施してきております。
平成十一年度に導入しましたNGO活動環境整備支援事業では、NGO職員向けに運営管理等に関する実務セミナー、短期研修を実施し、NGOの人材育成面での支援を行ってきております。このほか、NGO・外務省定期協議会を開催するなど、NGOとの対話に努めてきております。
国別援助計画の策定に当たりましても、NGOからの意見を計画に反映するように努力をいたしておるところでございます。
NGOの参加を得た案件形成、NGOとの共同評価というようなものも実施してきております。
提言の二十五、「援助評価活動の充実」。多様な視点からの第三者評価をより一層進めるべしとの御提言につきましては、ODA評価の客観性、透明性を高めるため、NGO、海外の専門家、国際機関職員、コンサルタント等による第三者評価の拡充を行ってきております。
次に、評価結果を次年度以降のODA実施計画の策定及び案件形成に反映させるよう努めるべしとの御提言でございます。
評価結果につきましては、毎年一回、経済協力評価報告書として公表しているほか、昨年七月からは外務省ODAホームページでの公表も開始いたしました。また、評価結果を今後の案件形成等に反映するため、本年一月、外務省内部に、外務省、JICA、JBIC関係者から成ります評価フィードバック委員会を設置いたしました。
評価に当たって、外務省と関係省庁、実施機関との間の連携をさらに強化すべしとの御提言でございます。
ODA関係省庁間の連携をさらに推進するため、先ほど申し上げましたが、平成十三年、ODA関係省庁評価部門連絡会議を設置いたしました。
提言の二十六、「情報公開及び広報活動の拡充」。ODAに対する国民の理解、支持、参加を得るため、情報公開、広報を拡充すべきとの御提言です。
政府は、ODAの情報公開、広報に力を入れております。具体例を幾つか紹介いたします。
まず、外務省ODAホームページ及びODA白書等を通じODA関連の情報公開に努めております。また、平成十一年度よりは、ODA民間モニター制度を導入しまして、一般国民から公募したモニターを途上国に派遣し、ODAプロジェクトを直接視察、報告書を提出いただいております。平成十二年度には百四名の民間モニターを派遣いたしました。
東京にございます国際協力プラザでは、ODAに関する市民への窓口としまして、ODAに関する情報提供を行っております。また、東京以外、全国五十カ所にも国際協力プラザコーナーを設け、資料配布を行っております。このほか、平成十二年から、毎週土曜日、ODA紹介番組を放送しております。
平成十三年八月から九月にかけましては、タウンミーティングを全国各地、東京、神戸、仙台、福岡で開催し、ODAに対する国民の生の声を聴取いたしております。
提言の二十七、「開発教育の推進」。まず、初等中等教育において開発教育を積極的に行うべしとの御提言でございます。
平成十三年から、小中学校用の開発教材「開発教育・国際理解教育ハンドブック」を製作、配付いたしております。また、学習指導要領におきまして、国際協力の必要性、国際社会における我が国の役割について理解させることといたしております。
次に、大学、社会教育の場においても開発援助に関する充実した授業科目や公開講座等を開設できるよう努めるべしとの御提言でございます。
大学では、近年、途上国の経済発展の事例を取り上げ、ODAの役割と課題を理解させるような特色のある授業科目が開設されていると承知をしております。また、開発援助を大学の履修単位として認定する仕組みを検討すべしとの御提言につきましては、例えば広島大学大学院国際協力研究科では、青年海外協力隊に参加した学生が一定の単位を取得でき、またそれも含め修士号を取得することができるという制度を創設されたというふうに伺っております。
最後に、大学生に対して開発援助の実務研修を行わせる制度を拡充すべしとの御提言でございます。
JICAでは、将来援助人材として有望な大学院生に対しまして実務研修の機会を提供しております。この研修については、既に八つの大学院が単位を認定していると承知をしております。
提言の二十八、「開発協力に携わる人材の育成・確保・活用、開発協力研究機関の拡充」。開発協力分野における人材育成を強化すべしとの御提言でございます。
神戸、名古屋、東京等の国立大学を中心にしまして、開発協力関連の講座、学科、研究科が創設をされております。財団法人の国際開発高等教育機構、FASIDは、これらの動きに講座の開設支援、講師派遣等を通じた協力をいたしております。また、平成十二年、FASIDと政策研究大学院大学が連携をいたしまして、同大学院政策研究科に博士前期課程国際開発プログラムを開設いたしました。このプログラムのもと、国際機関、援助実施機関、さらには途上国の中核となる人材の育成を図ってきております。
次に、青年海外協力隊の帰国隊員、企業OB等を活用すべしとの御提言でございます。
勤務先に身分を残したまま協力隊に参加できる現職参加の促進に努力をいたしております。特に平成十三年度からは、教員の方が現職を保持したままJOCVに参加しやすくするため、現職教員特別参加制度を導入いたしました。
また、帰国隊員の就職機会の拡大のため、進路相談カウンセラーを全国十七カ所に配置をしているほか、平成十三年度からは、帰国隊員の進路決定に際しまして教育訓練経費を補助する制度も導入いたしました。さらに、帰国隊員の能力活用のため、優秀な帰国隊員をJICAのジュニア専門員あるいは国際協力推進員等として登用をいたしております。
企業OBの活用につきましては、シニア海外ボランティア制度を通じまして、四十歳から六十九歳までの中高年齢層を広く公募し、派遣をいたしておる次第でございます。
国際開発高等教育機構の研究体制の充実についての御提言でございます。
