資料室library
野上浩太郎オフィシャルサイト
1999年12月議会一般質問での論点、主張
- マルチメディア社会に向けて、双方向性を持ったケーブルテレビ(CATV)の整備拡充は大きなポイントである。各家庭と病院や各種の施設等をネットワーク化することによって、医療・介護・福祉サービスなどが飛躍的に発展する可能性がある。また、行政の情報化も大きな課題である。
- 行政においても費用対効果を念頭に置いて個別の事務事業を評価し、コスト意識、顧客思考を持つことが重要であり、また、バランスシートを導入することによって、財政状況が県民に分かりやすく示されることが不可欠である。
- 社会の多様化、生徒の多様化に対応するため、高校において総合学科の設置が一つのポイントとなってくる。
野上浩太郎
おはようございます。
いよいよ2000年まであとわずかとなりました。バブル崩壊以降の1990年代に対して「失われた10年」とする評価も多いわけでありますが、むしろこれを高度成長の総決算としてとらえ、次なる新世紀に向かっての準備期間であったとするべきであると思います。そして新世紀においては、グローバル化、そして情報化ということが大きな時代の流れのキーワードになってくると思われます。
情報化社会については、ここ数年、その到来が語られて久しく、それに対し、政府をはじめ各自治体はさまざまな施策を展開しています。しかしながら、情報化の個々の側面ではさまざまな進展が見られるものの、地域社会の構造を変えてしまうようなインパクトにはまだ至っておりません。その一方でインターネットの普及は急速に進展しておりますし、また、携帯電話やPHSの普及は若者の生活様式を確実に変えつつあります。
情報化社会の発達を交通機関に例えますと、現在はまだ馬車の時代であると言われております。そして、これからようやく鉄道の時代に入っていくと言えるのではないでしょうか。つまり、大きな計画のもと、大量輸送が展開される時代に入っていくのであります。そして、それはいずれ自動車の時代に入り、個々人が自由に乗りこなしていくという時代になることでしょう。
パソコンのキーボードの操作などにアレルギーのある方々も多いわけでありますが、これらの障害も、例えばすべての操作が音声だけでできるなどのバリアフリーなインターフェースを持った機械の登場などにより、21世紀には目覚ましいスピードで改善されていくことでしょう。
行政における情報化に対する施策は、インフラ整備及び技術研究などが伴い、なかなかその効果があらわれないため、ややもすれば計画案の策定やアピールだけにとどまっている場合が多いのであります。現在は馬車の時代でありますから、その格差は目立たないわけであります。しかし、21世紀に入り情報化ビッグバンが起こったとき、情報化の格差というものは、自治体間の格差で最もはっきりするものの一つとなります。現在の施策によっては、その格差は到底埋めがたいものになっていることを確信し、またそのとき本県が情報化のトップランナーとなっていることを期待しつつ、以下、本県における情報化に対する施策についての質問に入ります。
本県における情報化に対する施策について
先ごろ、政府の経済新生対策における重点事項の中で情報化施策が示され、2005年度をめどに全国に光ファイバー網を整備すること、また、教育分野では2005年度までにすべての小中高等学校をインターネットで結ぶことや、行政手続にインターネットを利用する電子政府の構想など、数値目標を伴った具体的な案が盛り込まれました。
本県におきましても、ことし7月に情報フロンティア構想が策定されたわけでありますが、この構想を踏まえ、本県の情報化によるマルチメディア社会の実現に向け、どのような方向性、施策を展望しているのか、知事にお伺いをいたします。
マルチメディア社会の実現に向けて、まず取り組まなければならないのは、そのネットワークインフラ、情報基盤の整備であります。国においては、先ごろ民間主導のもとでの光ファイバー網整備の指針が示されました。一方、高知県、岡山県など行政主導による情報基盤の整備を進めている自治体もあります。
情報基盤の整備は県民生活の向上の布石となるだけではなく、企業誘致の面においても大きな要因となるのでありますが、本県においてはどうなのか。光ファイバーやケーブルテレビの敷設状況を含めたネットワークインフラ整備の状況と今後の整備方針についてお伺いをいたします。
そして、今後の地域情報化ネットワークのポイントの一つは、大容量、多チャンネル、そして双方向という特色を持つケーブルテレビであり、積極的な支援が必要であると思われますが、その拡充に対する推進策をお伺いいたします。
また、郵政省の通信利用動向調査によれば、インターネットに対する要望で常に上位にくるのは通信料の低料金化、定額化であります。これは個人レベルでもさることながら、企業レベルでの要望も大きいわけであります。本県の情報通信サービス全般の通信料金に対する取り組み、展望についてお伺いをいたします。
次に、県庁自体の情報化についてお尋ねをいたします。
地域の情報ネットワーク構築によるマルチメディア社会の実現のためには、その施策を推進する県庁職員の情報化に対する意識というものが大変重要になってまいります。そしてその前提となる県庁自体の情報化は、先月、全庁でのネットワーク化がおおむね完成したということを聞いておりますが、その具体的な整備状況をお伺いいたします。