FASIDは、附属機関でございます国際開発研究センターの研究体制の拡充を行ってまいりました。同センターでは、開発途上国の地域研究、状況分析等、我が国の国際開発戦略に関する研究を実施しております。
以上、これまで大変駆け足でございますが、ODA改革の取り組みについて概要を説明申し上げました。政府としましては、ODAに対する国民の理解、支持を得るためにも、国民参加型援助をさらに推進するとともに、広報及び評価を改善し、引き続き効果的で効率的なODAを実施すべく努力を傾注してまいる所存でございます。よろしく御理解、御協力のほどをお願い申し上げます。
以上でございます。
■会長(関谷勝嗣君)
ありがとうございました。
以上で報告の聴取は終わりました。
これより質疑を行います。
本日は、あらかじめ質疑者を定めず、質疑応答を行います。
質疑を希望される方は、挙手の上、会長の指名を待って質疑を行っていただきたいと存じます。
きょうは、理事会で決めたわけでございますが、まず大会派順に各会派一人一巡するよう指名をしていきたいと存じます。
また、できるだけ多くの委員の方々の質疑を行うことができるよう、委員の一回の発言時間は五分程度でお願いをいたしたいと思います。
なお、質疑及び答弁とも御発言は着席のままで結構でございます。
それでは、まず質疑のある方は挙手をお願いいたしますが、まず一巡を行いますので、山崎力君。
(中略)
■野上浩太郎
自由民主党の野上でございます。
簡潔に二、三点についてお聞きをしたいと思いますが、一つは、提言十三にあります「援助基準の多様化」というところにも、ODAの対象国・地域の認定に当たってはGNP等の経済的指標、これを一応の指針としているということでございます。
個人的な話で恐縮なんですが、実は私の大学の卒論のテーマがこのODAでございまして、これはほぼ十年以上前の話でございますが、このころはまさに今書いてあるとおり、一人当たりのGNPというような経済的指標を指針として、いわゆる産業基盤の発展ですとかあるいはインフラの整備が中心の援助ということで、いろいろテーマとして設定していたわけですが、この提言十八にもあるように、近年、その社会開発分野の重視というところに質的な転換が図られてきていると。まさにキーワードとしては人間中心の開発ということが挙げられると思うんですが、この転換には、私自身はGNPと人間中心の開発と、これはバランスをとってニーズにあった開発を進めていかなければならないと思っているんですが、この人間中心の開発を進めていくには客観的な指標が必要だと思います。
(会長退席、理事山崎力君着席)
それで、その中に、提言十三にもありますが、人間開発指数というのがありますね、HDI。このHDIとGDPというものはこれは必ずしも相関関係がないものでありますので、これをいかにバランスをとってそのHDIというものを反映させていくのか、この点についてお聞きをしたいと思いますし、提言十八にもありますが、社会開発分野の比率が平成十年で二〇%、平成十三年では約二五%ということでありますが、将来的にこれをどのような数値まで持っていきたいとお考えであるのか。
そして、あわせて、最後なんですが、世界開発援助に関する中期政策、この中でいわゆるHDI、人間中心の開発というものをどのように今具体的に位置づけているのか、お聞きをしたいと思います。
■政府参考人(西田恒夫君)
先ほどのお答えと一部重なることになると思いますが、私たち政府としましても、具体的な国あるいは具体的なプロジェクトに対してどのような援助スキームを使うのが一番よいかというような議論をする中におきまして、先ほど申し上げましたいろいろな基準の一つとして、主要な基準としてやはりパーキャピタGNPを使っているということは、これは依然として変わっておりません。それは、やはり一つの客観的、普遍的な指標として他のドナーも含めて議論ができる素地になりますし、その国の発展段階、開発状況というものを示す非常に有効な一つのメルクマールということについては変わりはないというふうに考えているからでございます。
他方、今、先生御指摘のように、それだけでその国の実態というものが明らかにならないんではないかというのは私たちも全く同様の考え方を持っておりまして、先生御指摘の例えば平均余命でありますとか識字率でありますとか、これも一つの考え方で、これは必ずしも絶対的に、果たしてその国の社会開発状況というものを完全に映しているかどうか、これもある意味では発展していくものではないかと考えておりますが、そのような中でUNDPが試行的に行い、かなり今、援助世界の中において確立されつつあるこの人間開発指数というものを十分参考にさせていただきながら援助をしているという実態は、これはございます。
特に、今の御質問にありますように、これまでの経済インフラから、経済インフラも引き続きやりますけれども、やはり社会セクターというものをさらに重視していこうという考え方で中期計画もできておりますので、そのような考え方に基づいて、より具体的なプロジェクトを形成し、それを実施していく上では、当然のことながらこの人間開発指数と、特に開発指数ということもありますが、それぞれの分野での具体的な数字というものがあるわけでございますから、例えば識字率がどういうふうに動いてきているのか、小中学校の数がどういうふうにふえてきているのかふえていないのか、偏在しているのか偏在していないのか等々、それぞれのセクターセクターに着目して、先方との議論をさらに深める形で、それに具体的な下流の世界でプロジェクトをぶら下げていくというような努力を今後ともしてまいりたいというふうに思っております。
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