また、本当の意味での業務効率化、合理化のためにはパソコンの1人1台体制が不可欠でありますが、その見込みをお伺いいたします。
さらに、庁内LAN整備が進む中で、単独業務の効率化にとどまらず、複数の業務を統合的に行われているのか、その文書の共通管理は進んでいるのかなど、実際の業務における取り組み状況についてお伺いをいたします。
行政の情報化が最終的に目指すものは住民サービスの向上であります。行政手続の簡素化、合理化などは、先ごろ実施された県政世論調査においても要望が高いわけであります。行政手続の申請や届け出などの簡素化と利便性向上を目的としたワンストップ行政サービスの実現に向けての最初のステップであります、案内や様式、申請や届け出などのオンライン提供化とフルタイム化を推進するべきであると思いますが、その現状と今後の取り組みについてお伺いをいたします。
あわせて、平成12年4月運用に向け構築中と聞いております統計データベースシステムの概要など、県民に向けての積極的な情報提供が必要でありますが、その取り組みについてお伺いをいたします。
また、本県においては、民間の新規研究開発への支援事業として、とやま情報化アプリケーション推進事業や列島縦断型の研究用ギガビットネットワークの活用を推進しておりますが、その活用による具体的な成果と今後の推進方針をお伺いいたします。
地域社会における各種情報ネットワークの構築について
次に、地域社会における各種情報ネットワークの構築について、私なりの提案も含めながら質問をいたします。
福祉、介護における情報化とケーブルテレビなどによる地域ネットワークの構築について
第1番目は、福祉、介護における情報化とケーブルテレビなどによる地域ネットワークの構築についてであります。
まず、この11月に、県総合福祉会館のオープンに伴い、県の福祉情報の中核となる県福祉情報システムが始動いたしましたが、その内容、そして期待される効果についてお伺いをいたします。
また、効果的な福祉情報ネットワーク構築のためには、県福祉情報システムのみにとどまらず、WAMNETなどを活用した国との連携や、市町村のボランティアセンターや各種福祉施設とのネットワーク化が重要であります。しかしながら、情報基盤整備を含め、各施設においてはなかなかその整備が進んでおらず、県内施設ネットワークの構築に向けて積極的な支援が必要と考えますが、その取り組みについてお伺いをいたします。
そしてさらに、地域情報化の目玉の一つであり、福祉、介護における情報化の最終目的の一つとも言える課題に、各家庭とのネットワークの構築があります。そしてそのポイントの一つは、大容量、双方向を有するケーブルテレビであります。今後、ケーブルテレビを活用した介護、福祉サービスに向けての検討が急務であると考えますが、その所見をお伺いいたします。
医療における情報化、遠隔医療診断について
第2番目は、医療における情報化、遠隔医療診断についてお伺いをいたします。
この10月から富山医科薬科大学において、県内外の病院や診療所と医薬大病院を総合デジタル通信網、いわゆるISDNで結び、電子メールによってコンピューター断層撮影画像などをやりとりし、医薬大病院の専門医のアドバイスを受ける遠隔医療支援システムが稼働し始めたのであります。中小医療機関の反響も大きく、県としても県立中央病院がそのネットワークに参画するなど、積極的な支援策、推進策が必要と考えますが、その所見をお伺いいたします。
高齢化社会を迎えた今日、遠隔医療診断は、かねてより地域情報化における大きな課題の一つとしてさまざまな検討がなされてまいりましたが、このシステムは具体的な第一歩と言えるのではないでしょうか。そして、このシステムは病院間のみのネットワークでありますが、最終的には個々人と病院とをネットワークした遠隔医療システムの構築が期待され、国においても検討を開始されております。
本県においても、山田村で遠隔歯科医療の実験などが開始されておりますが、今後の本県における個々人と病院間を結ぶ遠隔医療システムの展望について知事にお伺いをいたします。
教育情報ネットワークについて
第3番目は、教育情報ネットワークについてであります。
その意義については、これまでもさまざまな場面で取り上げられておりますので、ここでは、国においても経済新生対策の中で2005年度という具体的なスケジュールが示されたところでもあり、現在の本県におけるネットワークの整備状況と今後のスケジュールについてお伺いをいたします。
また、学校の情報ネットワーク化は地域の情報拠点としての位置づけもあり、情報教育においても地域との連携というものは重要な要素となってまいります。今後の情報教育における地域との連携策をお伺いいたします。
また、そのための一つの施策としてネットデイ活動というものを検討してみてはどうでしょうか。これはアメリカ、シリコンバレーで始まった活動であり、学校のネットワーク接続環境を、配線や機器の配置も含めてすべてボランティアでつくろうという試みであります。先ごろ兵庫県の5つの小学校においても実施をされ、生徒、教師、ボランティアを含め約1,400人が参加し、地域の連帯感を高めることに大きな成果をおさめていると聞いています。
雇用就職情報の提供について
第4番目は、雇用就職情報の提供についてであります。
現在、雇用情勢は大変厳しい状況にあるわけでありますが、職を求める者にとって、まず手がかりとなるのは鮮度の高い雇用就職情報であります。ハローワーク富山のワークナビ雇用就職情報は、連日かなりの利用があり、順番待ちがあるということを聞いております。このシステム情報のインターネットによる提供ができないかなど、積極的な雇用就職情報の発信、提供施策についてお伺いをいたします。
自治体の評価システムについて
次は、自治体の評価システムについての質問に移りたいと思います。
このほど県においては、12年度予算編成に向け、開始後10年以上経過した事業について見直しが行われるなど、事業の効率化、合理化に向けた取り組みが始められており、この点については評価をしたいと思います。
また、さきの一般質問におきまして、総務部長より、新しい総合計画の進行管理に適用することを目的とし、行政評価の導入を検討しており、予算編成や事務事業見直しにも活用できないかも含め検討しているという見解が示されました。
行政評価の最終的な目的の一つは、合理的かつ効率的な政策選択にあるわけであります。そのためには、進行管理や達成度における評価にとどまらず、やはり費用対効果を念頭に置いた個別の事務事業についての評価が大変重要になってまいります。本県の取り組みについて、現在の具体的な検討状況も含め、企画部長にお伺いをいたします。
県財政へのバランスシートの導入について
次に、県財政へのバランスシートの導入についてであります。
財政環境が悪化している状況の中で、民間企業の企業運営のよい点を自治体運営に取り入れることは重要なことであります。自治体において、財政全体に正式にバランスシートを導入、あるいは導入の検討を始めているのは東京都を含め約70あり、自治省においても現在検討が進められております。
歳入歳出決算書などによる単式簿記である現在の自治体会計は、いわゆる財産管理という視点に立ったシステムであります。そのため、地方債の償還原資を判断するためなどのストック情報が欠如していたり、また、公営法人や第三セクターを含めた複雑化した自治体経営の実態とミスマッチを起こしつつあります。
バランスシート導入の意義は、1つには、このような自治体の公会計に企業会計で用いられる複式簿記の概念を導入し、その資産、負債、財政状況を客観的に把握するということが考えられます。そしてさらに、こうしたわかりやすい形での会計情報の提供により、県民の県政への参画を促し、県民と一体となった地域経営を実現するということがバランスシート導入の本質的な意義であると考えられますが、本県においての取り組みはどうか、お伺いをいたします。
このように、事務事業評価によって行政がコスト意識、顧客思考の意識を持つこと、そしてバランスシート導入によって財政状況が県民にとってわかりやすい形で示され、かつ客観的な把握ができるようになることという両面が、これからの自治体運営にとっては不可欠なことであると考えます。
職員提案制度について
次に、職員提案制度についてであります。
この制度は、自治体内部の県庁職員からの提案であり、違う形での行政評価システムとも認識ができます。この制度における実績は、平成9年度には87人から153件、平成 10年度には50人から105件の提案があったのに比べ、今年度、平成11年度は264人から375件と急増しており、職員の意識改革については大変評価をしたいと思います。
また、県庁職員の手による政策情報誌「でるくい」も、このたび創刊10号を迎えました。これらの優秀な提案については庁内で十分議論するなど、具体化に向けた取り組みを進める必要があると思いますが、その取り組みについてお伺いをいたします。
高校における総合学科のあり方について
次に、最後の質問でありますが、高校における総合学科のあり方についてであります。
このたびの高校再編においては、学級減による再編という観点とともに、社会の変化に対応し、いかに多様化する生徒のニーズに合わせた編成ができるかという点が大変重要となり、その中で総合学科が一つのポイントとなってまいります。
文部省は、その理念として、普通科、専門学科の枠を超えて、従来の学習指導要領にとらわれない多様で柔軟なカリキュラムを作成し、生徒が将来の生き方を考え、そのニーズ、関心に応じた科目が選択できるようにし、その結果、さまざまな進路ニーズにこたえることなどとしております。
しかし、この理念が有効に働くためには、運用面で解決しなければならない幾つかの課題があります。1つには、総合学科の学習系列と生徒の進路希望が合致しているのか。つまり、学校が想定する進路と生徒や地域社会のニーズが合致しているのかという点があります。そして2つ目は、生徒の選択科目と進路希望が合致しているのか。つまり、総合学科においては、結果として生徒の選択による教育課程がつくられるわけでありますが、それは進路とリンクしているのか。科目選択に当たって楽そうな科目を選択するというような、イージーゴーイングな選択がされていないのかという点であります。その調査検討が必要になってくると思いますがどうか、教育長にお伺いをいたします。
また、この取り組みは、地域や生徒の本当の意味でのニーズを把握することにもつながるわけでありますが、この地域や生徒のニーズを把握し、再編に反映させるということが最も重要なことであり、このことも含めて、今後の高校再編計画における総合学科の配置方針がどのようなものになるのかお聞きをしまして、私の質問を終わります。
どうもありがとうございました。


